科目名  中古文学特殊研究2
          
  
2 単位  
 
国文学専攻  
前期課程  
半期 
選択 
教員名  室城 秀之 
授業テーマ
鎌倉時代物語を読む 
授業のねらい・到達目標
 平安時代末期物語の物語である『山路の露』を精読することによって、物語の解釈の方法を身につける。『山路の露』は、『源氏物語』の「夢の浮橋」の巻の続編として書かれた物語なので、『源氏物語』やほかの平安末期の物語との関係に留意しながら、『山路の露』が何をテーマにして書かれた物語なのかについて考える。また、『山路の露』の本文は、第一類本(版本系)と第二類本(写本系)の二つの系統に大別される。この二系統の本文を比較検討することによって、それぞれの系統の本文が何を伝えようとしているのかについても考えたい。 
授業の方法
『山路の露』を順に輪読の形式で読んでゆく。 
授業計画
1
導入・ガイダンス 
2
「序―作者が宇治十帖と同一ならぬ由のことわり」
 
3
「浮舟居処判明後、薫その動静を知らんと焦慮」 
4
「女二宮を訪ひ、ひそかに浮舟をおもふ」 
5
「薫中君と漸く疎遠、故大君の面影を求めて悲しむ」
 
6
「浮舟勤行に専心、尼等賞でつつ猶出家を惜しむ」 
7
「小野の秋漸く深し、浮舟しきりに母を恋ふ」 
8
「薫病後の徒然に小君を呼び小野へ遣す」 
9
「小君小野の尼に来意を告ぐ、尼浮舟に応対を勧む」 
10
「浮舟小君に逢ふ、母へ文を託し薫には拒否(1)」 
11
「浮舟小君に逢ふ、母へ文を託し薫には拒否(2)」 
12
「浮舟小君に逢ふ、母へ文を託し薫には拒否(3)」 
13
「姉弟睦び語る、小君尼等の勧を斥け下山せんとす」 
14
「小君夜半過ぎて帰参、近火の騒ぎあり」 
15
「黎明、薫小君を召し、浮舟に就ての報告を聴取」、および、ここまでのまとめ 
その他
参考書
池田亀鑑  『源氏物語 七 (日本古典全書)』  朝日新聞社  1955年
土方洋一  『山路の露 (日本古典偽書叢刊(第二巻)所収)』  現代思潮新社  2004年
監修:山岸徳平,今井源衛  『山路の露 : 雲隠六帖』   新典社  1970年
 
成績評価の方法
及び基準
平常点(50%) 、 レポート(50%)