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外国教育史特論4

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科目名 外国教育史特論4
教員名 平野 正久
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
学期 後期 履修区分 選択
授業テーマ 教育思想の古典を読む
授業のねらい・到達目標 ルソー(J.-J.Rousseau,1712-78)の教育論である『エミール』は、近代教育思想史上の最も代表的な古典的著作といわれていますが、近現代の教育に対する影響にも計り知れないものがあります。それゆえ、教育学を専攻する大学院生にとっては、基礎的教養という意味でも、一度は真正面から取り組むべき不朽の名著だといえます。『エミール』は、教育論であるとともに、人間論や幸福論でもあり、また政治論や宗教論をも含む内容豊かな書物であり、思想の面白さを教えてくれる知の泉ともいうべき性格のものです。一年をかけて全編を読破し、研究者として必須な教育学的思考力を鍛錬しましょう。
授業の方法 『エミール』は、小説風で一見読みやすい感じの本ですが、実はなかなかに手ごわい理論的内実を蔵しており、一人で読んでいるだけでは、その真髄を把握することが困難です。それゆえ、集団で読み解いていく方法が有効であり、邦訳書の該当箇所の予習を前提にして、受講者全員が自由に論議を交わしつつ、集団的思考を通して批判的・創造的な解釈を積み重ねていく講読の形式で授業を進めます。各人の基礎的研究能力の向上を図る意味から、テキストの精密な読解に基づく思想的・理論的内実の検討を重視します。
授業計画
1 第3編 児童後期① 能力が欲望を相対的に凌駕する時期
2 第3編 児童後期② 固有な学習の開始と事物主義
3 第3編 児童後期③ アヒルとパンの奇術 -物理学入門-
4 第3編 児童後期④ 有用性の原理 -森の散歩のエピソード-
5 第3編 児童後期⑤ 革命の予見と職業選択の問題
6 第4編 思春期① 第二の誕生としての思春期
7 第4編 思春期② 同胞愛を異性愛に先行させる原則
8 第4編 思春期③ 自然宗教論 -サヴォア助任司祭の信仰告白-
9 第4編 思春期④ 異性愛の問題と趣味論
10 第5編 青年後期① 女性観と女子教育論
11 第5編 青年後期② 恋愛と結婚 -ソフィーとエミール-
12 第5編 青年後期③ 青年期の最終カリキュラムとしての外国旅行
13 第5編 青年後期④ 市民の政治的教養としての社会契約論
14 ルソーの教育思想 -総括的評価-①
15 ルソーの教育思想 -総括的評価-②
その他
教科書 ルソー(今野一雄訳) 『エミール 上・中・下』 岩波書店(文庫) 2007年
2007年以降発行の改版(拡大活字の新版)を入手してください。
参考書 授業中に適宜紹介します。
成績評価の方法及び基準 平常点(100%)
出席状況や授業への参画度(発言の量と質など)を総合的に考慮して、平常点で評価します。
オフィスアワー 授業終了後

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