科目名  倫理学特殊講義1
          
  
2 単位  
 
哲学専攻  
前期課程  
前期 
選択必修 
教員名  藤本 隆志 
授業テーマ
和辻哲郎を読む(1) 
授業のねらい・到達目標
我が国の大学院哲学専攻課程にあっては,西洋哲学の文献をテキストとして用いる場合が多いけれども,日本人学生はそれらとともに日本人先達の諸業績についても知悉しておく必要があろう(たとえば西田幾多郎や九鬼周造などの業績)。しかし,本科目は倫理学に関わるものであるから,まず和辻哲郎(1889-1960)の基本的な倫理思想から再検討していこう。 
授業の方法
前期には『人間の学としての倫理学』をテキストに選ぶ。比較的短い書物ながら,このテキストは倫理学の基本概念について透徹した論述があり,西洋の倫理思想に対する厳しい批判も含んでいるから,人間の倫理について序論的かつ総論的な知見を得ることができよう。 
履修条件
なし 
事前学習・授業計画コメント
各授業時間ごとに事前に提題報告者を定め(輪番制),テキストの一部について読解内容を報告してもらい,それを下敷きにして説明内容の敷衍や質疑応答を行おう。しかし,好きな本をみんなで読む読書会のような気楽な雰囲気で学習を進めていきたい。 
授業計画
1
ガイダンスと次回からの報告担当者の選定。テキストとその著者についての解題。若干の予備的説明。 
2
「倫理」という言葉の意味 
3
「人間」という言葉の意味 
4
[世間」あるいは「世の中」の意義 
5
「存在」という言葉の意味 
6
人間の学としての倫理学の構想 
7
アリストテレスのポリティケー 
8
カントのアントロポロギー 
9
コーヘンにおける人間の概念の学 
10
ヘーゲルの人輪の学 
11
フォイエルバッハの人間学 
12
人間の間 
13
問われている人間 
14
課題学習 
15
総括 
その他
教科書
和辻 哲郎  『人間の学としての倫理学 (岩波全書(または岩波文庫))』  岩波書店  1934年  第1~43版
明治・大正期の先達(漱石や鷗外なども含めて)の著書を旧かな・旧字体でも楽に読めるよう,新かな・新字体による岩波文庫版よりは,中古の岩波全書版のほうを使用なさるよう,お勧めする(ただし,強制にあらず)。この教材は,本科目履修志望の院生諸君各自が事前に準備しておいてください。 
参考書
坂部 恵  『和辻哲郎 (20世紀思想家文庫17)』  岩波書店  1986年  第1版
参考書は汗牛充棟の感があるので,ここでは一々枚挙せず,必要があれば,そのつど教場で指示する。 
成績評価の方法
及び基準
平常点(25%) 、 授業参画度(75%)
オフィスアワー
火曜日の授業前後(あらかじめ連絡しておいていただければ幸甚. E-mail: takfuj@chs.nihon-u.ac.jp)