映像文化論

令和２年度入学者	映像文化論
令和元年度以前入学者	映像文化論
教員名	永田大輔
単位数	2	学年	1～4	開講区分	文理学部
科目群	総合教育科目
学期	前期	履修区分	選択

授業の形態	オンデマンド型授業とオンライン授業の併用（12回・Black Boardを主に使用）と課題研究（3回）の併用
授業概要	本講義ではアニメーションを主要な対象にします。それによって普段の視聴の仕方が変わるのは一つ重要な達成です。しかし、目指してほしいのは社会学的な知を他の対象にも応用して使ってみることです。そのため、授業では物の見方・視点にフォーカスをして行います。それを通して映像文化を分析する手法を身に着けていただきたいです。
授業のねらい・到達目標	この科目ではアニメを対象としながら、身近な映像文化を批評する視点を獲得するとともに、その課題を文献から読み取り、他者と議論する能力の育成を目標とする。この科目は文理学部のDP及びCPの1,3,8に対応しています。・経験や学修から得られた豊かな知識と教養に基づいて，倫理的な課題を理解し説明することができる。（A-1-1）・仮説に基づく課題や問題を提示し，客観的な情報を基に，論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる。（A-3-1）・自己の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる。（A-8-1）
授業の方法	ノートPCの使用は必須ではありませんが、講義中に関連する文献情報などを提示するので、その場で検索していただく上ではあったほうが便利です。基本的には講義を中心として行いますが、適宜映像資料も見ます。また、授業の時間が限られているので、見せる映像資料は一部となり勝ちです。各自関心のあるものはその紹介した映像資料の全体を見て理解を深めるようにしてください。また講義の際にグループワークなどを行う場合や指名をして質問を行う場合があります。レポートの構成・タイトル等を予め提出してもらい、それを元に注意事項として全体にフィードバックを行う。

授業計画
1	ガイダンス：映像文化の中でもアニメを主な対象にして論じ、その意義について検討する。A-3-1 【事前学習】関連文献リストで関心のあるものを読むこと。（1.5時間）【事後学習】授業全体の見通しを簡単に振り返ること。（1時間）
2	アニメーションとアニメ：映像文化の中でアニメーションとアニメの違いについて論じる。【事前学習】関連文献の読解。（1.5時間）【事後学習】授業内での復習。（1.5時間）
3	視点としての文化産業論：本講義の視点の一つである文化産業論の特徴を娯楽・産業・メディアに焦点化して議論する。A-3-1 【事前学習】関連論文の読解（2時間）【事後学習】授業内容の復習（1.5時間）
4	アニメと文化産業：文化産業の中でもアニメ産業にはどのような特徴があるのかを隣接する産業との関係から描き出す。A-3-1 【事前学習】簡単にアニメ産業について調べる（2時間）
5	文化産業と趣味・娯楽（1）：娯楽を学術的に論じるうえで重要な視点であるファンについてその学術的な研究の来歴について概説する。A-3-1 【事前学習】授業内中間レポートの調査計画（2時間）
6	文化産業と趣味・娯楽（2）：マンガ・アニメ等について我々は日常的に語っているが「語ること」が学術的にどのように位置づけられるか概説する。【事前学習】授業内中間レポートの調査計画（1時間）【事後学習】授業内中間レポートの調査（2時間）
7	文化産業と趣味・娯楽（3）：ファンであるとはどのようなことであるのかを、「ファンを続けること」「ファンになること」に着目して論じる。A-3-1 【事前学習】データの処理（4時間）
8	文化産業の産業性（1）：文化が産業であることは同時に政治とも強くかかわるものであることを意味する。まずここでは戦争と文化産業の関係について論じる。A-3-1 【事前学習】中間レポートのデータ分析（4時間）
9	文化産業の産業性（2）：アニメにはどのような産業的な論点が今日あるのかについて概説する。A-3-1 【事前学習】産業に関する関連論文の読解（4時間）【事後学習】授業プリントの復習（1時間）
10	文化産業の産業性（3）：アニメの基礎を支える労働者について「創造者」だけでなく「生活者」の側面があることを論じる。A-3-1 【事前学習】産業に関する関連論文の読解（3時間）【事後学習】授業レポートの復習（1時間）
11	文化産業におけるメディアと創造力（1）：1980年代に起こったアニメブームと呼ばれるアニメ産業の変容をメディアと創造力という視点から論じる。A-3-1 【事前学習】関連文献の読解（1時間）
12	文化産業におけるメディアと創造力（2）：前述したような条件によって「子ども」と「大人」の関係がどのようなものになっていったのかを論じる。A-3-1 【事前学習】関連文献の読解（1時間）
13	文化産業におけるメディアと創造力（3）：前述したアニメ産業の問題がアニメの表象そのものとどのような関係にあるのかを論じる。A-3-1 【事前学習】この回までの授業の復習（5時間）【事後学習】レポ―トの準備（5時間）
14	文化産業と社会問題：これまでの授業を踏まえ文化産業と社会問題がどのような関連にあるかを論じる。A-3-1 【事前学習】レポートの準備（5時間）【事後学習】レポートの準備（5時間）
15	本講義のまとめ：これまでの議論をまとめ他の映像文化との比較の可能性を考える。A-3-1 【事前学習】レポートの準備（5時間）

その他
教科書	永田大輔・松永伸太朗編『アニメの社会学――アニメファンとアニメ制作者たちの文化産業論』ナカニシヤ出版 2020年第1版 2020年6月に発売予定。購入は必須ではないが授業は同テキストに多くを依拠して展開する。
参考書	使用しない
成績評価の方法及び基準	レポート:論述能力・調査能力の評価(50%)、授業参画度:グループワーク・中間レポート(50%)
オフィスアワー	授業終了後