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現代家族論

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科目名 現代家族論
教員名 久保田裕之
単位数    2 学年 2・3 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 社会学科
学期 前期 履修区分 選択
授業概要 キーワードで学ぶ現代家族とその外部(入門編)
授業のねらい・到達目標 現代の家族をめぐる男女関係や親子関係の変化は、私たちにとって最も身近なテーマのひとつでありながら、考えたり議論したりすることが最も難しいテーマでもある。
この授業では、広く「婚活」「ひきこもり」「赤ちゃんポスト」といった現代社会と家族をめぐるキーワードについて学びながら、とりわけ家族研究とは切っても切り離せない「ジェンダー」と「ケア」という二つの観点から、現代の家族をめぐる状況の変化を批判的に検討していく。こうした作業を通じて、現代の家族をめぐる諸問題についての基本的な理解を身につけ、議論の全体像と争点を把握できるようになることを目的とする。
同時にまた、「家族」という論争的な題材を扱うことを通じて、常識を疑う批判的思考や、論証・議論のための論理的思考、具体的なレポート作成技術なども併せて身につけたい。

この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP2及びカリキュラムポリシーCP3に対応しています。
授業の方法 原則として、毎回ひとつのトピックについて、レジュメを配布したうえで講義形式で授業を実施するが、必要に応じてDVD等の映像資料を用いることもある。最終的に、現代の家族にかかわる社会問題・社会現象の中から自分の関心のあるトピックをひとつ選択して論じる期末レポート(A4で2-4頁程度)を執筆する。

本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。
履修条件 特になし。ただし、本講義は同教員が担当する「社会学応用講義Ⅰ(社会史・家族史)」および「家族社会学1・2」の履修条件になっているので注意すること。また、必須ではないが、「ジェンダー論」「家族関係論」「家族福祉論」「社会政策論」「公的扶助論」といった関連授業と併せて受講することが望ましい。
授業計画
1 準備講義(1):社会史と近代家族
【事前学習】シラバスを熟読して、授業計画や成績評価について疑問点や要望があればまとめておく
【事後学習】15回の授業計画について、予習復習のスケジュールを立てておく
2 準備講義(2):ジェンダーと性分業
【事前学習】シラバスを熟読し、教科書に軽く目を通しておくこと
【事後学習】授業レジュメと参考文献をもとに疑問点や批判店を挙げ、次回のコメントで報告すること
3 「就活」と「婚活」:女性のライフコースの変容と家族
【事前学習】教科書の該当箇所(序章)を読んでくること
【事後学習】授業内容に関連する新聞記事を2通以上収集しておくこと
4 「非正規雇用」と「ブラック企業」:職場と家庭の性分業
【事前学習】教科書の該当箇所(西村コラム)を読んでくること
【事後学習】授業内容に関連する新聞記事を2通以上収集しておくこと
5 「育メン」と「ワークライフバランス」:家庭における性役割とその変化
【事前学習】教科書の該当箇所(1章:上野論文)を読んでくること
【事後学習】授業内容に関連する新聞記事を2通以上収集しておくこと
6 「同性婚」と「クイア家族」:社会的承認としての婚姻・家族
【事前学習】教科書の該当箇所(5章:釜野論文)を読んでくること
【事後学習】授業内容に関連する新聞記事を2通以上収集しておくこと
7 「DV」と「虐待」:公領域と私領域における女性への暴力
【事前学習】教科書の該当箇所(春日コラム)を読んでくること
【事後学習】授業内容に関連する新聞記事を2通以上収集しておくこと
8 期末レポート作成に関するワークショップ
【事前学習】期末レポートの草稿を準備し、事前に提出しておくこと
【事後学習】ワークショップの内容を踏まえて、期末レポートを書き直しておくこと
9 「赤ちゃんポスト」と「子ども手当」:子どもは誰のものか
【事前学習】教科書の該当箇所(白岩コラム)を読んでくること
【事後学習】授業内容に関連する新聞記事を2通以上収集しておくこと
10 「シングルマザー」と「父親の権利」:生殖にかかわると義務と権利
【事前学習】教科書の該当箇所(社納コラム)を読んでくること
【事後学習】授業内容に関連する新聞記事を2通以上収集しておくこと
11 「障がい者家族」と「家族の愛情」:愛情あふれる家族からの脱出
【事前学習】教科書の該当箇所(野沢コラム)を読んでくること
【事後学習】授業内容に関連する新聞記事を2通以上収集しておくこと
12 「消えた年金」と「消えた高齢者」:誰が老人を介護するのか
【事前学習】教科書の該当箇所(山田コラム)を読んでくること
【事後学習】授業内容に関連する新聞記事を2通以上収集しておくこと
13 「おひとりさま」と「ひきこもり」:居住と家族をめぐる問題の諸相
【事前学習】教科書の該当箇所(井手コラム)を読んでくること
【事後学習】授業内容に関連する新聞記事を2通以上収集しておくこと
14 「シェアハウス」から考える:親密性と共同生活の切断
【事前学習】教科書の該当箇所(4章:久保田論文コラム)を読んでくること
【事後学習】授業内容に関連する新聞記事を2通以上収集しておくこと
15 まとめ:世代間互酬の再編成に向けて/フィードバック
【事前学習】教科書の該当箇所(3章:牟田論文)を読んでくること
【事後学習】まとめ講義を踏まえて、期末レポートをさらに改訂しておくこと
その他
教科書 牟田和恵編 『家族を超える社会学――新たな生の基盤を求めて』 新曜社 2009年
福祉社会学会 『福祉社会学ハンドブック』 中央法規. 2013年
教科書は授業で毎回用いるわけではないが、遅くとも2回目の授業までには入手し、毎回割り当てられた箇所を読んで予習してくること(該当箇所は事前に指示する)。ネットなどで古本を購入してもかまわないが、その場合は版の新しさに注意すること。
参考書 神原文子・杉井潤子・竹田美知編 『よくわかる現代家族』 ミネルヴァ書房 2009年
落合恵美子 『21世紀家族へ―家族の戦後体制の見かた・超えかた』 有斐閣 2004年 第3版
久保田裕之 『他人と暮らす若者たち』 集英社新書 2009年
戸田山和久 『新版 論文の教室』 NHK出版会 2012年
家族社会学に関心を持った受講生のために3冊を挙げておく。購入しておく必要はないが、期末レポート作成のために役立てて欲しい。また、論文・レポートの書き方についての優れたテキストも挙げておくので、持っていない受講生はこの機会に購入しておくこと。
成績評価の方法及び基準 レポート(85%)、授業参画度(15%)
学期末に提出する期末レポート(85%)、および、毎回のコメントシート(15%)をもとに総合的に評価する。詳細は初回の授業ガイダンスで確認すること。
オフィスアワー 授業期間中の火曜・金曜昼休み
(新)本館4階久保田研究室(407)
hkubota@chs.nihon-u.ac.jp

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