科目名  道徳教育論
          
  
2 単位  
 
 
2~4 年  
前期 
選択 
教員名  下司 晶 
授業テーマ
 道徳教育の理論と方法 ――自ら学び、考えるために―― 
授業のねらい・到達目標
 道徳教育は、「道徳の時間」だけでなく、学校の全課程を通して行われることになっており、「苦手だから教えない」ことは許されません。
 道徳教育を行うためには、自らが「道徳」に関して自ら深く考えていること、道徳教育に必要とされる基礎知識を修得していることが必要です。
 道徳に関する思索を深め、知識を習得した上で、道徳教育に関する実践力を養うことが授業の目標です。   
授業の方法
 講義を中心に、学生によるディスカッションやプレゼンテーションなどの形式を取り入れます。また、視聴覚資料も多く取り入れます。
 なお、教職志望者として「自ら学ぶ」習慣をつけて欲しいので、ある程度の宿題がでますし、最終レポートも他の科目に比して厳しいものかもしれません。自ら学ばないものが、他人を教えることはできないのではないかと思うからです。「学びに向かう態度」も評価対象となります。 
履修条件
 教職に対する高い意欲があること。 
事前学習・授業計画コメント
 毎時、1時間程度の予習/復習が必要になります。
 ミニレポート(1回~数回の予定)の準備に半日~1日程度の時間を要します。
 最終レポートには、数日ないしそれ以上の準備が必要です。
 授業計画は、受講生の要望を踏まえて変更する可能性があります。 
授業計画
1
イントロダクション ―――― 未熟な私が教えるために 
2
なぜ道徳は教えにくいのか? 
3
子ども・青少年は「凶悪化」したか? 
4
いじめの今昔 
5
教育の目標としての知的自律 ―― 啓蒙としての教育(カント) 
6
道徳性の発達理論(1) ―― フロイト、ピアジェ 
7
道徳性の発達理論(2) ―― コールバーグとモラル・ジレンマ授業 
8
道徳教育の歴史(1) ―― 明治から戦中まで 
9
道徳教育の歴史(2) ―― 戦後から現代まで 
10
道徳指導法の研究(1) ―――― 読み物資料・副読本の活用 
11
道徳指導法の研究(2) ―――― 既存の指導案の応用と自作資料の作成 
12
道徳指導法の研究(3) ―――― 視聴覚資料の活用/教材の開発 
13
道徳指導法の研究(4) ―――― 心理学的アプローチ 
14
授業のまとめ 
15
教壇に向かって ―――― 未熟な私が教えるために(2) 
その他
教科書
①井ノ口淳三編  『道徳教育』  学文社  2007年
②広田照幸  『日本人のしつけは衰退したか ――「教育する家族」のゆくえ (講談社現代新書)』  講談社  1999年
③河野哲也  『道徳を問いなおす』  ちくま新書  2011年
④松下良平  『道徳教育はホントに道徳的か?: 「生きづらさ」の背景を探る (どう考える?ニッポンの教育問題))』  日本図書センター  2011年
 ④が一番平易なので、この本から読み始めるとよい。 
参考書
広田照幸・伊藤茂樹  『教育問題はなぜまちがって語られるのか? ―― 「わかったつもり」からの脱却  (どう考える? ニッポンの教育問題)』  2010年
 その他の資料は、授業内で提示します。
 毎回の配布資料にブックガイドをつけますので、ぜひ読んで下さい。 
成績評価の方法
及び基準
平常点(50%) 、 レポート(50%)
コメント[いずれかの評価が最低基準に満たない場合、単位修得が認められない場合があります。]
オフィスアワー
 開講時に伝えます。 
備考
 ①授業初回のイントロダクションには必ず出席すること。欠席の場合、履修を認めないこともあります。
 ②毎回感想などを記入してもらいます。記述内容は授業中に公表することもあります。
 ③大人数授業では、資料の配付等の協力を求めます。
 ④公欠等の条件は授業初回で提示します(「公欠」とするためには、課題が課されます)。
 ⑤「楽勝科目」ではありません。担当教員としては、充実した授業になるように努力します。そして受講生にはそれに見合う姿勢を求めます。