科目名  社会調査実習
          社会調査実習
  
4 単位  
 
社会学科  
3 年  
通年 
選択 
教員名  山北 輝裕 
授業テーマ
ストリートの社会学的質的調査 
授業のねらい・到達目標
 調査の企画から報告書の作成までまたがる社会調査の全過程をひととおり実習を通して体験的に学習する授業である。調査の企画、調査項目の設定、対象者・地域の選定・質的調査の実施(ドキュメント分析・インタビュー・フィールドワーク・参与観察)フィールドノート作成、記述・分析・報告書の作成。ストリートを社会学的に考察するセンスを涵養し、なおかつ質的調査によってストリートの現在を活写する力を修得する。 
授業の方法
演習・実習 
履修条件
社会調査士コース3年次の実習科目の履修を認められた(2010年度中に実習にエントリーし、様々な条件をクリアした)社会調査士コース履修学生に限られる。   
事前学習・授業計画コメント
テーマ設定の際、「ストリート」をキーワードにして、「対象・調査地・問い」はひとつにしぼる(受講者間で討議し、自由に設定)。ただし、調査方法として、質的調査法を“総動員”する。調査作業はグルーピングする。「統計的データ収集グループ」(3 名)、「ドキュメント分析グループ(歴史・新聞・映像等)」(4名)、「聞き取りグループ(インタビュー・ライフヒストリー)」(12 名)、「参与観察グループ」(4 名)および「調査リーダー(調査企画全体の統括、先行研究の把握・はじめに・おわりに執筆)」(2 名)の25 名換算予定。これらのグループ分けはある程度リジッドなものであるが、柔軟に運用する。これらメンバー間の相乗効果によって、設定したテーマを解き明かし、1冊の重厚なエスノグラフィーを作成する。具体的な授業風景としては「○○グループは1ヶ月後までに▲▲について調べてきてください」といった要請を互いに出し合い、後日その調べてきたデータを提示しあい討議し、ストーリーを再構成し、エスノグラフィーを作成していく、といった具合である。またメーリングリストを設置し、連絡を頻繁に取り合うことになる。 
授業計画
1
ガイダンス 
2
調査企画・対象地選定・問いの作成(1) 
3
調査企画・対象地選定・問いの作成(2) 
4
調査企画・対象地選定・問いの作成(3) 
5
目標となるエスノグラフィーを学ぶ(1)古典を読む 
6
目標となるエスノグラフィーを学ぶ(2)設定テーマに関連した文献 
7
インタビューの方法・フィールドノートの作成を学ぶ 
8
質的調査の窮状を学ぶ、調査倫理、『ライティング・カルチャー』 
9
調査企画・問いの再構成・調査対象者選定等 
10
統計班報告 
11
先行研究班報告 
12
ドキュメント分析班報告 
13
インタビュー班報告 
14
参与観察班報告 
15
後期に向けて全体討議 
16
後期ガイダンス 
17
進捗状況確認 
18
インタビュー班報告、ドキュメント班報告(1) 
19
インタビュー班報告、ドキュメント班報告(2) 
20
インタビュー班報告、先行研究班報告 
21
インタビュー班報告、統計班報告 
22
インタビュー班報告(ライフヒストリー)、ストーリー討議 
23
インタビュー班報告(ライフヒストリー)、ストーリー討議 
24
参与観察班報告 
25
参与観察班報告、「調査する側/される側」について議論 
26
データの整理・「引用注釈ユニット作成」(1)フィールドノート・インタビューデータ等 
27
データの整理・「引用注釈ユニット作成」(2)フィールドノート・インタビューデータ等 
28
報告書構成確認 
29
ドラフト(草稿)の報告 
30
原稿の検討・提出・総括 
その他
教科書
山北輝裕  『はじめての参与観察』  ナカニシヤ出版  2011年  第1版
大谷信介・後藤範章ほか  『社会調査へのアプローチ -論理と方法-』  ミネルヴァ書房  2005年  第2版
 
参考書
適宜指示する 
成績評価の方法
及び基準
平常点(30%) 、 レポート(40%) 、 授業参画度(30%)
コメント[質的調査は現場で協力してくださる方あっての勉強のスタイルである。そのため平常点含めて厳格に評価するので注意してほしい。]
オフィスアワー
授業開始日にお伝えします。 
備考
社会調査士コース3年次の実習科目の履修を認められた(昨年度中に実習にエントリーし、様々な条件をクリアした)社会調査士コース履修学生に限られる。1年間でエスノグラフィーを仕上げることは至難の技であるため、授業外の時間を使用することがある。ML を常時使用し、1 年間を通じて執筆を継続する。受講者一丸となって、報告書の出版を目指してもらいたい。なお、担当者もフィールドワークに同行する場合がある。