科目名  マーケティング論
          
  
2 単位  
 
 
3 年  
後期 
選択 
教員名  箸本 健二 
授業テーマ
マーケティングの視点から見る中心市街地問題とまちづくり  
授業のねらい・到達目標
 本講義は、日本の地方都市の中心市街地を舞台とする「まちづくり」の取り組みを、マーケティングの理論を援用しつつ評価・検討することを目的とする。1980年代以降、日本の地方都市ではいわゆる中心市街地問題が深刻化していった。中心市街地問題とは、駅前や旧市街地など歴史的に商業・サービス業が集積してきた地域が集客力を失い、社会的経済的に衰退を余儀なくされている状況の総称である。本講義では、まずマーケティングの理念と諸理論を概観し、次いで、中心市街地問題をめぐる政策的対応や、中心市街地問題の解決を目的としたまちづくり戦略とその担い手について整理する。その上で、いくつかの典型的な事例を取り上げ、(1)中心市街地問題の本質は何か、(2)「まちづくり戦略」の成功・失敗の要因、(3)成功・失敗事例から何を学ぶか、という3つの切り口を設定し,マーケティングの諸理論を用いた評価・検討を行う。  
授業の方法
授業は講義形式で行う。講義はレジュメに沿って展開し、適宜参考文献を紹介する。 
授業計画
1
中心市街地問題・まちづくり・マーケティング(導入) 
2
マーケティングの理念と諸理論(1) 
3
マーケティングの理念と諸理論(2) 
4
中心市街地をめぐる政策(1):大店法による大型店規制の時代 
5
中心市街地をめぐる政策(2):「まちづくり3法」の理念と矛盾 
6
中心市街地をめぐる政策(3):改正「まちづくり3法」とコンパクトシティ 
7
まちづくり戦略と担い手(1):まちづくりのマーケティング戦略 
8
まちづくり戦略と担い手(2):担い手の変化-TMOからまちづくり会社へ 
9
ケーススタディ(1):「地域密着」の戦略と方法 
10
ケーススタディ(2):「広域集客」化をめざす商店街の経営 
11
ケーススタディ(3):破綻した大型商業施設の再建 
12
ケーススタディ(4):人が結びつく「場」の再生 
13
ケーススタディ(5):古い革袋に新しい酒-担い手の世代交代 
14
ケーススタディ(6):まちづくりとアート 
15
総括-街を経営するという視点 
その他
参考書
荒井良雄・箸本健二  『流通空間の再構築』  古今書院  2007年  第1版
渡辺達朗  『流通政策入門―流通システムの再編と政策展開』  中央経済社  2007年  第1版
久繁哲之介  『地域再生の罠-なぜ市民と地方は豊かになれないのか?』  筑摩書房  2012年
塩沢由典・小長谷一之  『まちづくりと創造都市―基礎と応用』  晃洋書房  2008年
その他、授業中に適宜紹介する。 
成績評価の方法
及び基準
試験(80%) 、 平常点(20%)