科目名  英米文学演習2
          英米文学演習I  
1 単位  
 
英文学専攻  
前期課程  
後期 
選択 
教員名  福島　　昇 
授業テーマ
　ShakespeareのThe Merchant of Venice は後味の悪さが残る劇である。高利貸しのShylockは、キリスト教徒から罵倒され、いわゆる「人肉裁判」ではPortiaの悪辣な機知によって敗北し、財産は没収され、果たしてこれが公平な裁きなのかと疑わざるを得ないからだ。さらに、Shylockの悲劇は20世紀のホロコーストやポスト・ホロコーストに、異民族の復讐という観点からみれば、2001年のいわゆる9.11テロ事件にもつながってくるからだ。
　授業のテーマはThe Merchant of Veniceにおける諸問題について復讐・民族・宗教の観点から検討することにある。 
授業のねらい・到達目標
　「英米文学演習2」を学ぶことにより、The Merchant of Veniceの理解だけでなく、9.11テロ事件、イラン・アフガニスタンの戦争、中東アジアの諸問題なども理解できるようになる。
　注を参考にテクストの本文を読む。注を読むには時に様々な専門的な知識が必要になるため、関連項目についても理解を深める。 
授業の方法
　ShakespeareとThe Merchant of Veniceの諸問題につき議論し、批評的感想（おしゃべり）などを述べる習慣を身につける。研究論文の書き方（『MLA』第６版に基づく）やギリシア悲劇、現代劇、歌舞伎、文楽、能などにも話題を広げる。 
履修条件
 
事前学習・授業計画コメント
授業の最後に次回授業範囲を説明しますので、テキストを事前に読んでおくこと。
毎回100行ぐらい読むことを目標とする。 
授業計画
1
ガイダンス：授業の方針、レポートのテーマと提出方法：（テーマはThe Merchant of Veniceに関してならば何でも自由です。400字詰原稿用紙10枚、メール可） 
2
The Merchant of Venice2幕9場の精読とディスカッション 
3
The Merchant of Venice2幕9場の精読とディスカッション 
4
The Merchant of Venice3幕1場の精読とディスカッション 
5
The Merchant of Venice3幕2場の精読とディスカッション 
6
The Merchant of Venice3幕2場の精読とディスカッション 
7
The Merchant of Venice3幕3場の精読とディスカッション 
8
The Merchant of Venice3幕4場の精読とディスカッション 
9
The Merchant of Venice3幕5場の精読とディスカッション 
10
The Merchant of Venice4幕1場の精読とディスカッション 
11
The Merchant of Venice4幕1場の精読とディスカッション 
12
The Merchant of Venice5幕1場の精読とディスカッション 
13
The Merchant of Venice5幕1場の精読とディスカッション 
14
The Merchant of Venice5幕1場の精読とディスカッション 
15
The Merchant of Venice5幕1場の精読とディスカッション 
その他
教科書
John Drakakis,  The Merchant of Venice: Third Series [ペーパーバック] , Arden Shakespeare , 2008 , 3 edition
 
参考書
 Alexander Schmidt ,  Shakespeare Lexicon, 2 vols. , Arno Press , 1901 , 2 edition
David Crystal & Ben Crystal,  Shakespeare's Words A Glossary & Language Companion , Penguin Books , 2002 , 1 edition
『Oxford  English Dictionary CD-ROM Version 3.1』  Oxford University Press  2004年  第2版
　Shakespeareに関しては、おびただしい数の参考文献があるため、どの本や論文が良いかを定めるのは困難である。故に、優れた論文集であるShakespeare Survey（1巻～65巻、1948-2012年）のThe Merchant of Venice論を推薦する。必要に応じて資料を配布する。 
成績評価の方法
及び基準
平常点(40%) 、 レポート(60%)
オフィスアワー
 時間：火曜日、４時限
場所：講師室 
備考
「英米文学演習１」を履修していることが望ましい。