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日常生活文化論

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科目名 日常生活文化論
教員名 好井裕明
単位数    2 学年 2・3 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 社会学科
学期 前期 履修区分 選択
授業概要 日常の生活文化をいかにして読み解くことができるだろうか。日本民俗学の成果(世相史など)を紹介し、「人びとの社会学」を構想する現代社会学の最先端であるエスノメソドロジーおよび会話分析の考え方を順次講義する。
授業のねらい・到達目標 現代社会学の最先端であるエスノメソドロジーおよび会話分析の理論や方法を学び、そうした考え方を日常の多様な現象を解読するために用いることができるようになることを目標とする。

この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP2及びカリキュラムポリシーCP4に対応しています。
授業の方法 基本的には講義形式で、必要事項は板書する。また授業内容を深める目的で映像を視聴する回もある。

本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。
授業計画
1 日本人の生活文化を調べた名著を考える:宮本常一『忘れられた日本人』
【事前学習】民俗学とは何かをネットなどで調べておく。
【事後学習】『忘れられた日本人』を読んでみる。
2 世相・風俗・日常を見つめる営み:色川大吉『昭和史世相篇』、今和次郎『考現学入門』
【事前学習】考現学とは何かをネットなどで調べておく。
【事後学習】説明した文献のいずれかを読んでみる。
3 「今、ここ」で日常生活文化を反省的に捉える:A.シュッツの「日常生活世界論」からエスノメソドロジーへ
【事前学習】自分が一日をどう生きているのかを書きだしてみる。
【事後学習】シュッツの考えた生活世界の構造を自分の日常にあてはめてみる。
4 エスノメソドロジーの基本的な考え方:「人々の方法」の発見
【事前学習】常識とは何かを考えておく。
【事後学習】エスノメソドロジーの発想を自分の日常の出来事にあてはめてみる。
5 エスノメソドロジーの基本的な考え方:実践的社会学的推論
【事前学習】日常の出来事の解読を書きだしてみる。
【事後学習】自分が解読した内容がいかに社会学的であるのかを考察する。
6 初期エスノメソドロジーの成果:成員の専門的実践知の抽出
【事前学習】前回の内容について考察したことを書きだしておく。
【事後学習】提示された初期エスノメソドロジーの成果を今一度批判的にを考えてみる。
7 初期エスノメソドロジーの成果:制度的状況の秩序化実践の解読
【事前学習】前回の内容について批判的な考察を書きだしておく。
【事後学習】新たに提示された成果を今一度批判的に考察してみる。
8 会話分析という手法:会話の基本的規則をめぐって
【事前学習】普段どのように他者と会話しているのかを反省しておく。
【事後学習】会話することが重要な日常の社会学的営みであることを実例を考え理解する。
9 会話分析の手法:会話の開始・終結の秩序、会話の順番取得
【事前学習】普段どのように会話しているのかを反省しておく。
【事後学習】提示された知見を自分の会話にあてはめてみる。
10 会話分析の手法:成員のカテゴリー化装置
【事前学習】普段、他者をどのように認識しているかを考えておく。
【事後学習】成員とは何か、カテゴリー化とは何かを身近な例で考え直す。
11 会話分析の二つの課題:会話の形式的組織化とカテゴリー化という問題
【事前学習】これまで授業で示された会話分析の知見を整理しておく。
【事後学習】会話分析が日常生活の秩序を分析していることを身近な例で考え直す。
12 性差別のエスノメソドロジー:日本での会話分析応用例
【事前学習】普段、異性との会話をどうしているかを反省しておく。
【事後学習】微細な権力行使としての性差別をしているかどうか、自分の日常を見直す。
13 歪められたカテゴリー化を読み解く:あるTVドキュメンタリーの分析
【事前学習】普段どのようにテレビ番組やCMをみているのかを考えておく。
【事後学習】無意識に強制されるカテゴリー化という営みが自分の日常にもあるかを考え直す。
14 制度的状況の会話分析:社会問題への応用
【事前学習】自分が関心ある社会問題は何かを考えておく。
【事後学習】社会問題が人々の日常的な実践から出来ていることを考え直す。
15 支配的文化・慣習・制度的知の批判実践としてのエスノメソドロジー
【事前学習】これまでの授業での知見を整理しておく。
【事後学習】普段生きている日常をこの授業で得たものの見方から見直してみる。
その他
教科書 好井裕明 『「あたりまえ」を疑う社会学』 光文社 2006年 第9版
好井裕明 『違和感から始まる社会学』 光文社 2014年 第1版
授業の中や事前学習、事後学習で使用しますので、必ず購入してください。
参考書 串田秀也・好井裕明 『エスノメソドロジーを学ぶ人のために』 世界思想社 2010年 第2版
成績評価の方法及び基準 レポート(90%)、授業参画度(10%)
授業内容の理解度を確認する目的で、課題レポートを3回(各回2000字以上)課します。そのレポートで成績評価をします。
オフィスアワー 毎週火曜日と水曜日の12時15分~12時45分

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