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美学

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令和2年度入学者 美学
令和元年度以前入学者 美学1
教員名 一色裕
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 前期 履修区分 選択
授業の形態 オンデマンド型の遠隔授業に必要に応じて課題研究を組み合わせる。
Blackboard Collaborata Ultraを使用。
授業概要 実用芸術の美学
美学がながく論じてきた「芸術」の考え方が、現代になっておおきく変わったので、制作全般にかかわるトピックを論じながら、「(工業)製品」の哲学につながる問題群を説明してゆきます。実用品のうち、とくに家具に焦点が当たるように論ずる予定です。芸術を神秘化せず、当事者意識を持って芸術と付き合うことが現代的課題であり、そのための格好のジャンルが家具であることを明らかにします。従来の美学より、倫理学に接近したスタイルをもっています。
授業のねらい・到達目標 日用品の形態と意味を美学的に論ずるために必要な論点がなにかを理解すること、そのうえで、日常生活で活きている「もの」について可能な、美的考察のスタイルと内容を理解すること、を目標にします。あわせて、鑑賞するための純粋芸術ではなく、使用するための応用芸術を論ずるに必要な、当事者意識を持つことの重要性を強調します。

この科目は文理学部のDP及びCPの1,3,8に対応しています。
・経験や学修から得られた豊かな知識と教養に基づいて,倫理的な課題を理解し説明することができる。(A-1-1)
・仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる。(A-3-1)
・自己の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる。(A-8-1)
授業の方法 講義。前回説明した内容を前提して話を進めますので、注意して下さい。
指定した参考書について、指示した部分をきちんと読むこと。
毎回の講義のあとノートをよく整理し、疑問の点をあきらかにすること。
授業中のクイズと授業後のレポートを課し、質問に答えながら、それまでの講義の内容をべつの仕方で要約します。学生の反応によって、講義内容の配置の仕方その他を積極的に変え、主体的に授業に参加している感覚をもってもらうことを大事にします。
予定では、最低1回の課題研究の提出を求め、チェックののち全体的講評を述べます。
履修条件 とくにありません。
授業計画
1 講義のプラン
【事前学習】シラバスをよく読み、美学のイメージを自分で養う。 (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) (2時間)
2 芸術「作品」と工業「製品」
【事前学習】『講座美学』第2巻140-147頁を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) (2時間)
3 デザイン概念の過去と現在
【事前学習】『デザインのオントロギー』169-196頁を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) (2時間)
4 自律的創作と他律的制作
【事前学習】『デザインのオントロギー』169-196頁を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) (2時間)
5 高級と通俗
【事前学習】シュスターマン『ポピュラー芸術の美学』第3章を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) 授業で紹介されたリアクションペーパーの内容を整理する。(A-3-1) (2時間)
6 五感の問題: 高級感覚と低級感覚
【事前学習】コースマイヤー『美学』148-153頁を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) (2時間)
7 家具を論ずる意味について
【事前学習】多木浩二『「もの」の詩学』第1章を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) (2時間)
8 身体的快と家具のデザイン(1)椅子
【事前学習】多木浩二『「もの」の詩学』第1章を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) 授業で紹介されたリアクションペーパーの内容を整理する。(A-3-1) (2時間)
9 身体的快と家具のデザイン(2)ベッド
【事前学習】多木浩二『視線とテクスト』151-177頁を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) (2時間)
10 身体的快と家具のデザイン(3)テーブル
【事前学習】多木浩二『視線とテクスト』127-150頁を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) (2時間)
11 日本の家具文化(1)住宅
【事前学習】『生活文化史』119-139頁を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) (2時間)
12 日本の家具文化(2)家具と道具
【事前学習】『生活文化史』158-180頁を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) 授業で紹介されたリアクションペーパーの内容を整理する。(A-3-1) (2時間)
13 実用性と美(1) 機能と形態
【事前学習】柳宗悦『工芸文化』を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) (2時間)
14 実用性と美(2) 使用と形態
【事前学習】柳宗悦『工芸文化』を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) (2時間)
15 総括と今後の展望。
【事前学習】矢田部英正『坐の文明論』を読む。(A-1-1) (2時間)
【事後学習】ノートを整理する。(A-8-1) 授業で紹介されたリアクションペーパーの内容を整理する。(A-3-1) (2時間)
その他
教科書 使用しない
参考書 佐々木健一 『作品の哲学』 東京大学出版会 1985年
キャロリン・コースマイヤー 『美学 ジェンダーの観点から』 三元社 2009年
柳宗悦 『工芸文化 (岩波文庫)』 岩波書店 1985年
多木浩二 『「もの」の詩学 (岩波現代文庫)』 岩波書店 2006年
多木浩二 『視線とテクスト』 青土社 2013年
小泉和子 『家具と室内意匠の文化史』 法政大学出版局 1979年
小泉和子 (編) 『生活文化史 (新 体系日本史 14)』 山川出版社 2014年
矢田部英正 『坐の文明論』 晶文社 2018年
矢田部英正 『たたずまいの美学: 日本人の身体技法』 中公文庫 2011年
小田部胤久 『デザインのオントロギー』 ナカニシヤ出版 2007年
小泉和子 『日本インテリアの歴史 (ふくろうの本)』 河出書房新社 2015年
佐々木健一 『美学への招待(増補版) (中公新書)』 中央公論新社 2019年
なぜ実用芸術が大事かを考える手がかりは『美学への招待』が参考になり、日本人の伝統的な家具との付き合い方を知る手がかりを『日本インテリアの歴史』が与えてくれます。この2冊は準教科書にあたります。
成績評価の方法及び基準 レポート:毎回の課題の提出状況とその成績を評価する(60%)、授業参画度:オンデマンド教材の視聴状況とクイズの回答状況を評価する。(40%)
毎回の授業に積極的に参加しなければ、単位の取得はおぼつかないことを理解して下さい。クイズでは「批判力(A-3-1)」があるか否かを評価します。レポートは発見と構成力を重視して評価します。
オフィスアワー Blackboardを通しての質問は、直接回答するか、授業の内容あるいは資料に反映させる。

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