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東洋史研究実習1

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科目名 東洋史研究実習1
旧カリキュラム名 東洋史研究実習1
教員名 渡部 良子
単位数    1 学年 3・4 開講区分 文理学部
科目群 史学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業テーマ 西アジア・イスラーム史研究実践
授業のねらい・到達目標 本実習では、西アジア・イスラーム史の研究にとりくむために必要な基礎的技術、知識を身につけることを目的とする。具体的には、(1)西アジア・イスラーム史の文献・史料で用いられる術語を正確に読む・書くために必要なアラビア文字の基礎知識と、ラテン・アルファベットによる表記法・入力法を習得する、(2)西アジア・イスラーム史の基礎知識や史料・文献について調べるために必要な基本の工具・目録・データベースなどの使いかたを、実践を通して学ぶ、(3)西アジア・イスラーム史の学術論文を精読し、文献の批判的読解の方法を学びつつ、論文の構成方法や注・文献の表記法など卒業論文にも欠かせない技術を身につける。
授業の方法 受講者は、自身が関心を持つ・卒論で取り組もうとしている時代・地域・テーマに関する術語の調査と、基本工具を用いた基礎知識調査・文献目録作成を行い、論文精読の発表を担当する(受講者数によっては2回以上)。担当者・発表スケジュールは、受講者数および各受講者の関心に基づき第1~2回に決定する。
事前学修・事後学修,授業計画コメント (1)アラビア文字入門
 本実習では、最初に、西アジア・イスラーム史の術語を正確に理解する・読む・書くために必要なアラビア文字の基礎を学ぶ。クルアーンの言語であるアラビア語は、イスラーム圏全域の歴史で様々な影響を与えた。イスラーム史に登場する術語や人名などはほとんどがアラビア語・アラビア文字表記である(クルアーン、ディーワーン、マドラサ、カーディー・・・)。たとえアラビア語を学習しなくても、文字に関する基礎知識がないと、イスラーム史の歴史術語の理解や正確な表記は困難になる。本実習では、4回にわたって、アラビア文字のアルファベットと表記法、イスラーム史の術語を理解する助けとなるアラビア語およびペルシア語の基本文法の一部、そして、文献を読む・論文を書くために必要な、アラビア文字のラテン・アルファベット転写法の規則を学ぶ。続け書きのアラビア文字は一見難しそうに思われるかもしれないが、実は非常に機能的でその基本ルールが分かりやすい文字であり、現代でも英語のラテン・アルファベットに次いで用いられている。完全にマスターしなくても、どのような文字なのかという基礎知識はぜひ持っておいてもらいたい文字であり、意欲的な学習を期待する。
(2)西アジア・イスラーム史研究法入門
 西アジア・イスラーム史研究には、術語の調査や文献の探索のために、使い方を必ず知っておかなければならない辞典、文献目録、データベースなどの基本工具がある。それらの工具を探し、自分の関心を持つ地域・時代・テーマについて実際に工具を用いて調査をし、文献目録を作成することで、その使用法を覚える。受講者は、卒業論文のための準備につなげるつもりで取り組んでもらいたい。
(3)論文精読
 西アジア・イスラーム史研究の優れた学術論文を3点(時代・地域・テーマは受講生の専門・関心に合わせて選ぶ予定)精読する。ただ知識を学ぶだけではなく、論はどのように組み立て、展開するか、論文はどのような構成で作成するかという、歴史研究と論文執筆の具体的な方法を学び取る。1つの論文について2回にわたって精読し、2名の発表者に(1)論の分析、(2)注の書き方と使用されている史料・文献に関する発表を行ってもらう。
授業計画
1 ガイダンス
2 アラビア文字入門(1):アラビア語アルファベット
3 アラビア文字入門(2):アラビア文字の綴り法
4 アラビア文字入門(3):イスラーム史のアラビア語術語の基礎知識
5 アラビア文字入門(4):アラビア文字転写法
6 イスラーム史研究法入門(1)
7 イスラーム史研究法入門(2)
8 論文精読(1)
9 論文精読(1)
10 論文精読(2)
11 論文精読(2)
12 論文精読(3)
13 論文精読(3)
14 まとめと復習
15 まとめと復習
その他
参考書 小杉 泰・林佳世子・東長 靖(編) 『イスラーム世界研究マニュアル』 名古屋大学出版会 2008年 第1版
成績評価の方法及び基準 平常点(20%)、1回以上の発表の担当(50%)、術語調査・文献目録の提出(30%)

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