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産業・労働分野に関する理論と支援の展開

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平成30年度以降入学者 産業・労働分野に関する理論と支援の展開
平成29年度以前入学者 組織心理学特論
教員名 松浦隆信
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
学期 前期 履修区分 選択必修
授業概要 【公認心理師必修科目】
産業・労働分野の臨床実践を行う上で求められる基礎知識と実践力を身に付ける。その際、臨床心理士および公認心理師としての実務経験を活かし、産業・労働分野で実際に起こりうる場面設定による演習や実習を多く取り入れて授業を展開する。
授業のねらい・到達目標 産業・労働分野で公認心理師として臨床実践を行う際に直面するメンタルヘルスの諸問題を理解し、対応の方向性を見出すことができる。職場組織特有の問題(人間関係、人事評価、ワーク・モチベーションなど)とストレスとの関連を理解できる。ストレスチェックの概要と実施方法、実施上の留意点を理解できる。
授業の方法 教科書、参考資料を用いた講義を踏まえ、特に第8回目以降はグループディスカッションやロールプレイなどの演習を多めに取り入れ体験的に学習を進めていく。
本授業の事前・事後学習は、各2時間の学習を目安とします。
授業計画
1 授業の進め方に関するオリエンテーションを行う。また、産業・労働分野の実践の全体像について講義を行う。
[事前学習]いずれかの参考書を一読してくる。
[事後学習]配布したレジュメと講義内容を復習する。
2 労働関連法規を読み、これらの法規が労働者の働き方や職場組織の形成に与える影響を理解する。
[事前学習]第1回目に配布予定の労働関連法規に関する参考資料を一読してくる。
[事後学習]講義内容を踏まえて労働関連法規の概要を覚える。
3 産業・組織心理学の理論を概観し、組織が個人に与える影響を理解する。
[事前学習]参考書の組織心理学について記載された章を一読してくる。
[事後学習]組織が個人に与える影響について実例に即して考える。
4 職業性ストレスに関する理論および個人内要因に関するものについて学ぶ。
[事前学習]参考書の職業性ストレスに関して記載された章を一読してくる。
[事後学習]個人内要因を背景とする職業性ストレスの具体例を各自考える。
5 職業性ストレスのうち、組織的要因が起因するものについて学ぶ。
[事前学習]組織的要因と考えられるストレス要因を各自考えてくる。
[事後学習]個人内要因と組織的要因の相互作用によって生じるストレスを実例に即して考えてみる。
6 産業精神保健活動の概要を学ぶ。
[事前学習]産業精神保健活動について記載された参考書の該当章を一読する。
[事後学習]講義内容を復習する。
7 産業精神保健活動の具体的内容を学ぶ。
[事前学習]事前に配布する産業精神保健活動の具体例に関する資料を一読する。
[事後学習]望ましい産業精神保健活動のあり方について各自で意見をまとめる。
8 ストレスチェック1:実施概要をインターネット教材を用いながら学ぶ。
[事前学習]事前に配布する厚生労働省作成の資料を一読する。
[事後学習]授業内で取り上げきれなかった厚生労働省HPの残り部分を閲覧する。
9 ストレスチェック2:ストレスチェックで用いる質問紙の集計方法を学ぶ。
[事前学習]事前に指定する質問紙を回答してくる。
[事後学習]集計方法を復習する。
10 ストレスチェック3:高ストレス者への面談ロールプレイを実施し、産業・労働分野で業務を行うカウンセラーに求められる姿勢や配慮について体験的に学ぶ。
[事前学習]ロールプレイで演じる役割を事前に検討してくる。
[事後学習]ロールプレイで得た感想や指摘された事項を文章にまとめる。
11 ディスカッション1:パワーハラスメント問題への対応策についてディスカッションを行う。
[事前学習]事前に指定する参考HPを一読してくる。
[事後学習]授業内容を踏まえたパワーハラスメント防止案を各自考える。
12 ディスカッション2:障害者雇用のあり方について受講者間でディスカッションを行う。
[事前学習]厚生労働省の障害者雇用対策HP内の資料を一読してくる
[事後学習]障害者雇用を促進する施策について各自か考える。
13 ロールプレイ1:産業・労働分野の臨床実践において実際に対応する可能性が高い状況を設定し、カウンセラーとしての対応のあり方を体験的に学ぶ。
[事前学習]事前に面談の状況を指定するので、クライエント役は相談内容を考えてくる。
[事後学習]クライエント役として得た感想を文章にまとめる。カウンセラー役については次回への改善事項を検討しておく。
14 ロールプレイ2:ロールプレイ1後の継続面接を想定した面接を引き続き実施する。
[事前学習]クライエント役は相談内容を考えてくる。カウンセラー役は面接の進め方を検討しておく。
[事後学習]2回のロールプレイ経験を経た上で得た、産業場面におけるカウンセリングで重要な点を文章にまとめる。
15 授業内試験とその解説を行う。
[事前学習]すべての授業回の内容(特に配布資料の内容)を復習する。
[事後学習]自分がカウンセラーとして現場に携わると仮定した場合に必要な態度を考えて文章にまとめる。
その他
教科書 使用しない
参考書 池田浩(編) 『産業と組織の心理学 (ライブラリ心理学を学ぶ9)』 サイエンス社 2017年 第1版
金井篤子(編) 『産業心理臨床実践-個(人)と職場・組織を支援する (心の専門家養成講座⑧)』 ナカニシヤ出版 2016年 第1版
その他、厚生労働省が作成・配布しているメンタルヘルス関連資料を適宜用いる。
成績評価の方法及び基準 レポート(30%)、授業内テスト(50%)、授業参画度(20%)
授業内テストの得点を基本として、授業の終盤で回収するレポートの内容、各回授業での積極的な発言や参加態度とを総合して評価する。
オフィスアワー 授業終了時
備考 事前学修では、各回の授業で取り上げる内容について教科書や参考資料を一読してくる。事後学修では、学んだ内容を一通り復習し、産業・労働分野における臨床実践のあり方について自分なりの見解を述べられるように考えを深める。事前・事後学修を前提とした授業を展開するため、確実に実施してくること。なお、本授業は取り上げる内容が広範にわたるだけでなく、仕事にまつわる様々なテーマが取り上げられる。そのため、理解が難しい点は書籍を読むだけでなく、職場組織等について家族や知人を通じた耳学問、あるいは自らのアルバイト経験などから職場のイメージを膨らませた上で臨むことを推奨する。

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