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日本史研究実習1

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科目名 日本史研究実習1
旧カリキュラム名 日本史研究実習1
教員名 江草 宣友
単位数    2 学年 3・4 開講区分 文理学部
科目群 史学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業テーマ 日本古代史の史料を読む:『続日本紀』を読む
授業のねらい・到達目標 ◇授業のねらい
 本実習では、日本古代史料の読解力の向上を目的として、『続日本紀』の写本(国会図書館蔵、元禄4年写本)を利用して授業を進めていく。『続日本紀』は『日本書紀』に続く勅撰の国史で、文武天皇元年(697)から桓武天皇の延暦10年(791)までの95年間(全40巻)の記事を収めており、いわゆる奈良時代史の基本的な史料である。また、他の史書と比較しても本文研究が充実しており、日本古代史料の基本的な読解力を問うには最適な史料といえる。
 本年度は、『続日本紀』和銅5年(712)9月条以降の条文を読み進めることとする。和銅年間は、大宝律令が制定・施行されてから約10年、また藤原京から平城京へと都が遷された直後の時期にあたり、日本が本格的に律令国家として始動する時期である。このような時代の中で日本古代の国家・王権そして地域社会が如何にして変容していくのか、またその時代の人々がどのように生きていたのか、文献史料だけではなく木簡や漆紙文書などの出土文字資料や金石文、考古学の発掘調査の成果等を取り入れながら概観する。これらの検討を通じて日本古代社会の総体的理解を深めることを目的とする。

◇到達目標
【知識・理解】
・古代日本の史料を正確に読み、解釈することができる。
・六国史や正倉院文書など代表的な日本古代史料の特質を説明できる。
【関心・意欲】
・日本古代の史料に関心をもつ。
・発掘調査のニュースや記事などに関心をもつ。
・歴史に関する研究会やシンポジウムなどに参加する。
【技能・表現】
・日本古代史料の調査方法を身につける(読解のための「道具」を使いこなす)。
・史料を通して歴史を見る態度を身につける。
授業の方法 ◇授業の方法
歴史資料と歴史学の関係および研究方法について講義した後、『続日本紀』の各条文を受講生が分担して、担当条文の読解、関係史料の検討、研究史上の問題点などを調べて報告し、それに対する質疑応答・討議の形で進める。
履修条件 ・基本的な漢文の読解(訓読文、書き下し文、現代語訳の作成)ができること。
・『大漢和辞典』『日本国語大辞典』『国史大辞典』などの基本的な使い方を理解していること。
事前学修・事後学修,授業計画コメント ・基本的な漢文の読み方(返り点の種類、書き下し文の作成など)について復習しておくこと。
・質疑応答・討議に加わることができるように自分の担当条文以外も事前に読み、不明な語句などは各自で辞書等で確認しておくこと。
授業計画
1 ガイダンス―歴史資料と歴史学―(講義)
2 工具書の使い方について―調べ方案内―(講義)
3 大宝律令の制定とその時代(講義)
4 受講生発表(1)
5 受講生発表(2)
6 受講生発表(3)
7 受講生発表(4)
8 受講生発表(5)
9 受講生発表(6)
10 受講生発表(7)
11 受講生発表(8)
12 受講生発表(9)
13 受講生発表(10)
14 受講生発表(11)
15 前期まとめ
その他
教科書 テキストは『続日本紀』元禄四年写本(国立国会図書館蔵、請求記号:本別5-39)を使用する。このテキストは、「国立国会図書館デジタル化史料 古典籍史料(貴重書等)」(URL:http://dl.ndl.go.jp/)で閲覧・印刷可能である。授業開始後に使用する部分のコピーを配付する。
参考書 佐竹昭広ほか編 『続日本紀 (新日本古典文学大系)』 岩波書店 1989年
林陸朗編 『完訳・注釈 続日本紀』 現代思潮社 1985年
直木孝次郎ほか編 『続日本紀 (東洋文庫)』 平凡社 1986年
黒板勝美編 『続日本紀 (新訂増補国史大系)』 吉川弘文館 2000年
史料の読解に際しては、これらの参考書の注・補注まで読むこと。読解のヒントが記されており、有用である。
成績評価の方法及び基準 平常点(30%)、レポート(40%)、授業参画度(30%)
平常点(出席回数)が基準に満たないものは、レポートを提出したとしても成績評価対象外となる。
オフィスアワー ・授業終了後、本館2階講師室にて30分間。
・E-mailでの対応(アドレスは授業開始後に配布)。

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