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凝縮系物理学特論

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科目名 凝縮系物理学特論
教員名 里子允敏
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
学期 前期 履修区分 選択必修
授業概要 物質の対称性(並進・回転・反転)を扱うための数学的な手法と物質の基礎的な電子状態計算手法を学び、それに基づき物質の種々の性質について講義する。
授業のねらい・到達目標 物質の対称性と電子状態の基本的な考え方を学び、物質の種々の光学的、電気的、磁気的な性質が「いかなる理由により現れるか」を理解できるようになることを目標とする。
授業の方法 100種類程の元素(原子)が種々の結合・集合をして、種々の構造・性質を持った物質により、こ の世界は構成されている。これらの物質は種々の性質を持つが、これらの性質を見通しよく理解する方法の一つに物質の対称性の考え方があるが、これを基礎として物質の電子状態と物性について紹介する。プレゼンは板書とパワーポイントにより、講義形式で実施する。
履修条件 なし
授業計画
1 ガイダンス (授業のテーマ、到達目標および授業の方法について説明する)
「事前学習」シラバスを事前に確認すること
「事後学習」第2回以降の授業に備え、初等力学について復習すること
2 古典力学、量子力学の復習(基礎、原子)
「事前学習」力学について復習しておくこと
「事後学習」原子の量子力学について理解をすること
3 量子力学の復習(分子、摂動計算)
「事前学習」分子の結合について復習しておくこと
「事後学習」 化学結合の量子化学的な考え方を理解をすること
4 対称操作と群(分子、固体、、回転操作、並進操作)
「事前学習」分子や固体の構造について復習しておくこと
「事後学習」構造の対称操作について慣れておくこと
5 対称操作と群(並進群、回転群、点群の表現)
「事前学習」対称操作に慣れておくこと
「事後学習」対称操作の集まりの数学的手法を理解すること
6 対称操作と群(規約表現と量子数)
「事前学習」群論の数学的手法に慣れておくこと
「事後学習」群論と既約表現の意味を理解すること
7 摂動と準位の結晶場分裂
「事前学習」群論と既約表現の意味を理解しておくこと
「事後学習」既約表現と電子状態との関係について理解すること
8 固体のバンド構造
「事前学習」固体の構造について復習しておくこと
「事後学習」固体の並進群とバンド構造の考え方について理解すること
9 電子スピンと電子間相互作用(2電子問題の定式化と対称性)
「事前学習」電子間クーロン相互作用と静電エネルギーについて理解しておくこと
「事後学習」2電子波動関数、電子スピンと反対称性について理解すること
10 電子間相互作用(クーロン相互作用の行列要素)
「事前学習」2電子波動関数について慣れておくこと
「事後学習」2電子のクーロン相互作用エネルギーについて理解すること
11 原子や分子の多重項エネルギー
「事前学習」2電子間のクーロン相互作用エネルギーについて復習しておくこと
「事後学習」多電子間のクーロン相互作用エネルギーについて理解すること
12 錯体の多重項分裂(低い対称性の配位子場)
「事前学習」原子の多重項エネルギーと対称性について復習しておくこと
「事後学習」 錯体の多重項状態について理解すること
13 電子スピンとスピン軌道相互作用、ゼーマン効果
「事前学習」電流と磁場について復習しておくこと
「事後学習」磁場中の多重項状態について理解すること
14 光スペクトルと選択律(吸収、スピン軌道相互作用)
「事前学習」多重項状態と対称性について復習しておくこと
「事後学習」錯体の光学的性質、磁気的性質がどのように決まるかを理解すること
15 電子と核振動の相互作用
「事前学習」光スペクトルについて復習しておくこと
「事後学習」原子が振動することにより、スペクトルがどのように変化するかを理解すること
その他
教科書 使用しない
参考書 小野嘉之 『物理で群とはこんなもの』 共立出版
犬井・田辺・小野寺共著 『応用群論 -群表現と物理学-』 裳華房
上村・菅野・田辺共著 『配位子場理論入門とその応用』 裳華房
成績評価の方法及び基準 レポート(60%)、授業参画度(40%)
オフィスアワー 第一回授業時に指示する。

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