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科目名 | 数学講究2 | ||||
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教員名 | 山浦義彦 | ||||
単位数 | 3 | 学年 | 3 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 数学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 必修 |
授業概要 | Riemann 積分を主として学ぶ. 曲がった境界線で囲まれた図形の面積を知りたいと考えれば, それを面積が計算可能な長方形の集まりで近似してその極限として定義すればよいということは 高校生でも思いつくであろう. この考え方を推し進めたのが Riemann 積分の概念である. 無限個の数を加えるというのは無限級数の考え方である. 無限個の数を加えても全体が有限値に なることもあるし, 無限大になることもある. また近似長方形の選び方によっては極限が 存在しないこともあり得る. これらのことを精密に議論する. |
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授業のねらい・到達目標 | 【授業のねらい】 イプシロン-デルタ論理式を使うことなく, 2変数関数の積分の定義の方法を理解してもらう ことがねらいである. イプシロン-デルタ論理式は厳密ではあるが, 何をどのように議論し, 何が難しいのか, そしてそのためにどういうテクニックでこれを乗り越えているのか, ということが分かりにくい. そこでこのような論理式を回避し, 直観に訴えることで原理を 理解してもらうことをねらいとする. 【到達目標】面積を定義するというのは工作によって面積を測定することとは全く異なる 議論である. 数学における面積の定義の理解を通じて, 抽象的に数学的事象を定義すること の意味とその方法を理解してもらうことを目標とする. この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシー DP1, DP3, DP4, DP6 及びカリキュラムポリシー CP7, CP9 に対応しています。 |
授業の方法 | 少人数のセミナー形式の講義である. 受講学生は, 指定教科書を分担して, 熟読し, 数学的内容を理解した上で, 輪講形式でホワイトボードを使って口頭発表する. その際に, 発表方法や数学的内容の補足についてのアドバイスを細かく行う. 本授業の事前・事後学習は各々2時間の学習を目安とする. |
履修条件 | 数学科の内規によります。 対象者はゼミに所属するものに限ります。 |
授業計画 | |
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1 |
無限級数の収束判定とべき級数 【事前学習】高等学校における無限級数の扱いを復習しておくこと. 【事後学習】無限に加えると有限値に収まる数列と発散する数列があることを理解すること. |
2 |
比較判定法と不等式評価 【事前学習】はさみうち原理を復習しておくこと. 【事後学習】不等式で評価する技術を習得すること. |
3 |
定積分-- Riemann 積分の構築 【事前学習】曲がった曲線で囲まれた図形の面積を求めるためにはどうしたらよいか考えておきなさい. 【事後学習】測量と抽象的な集合の面積を定義することの違いを理解すること. |
4 |
微積分学の基本定理 【事前学習】高等学校で学んだ積分の定義を思い出しておくこと. 【事後学習】微分と積分が逆の操作である, ということの本当の意味を理解すること. |
5 |
広義積分, 無限積分 【事前学習】囲まれていない図形の面積は定義できるだろうか? ということを考えておくこと. 【事後学習】囲まれていない図形の面積はどうして Riemann 積分では求められないかを理解すること. |
6 |
上限, 下限 【事前学習】最大値の考え方を復習しておくこと. 【事後学習】何故上限という考え方が必要なのか, そのストーリーを理解すること. |
7 |
曲線の長さの概念 【事前学習】曲線の長さを測定するのではなく定義するということを理解すること. 【事後学習】積分と異なり, 長さは必ず決まるということを理解すること. |
8 |
線積分と Gauss-Green の公式 【事前学習】微分積分学基本定理を次元の観点から復習しておくこと. 【事後学習】線積分が自然な考え方であり, 微分積分学基本定理の多変数への拡張を理解すること. |
9 |
重積分の構築 【事前学習】1変数 Riemann 積分の定義の方法を復習しておくこと. 【事後学習】Riemann 積分の考え方が次元にかかわらず定式化可能であることを理解すること. |
10 |
累次積分と重積分の関係 【事前学習】重積分と Gauss-Green の公式による計算方法を復習しておくこと. 【事後学習】重積分を1変数定積分に直して計算できるというストーリーを理解すること. |
11 |
ユークリッド空間の集合位相入門 【事前学習】1次元の開区間, 閉区間の考え方を復習しておくこと. 【事後学習】2次元の集合における「開区間, 閉区間」の考え方を一般化して開集合, 閉集合という 考え方が導入されることを理解すること. |
12 |
1変数置換積分法の原理 【事前学習】高校で学んだ置換積分法の計算を復習しておくこと. 【事後学習】原理は合成関数微分法であることを理解すること. |
13 |
重積分の変数変換 【事前学習】置換積分法における「重み」がなぜ生じたか思い出しておくこと. 【事後学習】多変数関数の重積分では「重み」が Jabobian になる理由を理解すること. |
14 |
常微分方程式論 1 --- 変数分離型, 一階定数係数線形常微分方程式の解法 【事前学習】微積分学基本定理を復習しておくこと. 【事後学習】微分方程式が simple form への帰着であることを理解すること. |
15 |
常微分方程式論 2 --- 二階定数係数線形常微分方程式の解法, ロンスキアン 【事前学習】一階微分方程式の解法を復習しておくこと. 【事後学習】特殊解と一般解を理解すること. |
その他 | |
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教科書 | 山浦義彦 『ゼミテキスト「微分積分学」』 簡易製本 2019年 第1版 この自作テキストは, 数学講究1ですでに購入していただいたものです. 新たに購入するテキストはありません. |
参考書 | 杉浦光夫 『解析入門 (基礎数学)』 東京大学出版会 1979年 第2版 参考書も「数学講究1」で指定した書籍ですので, 新たに購入する書籍はありません. |
成績評価の方法及び基準 | 授業参画度(100%) 口頭発表における数学の理解度, および, 発表技術に対して 多くのアドバイスを与えます. それによる自己修正の努力を 授業参画度として成績評価します. |
オフィスアワー | 金曜日4限,山浦研究室 |