教育原論

授業テーマ	ヨーロッパ近代の教育思想
授業のねらい・到達目標	ヨーロッパにおいてルネサンス期から始まった「文明化」の過程は、大人と子どもの距離を拡大し、新しい〈子ども〉観を誕生させる契機となった文化－社会変容の過程でもあった。ヨーロッパに始まり、世界に広がっていく「文明化」の過程とはなんだったのか、そして近代に誕生したヨーロッパの〈子ども〉観の特徴とはどのようなものであったのかを、ふるまい方(外見)と精神のあり方(内面)の関係を中心に、具体的事例・思想にそくして検討していく。
授業の方法	「文明化の過程」と近代的〈子ども〉観の誕生について、当時の社会の具体的状況を理解するために、視覚的資料も適宜用いながら、思想面についての考察を深めていく。授業内において、ミニ・レポートを課す予定。
履修条件	高校レベルの世界史(「世界史A」もしくは「世界史B」)の知識があること。

授業計画
1	ガイダンス
2	中世における大人と子どもの関係　－騎士道物語の世界－
3	「宮廷－社会」の成立と「文明化の過程」
4	エラスムス「子どもの礼儀作法書」　－天使の視線－
5	「文明化」と礼儀作法　－ルネサンス期における大人と子どもの関係の変容－
6	ラ・ロシュフーコーとラ・サール
7	ヨーロッパの内なる「未開」と「文明」
8	「民話」　の世界観―「農民は民話を通して告げ口する」？―
9	「文明化」の装置としての「おとぎ話」
10	ペロー「眠れる森の美女」
11	ルソー「エミール」
12	「文明」と「自然」
13	未開と文明／子どもと大人／非西欧と西欧の二項対立図式の形成～
14	レポートの作成
15	補足と総括

その他
教科書	使用しない。担当者が資料を用意する。
参考書	なし
成績評価の方法及び基準	平常点(20%)、レポート(35%)、授業内テスト(35%)、授業参画度(10%) 上記の内容により総合的に評価する。なお、レポートは、中間試験として、授業内に実施する論述試験となる。
オフィスアワー	授業終了後に実施する。
備考	視聴覚資料および配布資料を用いて授業をすすめるので、出席はもちろんのこと資料の理解につとめること。授業中の私語、携帯電話の使用、授業途中の入退室等、周囲の迷惑になる行為があれば、退出してもらい、以後の受講は認めません。