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科目名 | 美学特殊講義5 | ||||
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教員名 | 鈴木生郎 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 哲学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業概要 | 生と死に関する現代の分析哲学を学ぶ |
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授業のねらい・到達目標 | 生や死に関する哲学的問題を一度でも考えたことがない人は、おそらく存在しないでしょう。「私たちはどうせ死んでしまうのに、生まれてきたことに意味があるのだろうか」、「私たちが死ぬとはいったいどのようなことなのだろうか」、「私たちは死後にどうなってしまうのだろうか」、「死は本当に悪いものなのだろうか、そうであるとしたらなぜ悪いことなのだろうか」、「永遠に死なないことは、私たちにとってよいことなのだろうか」など、哲学的に問いうる問題は数多く存在し、その多くが重要で難しい問題です。 この授業では、こうした問いのうちの代表的なものについて、現代の分析哲学の議論を背景にしつつ考えていきます。もちろん、こうした重大な問題にそれほど簡単に答えが与えられるわけではありません。しかし、こうした議論を学ぶこと通じて、問題の理解をより深めることができ、自分の思考を洗練させることができます。また同時に、哲学の議論を正確に理解し、批判的に評価し、それをレポートして発表する能力もを伸ばしていただく狙いもあります。 前期の授業では、「死とは何か」、「死はなぜ悪いことなのか」という問題を中心に扱います。また、議論を理解するための必要な知識についての解説も適宜行います。 この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応しています。 |
授業の方法 | 基本的には講義形式ですが、毎回リアクションペーパーを用いて質問を受け付けます。また、レポートに基づくディスカッションも行っていただきます。 本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。 |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンス:授業の概要、進め方と評価方法についての説明を行います。 【事前学習】教科書の第一講を読んでおくこと。 【事後学習】授業内容(特に授業の受け方)の復習、参考文献の確認をすること。 |
2 |
人の同一性について:人の同一性(personal identity)について、授業全体の前提となる事項を確認します。 【事前学習】紹介した参考文献に目を通しておくこと。 【事後学習】魂説、身体説、心理説について要点を説明できるように復習すること。 |
3 |
死とは何か:人の同一性の立場が、死についての捉え方にどう影響するかを確認します。 【事前学習】教科書の第二講を読んでおくこと。 【事後学習】授業内容を踏まえ、自分自身の考えを整理しておくこと。 |
4 |
死についてのさまざまな主張:死についてよく信じられている主張をどう理解すべきか(理解可能かどうか)について考えます。 【事前学習】教科書の第三講を読んでおくこと。 【事後学習】授業で取り上げた例(あるいは別の例)について可能な解釈を考えてみること。 |
5 |
福利(well-being)について:福利について、授業で前提されるいくつかの区別を確認します。 【事前学習】紹介された参考文献に目を通しておくこと。 【事後学習】快楽説・欲求充足説・客観リスト説の違いを整理しておくこと。 |
6 |
死の悪さについて (1):死の害についてのエピクロス問題と剥奪説の立場を確認します。 【事前学習】第四講の一部(pp. 97–100)を読んでおくこと。 【事後学習】剥奪説を例を挙げながら説明できるようになっておくこと。 |
7 |
死の悪さにについて(2):無時間説の立場と課題を確認・吟味します。 【事前学習】紹介された参考文献に目を通しておくこと。 【事後学習】無時間説の立場と問題点を説明できるようになっておくこと。 |
8 |
死の悪さについて(3):生前説と同時説の立場と課題を確認・吟味します。 【事前学習】紹介された参考文献に目を通しておくこと。 【事後学習】生前説と同時説の立場と問題点を説明できるようになっておくこと。 |
9 |
死の悪さについて(4):死後説の立場と課題を確認・吟味します。 【事前学習】第四講の一部(pp. 101–131)を読んでおくこと。 【事後学習】死後説の立場と課題を説明できるようになっておくこと。 |
10 |
死の悪さについて(5):ルクレティウス問題を確認し、T・ネーゲルやF・フェルドマン、D・パーフィットの議論を検討します。 【事前学習】第四講の一部(pp. 132–146)を読んでおくこと。 【事後学習】それぞれの立場と問題点を説明できるようになっておくこと。 |
11 |
死の悪さについて(6):ルクレティウス問題に対する、F・カウフマンの議論を検討します。 【事前学習】紹介された参考文献に目を通しておくこと。 【事後学習】カウフマンの議論とその問題点を説明できるようになっておくこと。 |
12 |
死に向けられるべき感情:死を恐れることが合理的であるかどうかを、恐怖という感情のあり方から考えます。 【事前学習】教科書第八講の一部(pp. 240–268)を読んでおくこと 【事後学習】死にたいする適切な感情がどのようなものかを考えること。 |
13 |
ここまでの授業の振り返りとレポートの準備:これまでの授業の論点を整理し、レポートのための準備を行います。 【事前学習】これまでの授業ノートを再確認し、要点や疑問点を確認しておくこと。 【事後学習】レポートの課題や指定を踏まえ、レポートを作成すること。 |
14 |
ディスカッション:グループに別れ、自分の書いたレポートを発表・議論していただきます。 【事前学習】自分のレポートについて10分程度で発表できるように準備する。 【事後学習】ディスカッションの成果を踏まえ、レポートを修正する。 |
15 |
より進んだ課題の提示と質疑応答 【事前学習】レポートを完成させること。 【事後学習】より高度な課題やそのための文献にチャレンジしてみること。 |
その他 | |
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教科書 | シェリー・ケーガン 『死とは何か』 文響社 2018年 第1版 教科書は必ず買っておいてください。 |
参考書 | 使用しない |
成績評価の方法及び基準 | レポート(80%)、授業参画度(20%) 授業参画度は、毎回のリアクションペーパーで評価します。 |
オフィスアワー | 授業後に直接(あるいは後にメールで)アポイントメントを取ってください。アドレスについては初回授業時にお伝えします。 |