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微分積分学2(含演習)

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科目名 微分積分学2(含演習)
教員名 山浦義彦
単位数    3 学年    1 開講区分 文理学部
科目群 数学科
学期 後期 履修区分 必修
授業概要 当科目の前期科目である「微分積分学1」でも数列の極限, 関数の極限, 関数の連続性は
取り扱った. それは数学的な定義に基づく議論ではなくあくまで直観に頼った
「限りなく近づく」というある種の文学的表現を基礎としていた. そのため, 極限に
関する様々な性質は証明すべき定理ではなく, 当たり前として受け入れるべき「特徴づけ」
という位置づけに甘んじていた. 高等学校で受験問題を解くためにはこのような極限の
理解で全く問題はなかった. しかしながら, これから4年間にわたり専門数学を理解していく
上ではこのレベルの理解では到底進んだ内容を理解することはできない.
そこで, イプシロン-デルタ論理式による極限の定義を出発点とするのが本講義の内容である.
これは一切直観を交えることなく定量的に定義される厳密な数学的定義であるため,
これまでは当たり前であると考えられた様々な現象が, 証明すべき定理になる. たとえば,
極限がただ一つである, という事実は高等学校では教科書にすら登場しない. しかし,
これさえも, イプシロン-デルタ論理式を出発点とすれば決して自明な性質ではなくなる.
また, 高等学校ではほとんど扱われることのない振動する数列に対してもそこから収束する
部分列を見つけ出すという Bolzano-Weierstrass の定理 (コンパクト性定理)を学ぶ.
関数の連続性の理解と相まって, 以上の道具を使うことにより, 高等学校の教科書には
1行で証明なしで認めるべき事実として紹介されている「連続関数の最大値原理」を
厳密に証明することができる.
授業のねらい・到達目標 【授業のねらい】
イプシロン-デルタ論理式によって定義され, 構築される数学を理解してみる.
そのためには, 命題の真偽の証明と否定命題の作成が不可欠である.
このことを通じて, 微分積分学に限ることなく, 一般に数学において最も大切な
「論理性」を身に着けてもらうことが最大のねらいとする.

【到達目標】
具体的に与えられた数列に対してその収束性を証明できるようにする.
また, 具体的に与えられた関数の連続性, 不連続性を証明できるようにする.
さらに, 高等学校では一切登場しなかった抽象定理の理解とその証明の理解を目標とする.

この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシー DP3, DP6 及びカリキュラムポリシー CP1, CP9 に対応しています。
授業の方法 90分程度, 講義形式で黒板を使って講義内容の解説を行う. その後, 講義内容に関連する
演習問題を提示し, まずは各自取り組んでもらう. そして一定時間ののちに問題解説を行う.
この時点で理解できた学生は他の問題に取り組んでもらい, 理解できなかった学生には個別
に質問に応じる時間を設ける. 授業の最後に, 練習問題を解いた授業内レポートを提出して
もらう. そこには, 解いていて感じた数学的な疑問などを書いてもらい, 次の回の講義で
それに対するフィードバックをする.
本授業の事前・事後学習は各々2時間の学習を目安とする.
履修条件 特になし
授業計画
1 数の集合の最大値の概念の理解
【事前学習】高等学校では集合の表記法はどのようなものを学んだか復習しておくこと
【事後学習】高等学校での集合の取り扱いとの相違点をまとめておくこと.
2 数の集合の有界性と上限値の導入
【事前学習】第1回講義の最大値についてよく復習をしておくこと
【事後学習】最大値と上限値の相違点をしっかりと理解すること.
3 上限の同値条件
【事前学習】上限の定義をよく復習しておくこと
【事後学習】同値条件の内容をよく理解し, 定義と同値であることの証明も理解すること.
4 第1回授業内試験実施 第1回から第3回までの講義内容を試験範囲とする.
【事前学習】第1回から第3回までの講義内容についてよく復習すること.
【事後学習】試験後に詳細解答を配布するので熟読してよく理解すること.
5 数列の収束性のイプシロン-エヌ論理式による定義
【事前学習】前期に学んだ数列の漸近挙動について復習しておくこと.
【事後学習】限りなく近づくという言葉を用いない論理式の定義が, 直観的に「限りなく近づく」ことに繋がっていることをよく理解しておくこと.
6 数列のコーシー列の概念の導入
【事前学習】収束性の論理式による定義をよく理解しておくこと.
【事後学習】収束することとコーシー列であることの相違点をよく理解すること.
7 コンパクト性定理(ボルツァーノワイエルシュトラスの定理)の紹介と証明
【事前学習】数列の漸近挙動を再度復習しておくこと.
【事後学習】振動する数列からどうして収束する部分列を選べるのかを理解すること.
8 第2回授業内試験実施 第5回から第7回までの講義内容を試験範囲とする.
【事前学習】第5回から第7回までの講義内容をしっかりと理解すること.
【事後学習】試験後に詳細の解答を配布するので, 熟読すること.
9 関数の極限のイプシロン-デルタ論理式による定義
【事前学習】微分積分学1 で学んだ関数の極限について復習しておくこと
【事後学習】何故イプシロン-デルタ論理式が「限りなく近づくこと」になるのかを
理解すること.
10 関数の連続性
【事前学習】関数の極限の論理式による定義を復習しておくこと.
【事後学習】関数の極限と関数の連続性の違いを理解すること
11 上限下限の復習
【事前学習】上限の概念を復習しておくこと
【事後学習】上限に収束する数列が存在することを理解する.
12 中間値定理の証明
【事前学習】中間値定理を利用した受験問題を解いておくこと.
【事後学習】上限の考え方を使った中間値定理の証明を理解すること.
13 連続関数の最大値原理の主張と証明
【事前学習】高等学校の教科書ではこの定理はどのように扱われていたか読んでおくこと
【事後学習】これまで学んだすべての概念や定理を駆使してこの定理が証明できることを理解すること.
14 講義内容の復習
【事前学習】第1回, 第2回授業内試験で正答できなかった問題をもう一度解き直しておくこと.
【事後学習】過去に正答できなかった問題を解けるように理解すること.
15 第3回授業内試験実施 本講義全範囲を試験範囲とする.
【事前学習】関数の極限を中心に試験勉強をすること.
【事後学習】試験後に詳細解答を配布するので, 熟読して理解を深めること.
その他
教科書 教科書はすべて「微分積分学1 (山浦)」で使っていた冊子(3冊)の後半部分を使うので,
新たに購入する教科書はありません. 講義での使用方法は前期「微分積分学1」と同じです.
参考書 「微分積分学1」を受講した学生は新たに購入すべき参考書はありません. 講義での使用方法は前期「微分積分学1」と同じです.
成績評価の方法及び基準 レポート(10%)、授業内テスト(80%)、授業参画度(10%)
授業参画度(授業内レポート), 事後復習成果レポート, 試験の合計点で成績評価を付けます.

(1) 試験は三回の授業内試験の得点を合計します.
  試験の満点は毎回異なりますが一回につき,
おおよそ250点から300点程度です.

(2) 授業内レポートは一回につき10点です (12回)
  講義内の演習問題を解いたり, 理解できなかったことや
  質問を書いて提出してもらいます. 次回内容を把握して
  適宜対応し, フィードバックをします.

(3) 事後復習成果レポート一回提出で10点です (10回程度)
  このレポートでも, 何をどのように復習し, 理解できなかった
  ことはなかったか, などを丁寧に書いて提出してもらいます.
  次回講義に返却し, 内容に応じて適宜フィードバックします.
オフィスアワー 金曜日午後 山浦研究室

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