授業テーマ
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近代文学と検閲
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授業のねらい・到達目標
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出版ジャーナリズムにとって検閲や情報統制はきわめて大きな問題である。文学もまたしばしば検閲の対象となり、数多くの文学テクストが発売頒布禁止処分にあい、またそれを意識した自己規制である伏せ字の処理を施された。では、どのようなテクストが処分され、そのテクストのどのような部分が問題とされたのか。とりわけ「風俗壊乱」の曖昧な基準はどのような役割を果たしたのか。さまざまな先行研究をもとにしながら、明治期の検閲と文学の関係史を個別具体的に追いかけていく。
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授業の方法
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斎藤昌三の『現代筆禍文献年表』などをもとに、明治期に「風俗壊乱」で処分された文学テクストを読んでいく。同時にそのテクストをとりまく解釈の枠組みや、検閲制度自体の問題点などを洗い出す。担当を決め、講義と発表を組み合わせた授業を行う。学期末にレポートを課す。
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授業計画
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1
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ガイダンス
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2
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斎藤昌三、馬屋原成男など先行文献の確認
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3
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J・ルービン『風俗壊乱 明治国家と文芸の検閲』について
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4
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宮武外骨、斎藤緑雨ら
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5
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小栗風葉「寝白粉」
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6
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デュマ「椿姫」
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7
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内田魯庵「破垣」
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8
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島崎藤村「旧主人」
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9
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小栗風葉「恋ざめ」
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10
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水野葉舟「陰」
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11
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徳田秋声「媒介者」
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12
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アンドレーエフ「深淵」
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13
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永井荷風『ふらんす物語』
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14
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森鷗外「ヰタ・セクスアリス」
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15
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まとめ
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その他
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教科書
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コピーかpdfで配布する。
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成績評価の方法 及び基準
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平常点(40%)
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レポート(40%)
、
授業参画度(20%)
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オフィスアワー
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第一回目の授業のときに指示する。
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