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日本語学特殊講義2

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科目名 日本語学特殊講義2
教員名 田中ゆかり
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
学期 前期 履修区分 選択必修
授業概要 「方言」からみた日本語社会
本科目の一部では日本の言語政策を扱う。文部科学大臣及び文化庁長官諮問機関・文化審議会臨時委員(国語分科会)の実務経験から日本国における言語政策策定の背景などについて具体的に教授する。
授業のねらい・到達目標 「方言」という視点から近代以降の日本語社会をとらえる方法の獲得を目指す。「方言」という視点から日本語社会の変遷をたどり、文化やメディアとのかかわりについて考察していく。同時に、日本語社会における「方言」と「共通語」についての意識調査に基づく方言ステレオタイプの抽出や、地域や話者のタイプ分類などの試みなども話題として取り上げる予定。これらを通じ、日本語の多様性を知り、言語変種が時代と社会を映す鏡であることを知ることを到達目標とする。
授業の方法 トピックに従い講義を行う。受講者にはトピックごとに小課題を課す。小課題を通して理解を深める。講義で扱ったトピックのうち、受講者自身がもっとも関心をもったものを、最終課題としてのレポート課題とする。最終課題の詳細については、第13回の講義内で詳述する。
本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。
授業計画
1 ガイダンス(本講義の目的・概要・構成)
[事前学習]「方言」についてのイメージや「方言」コンテンツなどについて考えておく
[事後学習]自分の生育地とことばについて考える
2 標準語・共通語・方言
[事前学習]自分の生育地とことばについて考える
[事後学習]標準語・共通語・方言の定義について考えを整理する
3 日本語社会における方言の位置づけの変遷1 「方言」がスティグマの時代
[事前学習]「方言」を取り上げた記事・文献などの探索
[事後学習]「方言スティグマ体験」についての記事・文献等の探索
4 日本語社会における方言の位置づけの変遷2 「方言」がカワイイに至るまでの時代へ
[事前学習]「方言」を取り上げた記事・文献などの探索
[事後学習]「方言」を取り上げた記事・文献等の探索
5 日本語社会における方言の位置づけの変遷3 「方言」に価値を見出す時代
[事前学習]「方言」を取り上げた記事・文献などの探索
[事後学習]「方言」に価値に見出す記事・文献等の探索
6 「方言」と「打ちことば」は相性がいい!
[事前学習]インターネット前後の媒体・手段の変遷についての記事・文献探索
[事後学習]自分の「打ちことば」生活を振り返る
7 ヴァーチャル方言と方言ステレオタイプ
[事前学習]「方言コンテンツ」「方言キャラ」の探索
[事後学習]「方言コンテンツ」「方言キャラ」の探索と分析
8 「方言」と「共通語」からみた地域類型
[事前学習]自分の「方言」と「共通語」の使い分けを感覚の有無などを意識する
[事後学習]異なる世代・地域の人の「方言」と「共通語」の使い分け意識についてインタビューする
9 「方言コスプレ」とは何か
[事前学習]「ニセ方言」を使うとはどういうことか考える
[事後学習]「方言コスプレ」事例やそれにに対する世間の意識についての記事類の探索
10 テレビドラマとヴァーチャル方言
[事前学習]放送中のNHK朝ドラ・大河ドラマを視聴する
[事後学習]改めて放送中のNHKの朝ドラ・大河ドラマを視聴する
11 「方言ドラマ」からみた日本語社会
[事前学習]過去に放送されたNHKの朝ドラ・大河ドラマについての記事・文献を探索する
[事後学習]過去に放送されたNHKの朝ドラ・大河ドラマについての記事・文献を探索する
12 リアルとヴァーチャルの往還
[事前学習]方言コンテンツ・方言キャラを探索する
[事後学習]リアルとヴァーチャルり往還例を探索する
13 最終課題についての解説
[事前学習]最終課題テーマ候補を検討する
[事後学習]最終課題作成のためのデータ・文献等の収集をする
14 方言ドラマ視聴
[事前学習]最終課題作成のためのデータ・文献等の収集をする
[事後学習]最終課題作成のためのデータ・文献の収集をする
15 最終課題提出、最終課題に対するフィードバック、授業全体に対するふりかえり
[事前学習]最終課題提出の準備
[事後学習]授業全体を通してのふりかえり
その他
教科書 教科書は指定しない。適宜印刷教材を配布する。
参考書 田中ゆかり 『方言萌え!? ヴァーチャル方言を読み解く』 岩波誌ジュニア新書 2016年
田中ゆかり 『「方言コスプレ」の時代 ニセ関西弁から龍馬語まで』 岩波書店 2011年
田中ゆかり・金水敏・児玉竜一 『時代劇・歴史ドラマは台詞で決まる!』 笠間書院 2019年
木部暢子他 『方言学入門』 三省堂 2013年
主要な参考図書は初回ガイダンス時に、各回に関連したものについてはその回で紹介します。
成績評価の方法及び基準 レポート(50%)、授業参画度(50%)
授業参画度には討議等への参加状況、小課題への取り組みやその内容を含む。
オフィスアワー 授業中に知らせる。
備考 授業トピックに基づく毎回の小課題を自分の問題として考えるようにしていると、最終課題の作成にスムースに移行するでしょう。

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