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思想と文化1

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科目名
平成28年度入学者
思想と文化1
科目名
平成27年度以前入学者
思想と文化1
教員名 小野 美典
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 前期 履修区分 選択
授業テーマ 説話文学『十訓抄』の中に見られる人々の「生」
授業のねらい・到達目標 『十訓抄』は鎌倉時代に成立した説話文学作品です。この作品には、「人を侮るな」「思慮深くあれ」「堪忍が大切だ」などといった十の徳目のもと、処世のための教訓となる話が収載されています。しかし、単なる教訓説話集としてのみこの作品を読むのではなく、武家政権が確立した世の中において、「いかにうまく生きるのか」「いかにしたたかに生きるのか」を記した作品ととらえるならば、新しい読みの可能も出てくるでしょう。本作品の中から数段を選んで読み進め、「武士の世」において賞賛された「生きざま」を探ってみたいと思います。
授業の方法 プリントを中心とした講義形式。授業中に各自の意見を紙に書いて提出してもらい、それをもとに授業を進めるなどして、一方通行の授業にならないように配慮します。
履修条件 受講希望者数が教室定員を超過した場合は人数調整を行うので、必ず第1回目の授業に出席すること。人数調整を行った場合は、第1回目の授業に欠席した学生は履修を認めませんので、注意してください。
事前学修・事後学修,授業計画コメント 扱う作品は、日本の古典文学作品や歴史資料が中心となりますが、古典原文(古文)を読むことに主眼があるのではないので、古文の読解能力は不問です。現代語訳などの参考資料も使いながら、理解を深めるよう配慮します。国文学科の専門の授業ではないので、詳細な解説プリント(現代語訳付き)も用意する予定です。語学面での心配は無用です。
「事前学修」としては、配付プリントを一読して出席することを希望します。さらに講義の理解の深化を図りたい人のために※印を記載しました。事前学習に利用してください。
授業計画
1 講義の概要・目的・成績評価等の概要説明
※シラバスをよく読んで、授業の形態と到達目標を理解しておこう。
2 はじめに1(『十訓抄』の概説――作品の成立背景と作者の問題)
※高校時代の教科書や辞書・ネットなどで『十訓抄』について調べてみよう。
3 はじめに2(『武士としては』――江戸時代の武士と鎌倉時代の武士)
※「江戸時代の武士の大変さ」について考えてみよう。また文献などでその実態を調査してみよう。
4 第九「怨望を停むべき事」の第1話・その1(「成就院僧正寛助の話」の前半――同僚の異例の出世)
※プリントの第九の第1話前半を理解しておこう。「藤原師実」について調べてみよう。
5 第九「怨望を停むべき事」の第1話・その2(「成就院僧正寛助の話」の後半――同僚の出世を妬まない心)
※プリントの第九の第1話後半を理解しておこう。自分が寛助の立場ならどうしたか、考えてみよう。
6 第九「怨望を停むべき事」の第2話・その1(「顕季と義光」の前半――「法」は個人を守ってくれるか?)
※プリントの第九の第2話前半を理解しておこう。「法」の不備について調べてみよう。
7 第九「怨望を停むべき事」の第2話・その2(「顕季と義光」の後半――「法」は個人を守ってくれるか?)
※プリントの第九の第2話後半を理解しておこう。「恩を売る生き方」の実例を調べてみよう。
8 第三「人倫を侮るべからざる事」の第1話・その1(「小式部内侍の歌」の前半――いやみな相手への対応)
※プリントの第三の第1話前半を理解しておこう。小式部内侍と藤原定頼について調べてみよう。
9 第三「人倫を侮るべからざる事」の第1話・その2(「小式部内侍の歌」の後半――小式部の和歌の見事さ)
※プリントの第三の第1話後半を理解しておこう。小式部の歌の本文中での役割について考えてみよう。
10 第三「人倫を侮るべからざる事」の第3話・その1(「文時邸の老尼」の前半――外見で人を決めてかかると…)
※プリントの第三の第1話前半を理解しておこう。一字違いの助詞で内容がどう違うか考えてみよう。
11 第三「人倫を侮るべからざる事」の第3話・その2(「文時邸の老尼」の後半――文人たちの失敗と教訓)
※プリントの第三の第1話後半を理解しておこう。「藪に剛の者」と同義の諺・慣用句を調べてみよう。
12 第四「人の上の多言等を誡むべき事」の第14話・その1(「大臣家の侍」の前半――無名の者が出世するには…)
※プリントの第四の第14話前半を理解しておこう。登場人物の屋敷内での位置関係を考えてみよう。
13 第四「人の上の多言等を誡むべき事」の第14話・その2(「大臣家の侍」の後半――自らの価値をアピールする)
※プリントの第四の第14話後半を理解しておこう。和歌の朗詠に秘められた侍の秘策を考えてみよう。
14 講義のまとめと確認・発展学習1(『十訓抄』の描く「生」とは)
※第2回から第13回までの学習をふりかえっておこう。
15 講義のまとめと確認・発展学習2(今後の発展学習のために)
※『十訓抄』以外の鎌倉時代の説話文学作品について調べてみよう。
その他
教科書 教科書として特定の著書は使わない。プリントを配付して、それを使用する。
参考書 講義中に適宜紹介する。
成績評価の方法及び基準 平常点(20%)、授業内テスト(80%)
成績評価に関しては、第1回目の授業で詳細に説明するので、必ず出席すること。また、第1回の講義に欠席した者は、原則として受講を認めない。
オフィスアワー 火曜日の12:10~13:00(7号館国文学科事務室内講師控室)
また、第1回目の授業で質問用メールアドレスを公表する。メールを使っての質問も受け付ける。
備考 オフィスアワー以外でも授業の前後などで質問を受け付ける。質問用メールアドレスも最初の授業時に公開するので、積極的に利用して欲しい。意欲を持って授業に臨む学生を歓迎する。

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