科目名  映像社会学
          映像社会学
  
2 単位  
 
社会学科  
2~4 年  
後期 
選択 
教員名  後藤 範章 
授業テーマ
ビジュアル社会学とビジュアル調査法のフロンティア-「見る/撮ること」による社会調査と社会学- 
授業のねらい・到達目標
Visual Sociologyは、通例「映像社会学」や「視覚社会学」の訳語があてられるが、両者のニュアンスは微妙に異なる。本講では、「ビジュアル社会学」と表現することとし、「映画の社会学」「テレビの社会学」「民族誌映像の社会学」などと狭く限定するのではなく、社会を映像で記録する/ビジュアル素材を研究資料とする/社会を視覚的に考察する/社会をビジュアルに表現する等々の幅広い「社会学的実践」を包括するものと位置づける。受講生を、ビジュアル社会学並びにそれと密接不可分な関係にあるビジュアル調査法のフロンティアに誘いたい。 
授業の方法
指定した教科書に沿って授業を展開するが、毎回、内容に関連させて、写真・ビデオ・映画・TV番組・絵画・ポスター・イラスト・スケッチ・マンガ・絵葉書などといったビジュアルな素材/データをプロジェクターで映し出し、「見ること」を通して理解と思考を深めていく。また、「見ること」を介して、学生-教員間及び学生間の双方向・多方向のやり取り(意見表明・交換)を重ねてもいく。 
事前学習・授業計画コメント
毎回の授業に先だって、指定教科書の該当章を事前に必ず読んでおくこと。 
授業計画
1
ガイダンス 
2
ビジュアル調査法と社会学的想像力 
3
目に見える証拠とは:実践的なアドバイス 
4
写真日記:自明なものを積極的に「見る」習慣 
5
ビデオ日記:アイデンティティの構築と自己表象 
6
ハウスシェア生活の空間地図:主観性の鍵を開く 
7
触れることのできないものを映し出す:社会的構築物としてのモノ 
8
水曜日の夜のボウリング:男性性の解釈とパフォーミング 
9
日記-写真日記-インタビュー法:都市の日常の出来事 
10
眼で聴き取る:都市の出会いの窓としての肖像写真 
11
ジェントリフィケーション:アムステルダムとシカゴにおける都市空間の転換 
12
視覚的なものと言語的なもの:6フレームのスローな動画 
13
写真による口述史:鶏処理工場の閉鎖とリンダ・ロード 
14
証拠としての写真術、説明としての写真 
15
前半:授業内試験、後半:試験の解説・総まとめ・レポートの回収 
その他
教科書
キャロライン・ノウルズ他編、後藤範章監訳  『社会風景をありありと描写する:ビジュアル調査法と社会学的想像力』  ミネルヴァ書房  2012年  第1版
教科書は、2012年8月に出版される予定です。後期開講時(第1回目)のガイダンスを受けた上で、2回目の授業までに用意して下さい。 
参考書
谷富夫・山本努編著  『よくわかる質的社会調査 プロセス編』  ミネルヴァ書房  2010年  第1版
 
成績評価の方法
及び基準
レポート(30%) 、 授業内テスト(50%) 、 授業参画度(20%)
コメント[レポート、授業内試験とレポートの成績を基に、授業参画度(授業での発言内容・回数など)を加味して評価する。]
オフィスアワー
時間割が確定しないと決定できないので、年度初めに本館4F・社会学科後藤研究室前に掲示する。可能な限り、メールで事前に予約を取るように心がけてほしい。メールアドレスは、第1回の授業時に知らせる。    
備考
本年度、出来たての教科書を用いて、初めて担当することになるので、履修生の皆さんは「試行錯誤」にお付き合い下さい。2011年度までの前任者(映像人類学の大家)による授業とは、視点も方法も内容も全く異なりますが、授業を重ねることで新しい「ビジュアル社会学」を構築していきたいと思います。