科目名  倫理学演習3
          
  
1 単位  
 
哲学科  
2~4 年  
前期 
選択必修 
教員名  白根 裕里枝 
授業テーマ
ギリシア哲学から現代を考える 
授業のねらい・到達目標
いじめや児童虐待、政治家の疑惑事件から国際紛争まで,毎日どこかでさまざまな事件が起こっている。自殺者が年間3万人を超え、経済状況も閉塞したこの生きづらい時代の中で、どう生きることが正しくて善い選択なのか,迷うことも多々あるだろう。改めて,私たち一人ひとりの生き方や選択が迫られている。しかし,人生で大事なことは,昔からそれほど変わらないで,かえって今の方がその大事なことを見失っているのかもしれない。いかに生きるべきかという,人生の一番大事なことを,古代ギリシアの知恵を通して、共に探ってみたい。 
授業の方法
授業では,毎週1章か2章ずつ担当者を決めてテキストを中心に発表してもらい,それを元にテーマを設定して,参加者同士で自由に意見や感想、疑問などを出して,論じあってみたい。今期はグループディスカッションなども取り入れて、お互いの考えを知る機会を多く持ちたい。授業後にコメントカードを記入することで、自分の考えをまとめ、次回にそれを検討することで、お互いの考えを知り、さらに考察を深めたい。 
事前学習・授業計画コメント
発表担当者には発表日と次の週との2週に渡って担当してもらうので、あらかじめ発表の時期を考慮しておくこと。出席者は全員、毎回、テキストの課題の箇所を読んできて、取り上げたいテーマを設定して具体的な例を探すなど、自分の考えをよく練ってくること。 
授業計画
1
ガイダンス 
2
第1章 ソクラテスと「無知の自覚」 
3
第2章 オイディプスと自己の深淵-自分を知ることの悲劇 
4
第3章 個人と社会(1)-『アンティゴネー』における人の法と神々の掟 
5
第4章 個人と社会(2)-プロメテウスとゼウスの贈り物 
6
第5章 法と人間(1)-アンティフォンの挑戦と目撃者の不在 
7
第6章 法と人間(2)-ソクラテスは,なぜ脱獄しなかったか 
8
第7章 力と正義(1)-古代ギリシア人と現実政治 
9
第9章 徳と悪徳(1)-プラトン『ラケス』と勇気への問い 
10
第10章 徳と悪徳(2)-アリストテレスの勇気論 
11
第11章 徳と悪徳(3)-アリスティッポスの人生指南 
12
第12章 理性と情念(1)-メディアとまちがいだらけの夫選び 
13
第13章 理性と情念(2)-プラトン『国家』における魂の三角関係 
14
課題学習 
15
前期授業の総括 
その他
教科書
三嶋輝夫  『汝自身を知れ 古代ギリシアの知恵と人間理解 (NHKライブラリー 196)』  NHK出版社  2005年
 
参考書
加来彰俊  『ソクラテスはなぜ死んだのか』  岩波書店  2004年
加来彰俊  『プラトンの弁明』  岩波書店  2007年
 
成績評価の方法
及び基準
平常点(30%) 、 レポート(40%) 、 授業参画度(30%)
コメント[ 毎回の出席と発表や発言(コメント)などを重視する。]