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微分積分学1(含演習)

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科目名 微分積分学1(含演習)
教員名 山浦義彦
単位数    3 学年    1 開講区分 文理学部
科目群 数学科
学期 前期 履修区分 必修
授業概要 高等学校の主に「数学III」で学んできた微分積分学の内容を, これから4年間を
通じて学ぶ専門数学を理解するために必要な形で導入し, より深い理解を目指す.
高等学校の授業のように具体的な計算問題も取り入れるが, 最終的に目指したい
抽象的な概念の導入に重点を置いて説明する. 具体的には, 数列の極限, 関数の
極限を出発点とする. 高等学校では厄介者扱いされていた「振動」という現象に
ついても深く考察する. 次に, 関数の連続性, 微分可能性について抽象的に与え
られた関数についての定義の説明を行う. 連続とは単に「グラフがつながっている」
という直観だけでは足りない. また微分可能性も単に「グラフが滑らかな曲線である」
という直観だけでは不十分である. 様々な, ある意味で病的な例を学ぶことにより
その概念の適用範囲の広さを知ることが深い理解につながる. さらに, 微分可能性
に関連する, 接線の考え方や平均値定理, 合成関数微分法, 逆関数微分法などの
重要な考え方についても深く考察し理解を目指す.
授業のねらい・到達目標 【授業のねらい】
高等学校の数IIIの微分積分の大きな目標は, 練習問題を解くことである.
一方, 本講義では練習問題を解くだけでなく, 数学の基本原理の理解に焦点を
当てて解説を行う. 特に, 極限の扱いについて新しい観点を導入する.
それらを理解することにより, 極限の原理を数IIIより深く理解することをねらいとする.
【到達目標】
極限が存在するとはどういう現象か, しないとはどういうことなのかを正しく
身に着けることを目標とする. 極限の考え方は解析学を学ぶ上での「言葉」と言える基本的な
項目であるため, この到達目標は今後数学を学ぶ上での重要な基礎になる.

この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシー DP3, DP6 及びカリキュラムポリシー CP1, CP9 に対応しています。
授業の方法 90分程度, 講義形式で黒板を使って講義内容の解説を行う. その後, 講義内容に
関連する演習問題を提示し, まずは各自取り組んでもらう. そして一定時間ののちに
問題解説を行う. この時点で理解できた学生は他の問題に取り組んでもらい,
理解できなかった学生には個別に質問に応じる時間を設ける. 授業の最後に,
練習問題を解いた授業内レポートを提出してもらう. そこには, 解いていて感じた
数学的な疑問などを書いてもらい, 次の回の講義でそれに対するフィードバックを行う.
本授業の事前・事後学習は各々2時間の学習を目安とする.
履修条件 特になし.
授業計画
1 第1回 関数列とその収束性 --- 各点収束と一様収束
【事前学習】高等学校で学んだ数列の極限の復習をしておくこと.
【事後学習】関数列に対しては2種類の収束性を定義できることを理解すること.
2 第2回 極限関数の理解 --- 対応と関数
【事前学習】関数列の収束性の定義を復習しておくこと.
【事後学習】対応と関数の対応規則を理解すること.
3 第3回 3角級数
【事前学習】高等学校で学んだ無限級数について復習しておくこと.
【事後学習】3角級数とは何か, を理解すること.
4 第4回 第1回授業内試験とその解説
【事前学習】1回から3回までの講義内容をよく復習すること.
【事後学習】詳細解答解説を配布するので確認をしておくこと.
5 第5回 微分可能性と連続性
【事前学習】高等学校の教科書で微分可能性と連続性の定義を確認しておくこと.
【事後学習】抽象的に与えられた関数について微分可能性と連続性の定義を正しく理解すること.
6 第6回 テイラー展開とオイラーの公式
【事前学習】高等学校で学んだ接線の方程式を復習しておくこと.
【事後学習】テイラー展開と複素指数関数を復習すること.
7 第7回 連続微分可能性
【事前学習】連続性と微分可能の定義を復習しておくこと.
【事後学習】連続微分可能性の定義を理解すること.
8 第8回 連続微分可能拡張
【事前学習】連続微分可能性を復習しておくこと.
【事後学習】関数の定義域拡張についてりかいすること.
9 第9回 第2回授業内試験とその解説
【事前学習】5回から8回までの講義内容をよく復習すること.
【事後学習】詳細解答解説を配布するので確認をしておくこと.
10 第10回 平均値定理
【事前学習】高等学校で学んだ平均値定理を復習しておくこと.
【事後学習】平均値定理の証明を理解すること.
11 第11回 常微分方程式入門
【事前学習】高等学校までで学んだ「方程式」とは何だったか復習しておくこと.
【事後学習】微分方程式とはなにか理解すること.
12 第12回 偏微分
【事前学習】高等学校で定数つきの関数の微分をどのように計算していたか復習しておくこと.
【事後学習】偏微分の概念を理解すること.
13 第13回 微分と積分
【事前学習】高等学校で学んだ平均値定理を使った練習問題(指定する)を解いておくこと.
【事後学習】原始関数は定数を除くとただ一つであることを理解すること.
14 第14回 関数の増減
【事前学習】高等学校で学んだ関数のグラフ(指定する)を描く練習をしておくこと.
【事後学習】関数の増減が導関数の符号によって決まることを理解すること.
15 第15回 第3回授業内試験とその解説
【事前学習】本講義内容全体を復習しておくこと.
【事後学習】詳細解答解説を配布するので確認をしておくこと.
その他
教科書 山浦義彦 『微分積分学講義ノート 』 簡易製本 2019年 第1版
山浦義彦 『微分積分学演習書』 簡易製本 2019年 第1版
山浦義彦 『微分積分学 過去三年間授業内試験問題集』 簡易製本 2019年 第1版
山浦義彦 『微分積分学 計算演習解説書』 簡易製本 2019年 第1版
以上の教科書はすべて簡易製本による冊子です. 学内書店にて実費販売します.
後期科目である「微分積分学2」の内容も収録されており, 年度を通じて
すべて講義で使いますので必ずご購入ください.
なお, 厚くなりすぎることを避けるため, 演習書は適宜分冊にする可能性があります.
書店での指示に従い, セットですべてを購入してください.
参考書 水本久夫 『微分積分学の基礎 (培風館)』 培風館 第1版
試験問題は講義の内容から6割程度, そして残りを指定問題集から出題します.
成績評価の方法及び基準 レポート(10%)、授業内テスト(80%)、授業参画度(10%)
授業参画度(授業内レポート), 事後復習成果レポート, 試験の合計点で成績評価を付けます.

(1) 試験は三回の授業内試験の得点を合計します.
  試験の満点は毎回異なりますが一回につき,
おおよそ250点から300点程度です.

(2) 授業内レポートは一回につき10点です (12回)
  講義内の演習問題を解いたり, 理解できなかったことや
  質問を書いて提出してもらいます. 次回内容を把握して
  適宜対応し, フィードバックをします.

(3) 事後復習成果レポート一回提出で10点です (10回程度)
  このレポートでも, 何をどのように復習し, 理解できなかった
  ことはなかったか, などを丁寧に書いて提出してもらいます.
  次回講義に返却し, 内容に応じて適宜フィードバックします.
オフィスアワー 金曜日午後 山浦研究室

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