科目名  現代を読み解くための社会思想1
          現代を読み解くための社会思想1
  
2 単位  
 
社会学科  
2~4 年  
前期 
選択 
教員名  松岡 雅裕 
授業テーマ
社会思想を通じて現代の諸問題に迫る。前期授業のテーマは、「資本主義と近代社会の諸問題」である。 
授業のねらい・到達目標
現代社会や文明のあり方、そしてそこに生きる人間の諸問題を、様々な社会思想を通じて読み解き、その本質的な問題の所在と解決への道筋を考える。 
授業の方法
講義形式が中心となるが、たんに社会思想のエッセンスを述べるにとどまらず、それらが現代に与えた影響(可能性と限界)、そして何よりもそこから現代社会がいかに読み取れるかに言及したい。 
事前学習・授業計画コメント
高校時代に使用した『倫理』『政治・経済』『現代社会』の教科書や資料集は結構役立ちます。取り上げる思想家に関する予備知識を事前学習する場合等に活用してください。 
授業計画
1
問題提起としてのイギリス市民革命と資本主義の運命(ジョン・ロックが提起し擁護した私有財産制とは) 
2
ブラック・ボックスだらけの資本主義経済理論(エンゲルスによるセーおよびアダム・スミス批判) 
3
資本主義体制のなかで市民社会は調和しうるのか(ヘーゲルの弁証法と国家共同体論) 
4
そしてマルクス思想は登場した(なぜ、労働と私有財産制に着目したのか) 
5
資本主義社会の疎外・物象化・イデオロギー現象(マルクス思想の遺産) 
6
資本主義の発展段階説(レーニンと宇野弘蔵の思想から読み取れるもの) 
7
資本主義社会における支配形態(グラムシのヘゲモニー論、マルクーゼの抑圧的寛容論、アドルノの文化産業論) 
8
隠蔽と見せかけ、そして格差を告発する資本主義社会論(制度学派・ヴェブレンとガルブレイスの経済思想) 
9
福祉国家政策が資本主義を自己矛盾に追いやる!?(ケインズ理論と市場競争原理・マネタリズムの相克) 
10
福祉国家と私有財産制のなかの公正さ(ロールズの分配正義論) 
11
資本主義社会の職業倫理(マックス・ヴェーバーとダニエル・ベルの危機感) 
12
大衆消費社会の帰結(リースマンの『孤独な群衆』)とグローバリゼーション(ロバートソンとギデンズの見解) 
13
学習到達度の確認 
14
社会思想にかかわる文献調査 
15
学習到達度に対する講評と総括 
その他
教科書
なし 
参考書
重要な古典、良質な解説書は授業中に指示する。 
成績評価の方法
及び基準
試験(70%) 、 授業参画度(30%)
オフィスアワー
社会学科松岡雅裕研究室。曜日・時間等は追って指示する。 
備考
本講義は、後期開講の「現代を読み解くための社会思想2」と相互に密接な関連をもっている。併せて受講することを薦める。
なお、本講義の基礎的理解を得るために、松岡担当の総合教育科目「思想と文化2(前期開講)」を併せて受講することが望ましい。