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中国語科教育法Ⅰ

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令和元年度以前入学者 中国語科教育法Ⅰ
教員名 島田亜実
単位数    2 学年    2 開講区分 文理学部
科目群 コース科目
学期 後期 履修区分 必修
授業の形態 同時双方向(Zoom利用)と課題研究(Bb利用)を併用する。
Blackboard ID: 20203929
授業概要 外国語科学習指導要領及び関連資料に示された中国語科の目標と主な内容,並びに全体構造を知ることにより,中国語科教育の意義及び編成方法と指導法についての理解を深める。
授業のねらい・到達目標 (1)個別の学習内容について指導上の留意点を理解することができる。
(2)中国語の学習評価の考え方を理解する。
(3)中国語教育と背景となる学問領域との関係を理解し,教材研究に活用することができる。
(4)発展的な学習内容について探究し,学習指導への位置付けを考察することができる。
授業の方法 原則的に演習形式で行い,主に以下の問題について検討する。
(1)現行の学習指導要領では概ね「英語に準ずる」とされるのみで,具体的な記述がない中国語科の学習目標及び内容を如何に定めていくか。
(2)上記の学習目標を達成するための教授法は如何にあるべきか。
(3)理想的な教授法を開発するために必要な理論と方法論。
(4)上記を理解するため過程として近年の中国語教育の歴史と実践を把握する。
随時小テストを行い,添削・採点して返却する。
本授業の事前・事後学習は,合わせて4時間の学習を目安とする。
課題の提出方法、フィードバック方法等については、授業開始時に提示する。
授業計画
1 学習指導要領に示された英語科の目標及び内容と,その他の外国語科の目標及び内容
【事前学習】「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」を見ておく。 (1時間)
【事後学習】「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」の内容が,「高等学校学習指導要領解説 外国語編 英語編 第3章 英語に関する各科目に共通する内容等」ではどのように展開されているかをまとめる。 (3時間)
2 中国語科独自の目標及び内容の確立と共有―大学における従来の中国語教育,日本中国語学会と中国語教育研究会
【事前学習】「日本中国語学会」と「中国語教育学会」のウェブサイトを見ておく。 (1時間)
【事後学習】中国語教育学会会誌『中国語教育』の既刊号の中から興味を引かれた論文をピックアップする。 (3時間)
3 中国語科独自の目標及び内容の確立と共有―全国高等学校中国語教育研究会(現・高等学校中国語教育研究会)『高校中国語教育のめやす』
【事前学習】「高等学校中国語教育研究会」のウェブサイトを見ておく。 (1時間)
【事後学習】『高校中国語教育のめやす』言語材料:文法編の内容を簡潔にまとめる。 (3時間)
4 中国語科独自の目標及び内容の確立と共有―中国語教育学会『中国語初級段階学習指導ガイドライン』
【事前学習】『中国語初級段階学習指導ガイドライン』文法項目表を見ておく。 (2.5時間)
【事後学習】『中国語初級段階学習指導ガイドライン』文法項目表の内容を簡潔にまとめる。 (1.5時間)
5 中国語科独自の目標及び内容の確立と共有―CEFRと『外国語学習のめやす2012 高等学校の中国語と韓国語教育からの提言』
【事前学習】『外国語学習のめやす2012 高等学校の中国語と韓国語教育からの提言』の「1.「めやす」のめざすもの」を読んでおく。 (3.5時間)
【事後学習】山崎直樹「『ヨーロッパ言語共通参照枠』から考える言語教育の目的『外国語学習のめやす2012―高等学校の中国語・韓国語教育からの提言―』とは何か?」(https://www.youtube.com/embed/me5cwhvsWGE)を見る。 (0.5時間)
6 中国語の音声教育とその学習評価
【事前学習】複数の中国語音節表を見比べて相違点を見つけておく。 (1時間)
【事後学習】中国語音節表の声母と韻母をIPAで記す。 (3時間)
7 中国語の文法教育とその学習評価
【事前学習】既にまとめてある『高校中国語教育のめやす』言語材料:文法編の内容と,『中国語初級段階学習指導ガイドライン』文法項目表の内容を比較しておく。 (2時間)
【事後学習】『高校中国語教育のめやす』言語材料:文法編と『中国語初級段階学習指導ガイドライン』文法項目表から,自分が必須項目だと思うものを選び,最も効果的と思われる順で配列する。 (2時間)
8 中国語の語彙教育とその学習評価
【事前学習】『高校中国語教育のめやす』言語材料:語彙編を見ておく。 (1時間)
【事後学習】『高校中国語教育のめやす』言語材料:語彙編に収録された語彙で『中国語初級段階学習指導ガイドライン』学習語彙表が収録しなかった語彙を拾い上げ,それらが収録されなかった理由を考える。 (3時間)
9 中国語の読解教育とその学習評価
【事前学習】各種翻訳ソフト乃至翻訳エンジンでいくつかの中国語文を日本語に訳し,うまく訳せる文と訳せない文を選んでおく。 (2.5時間)
【事後学習】入手可能な中国語読解教材からいくつか課文を選び,ピンインのある場合とない場合で辞書を引くのにどのような違いが出るかを確かめる。 (1.5時間)
10 中国語コミュニケーション能力の評価とCan-Doリスト
【事前学習】CEFRの主要3表を見ておく。 (2.5時間)
【事後学習】『外国語学習のめやす2012 高等学校の中国語と韓国語教育からの提言』の「コミュニケーション能力指標」で取り上げられている15分野の中から1分野選び,そこで「できる」とされる能力がCEFRのcan-doリストにほぼ相当するかを考える。 (1.5時間)
11 中国語学習ポートフォリオの使用と有効性
【事前学習】日本大学文理学部外国語教育センター『外国語ポートフォリオ』を見ておく。 (1時間)
【事後学習】日本大学文理学部外国語教育センター『外国語ポートフォリオ』の中国語レベル表を,より活動面に基づいたcan-doリストに作りかえる。 (3時間)
12 中国語の理論的研究と中国語教育への応用―品詞論
【事前学習】《现代汉语词典》第7版の品詞分類を凡例5.词类标注で確認しておく。 (0.5時間)
【事後学習】二音節動詞で《现代汉语词典》が動詞としてしか認めない語(“学习”等)に対し,名詞としても認める語(“练习”等)の例をなるべく多く集め,なぜそうなっているのかを考える。 (3.5時間)
13 中国語の理論的研究と中国語教育への応用―直接構成素分析と文成分
【事前学習】言語学事典等で「直接構成素分析」の項を見ておく。 (1時間)
【事後学習】文成分分析法では曖昧さを説明できない例を考える。 (3時間)
14 中国語の理論的研究と中国語教育への応用―談話理論
【事前学習】言語学事典等で「談話分析」の項を見ておく。 (1時間)
【事後学習】日本語の「ソ」系統の指示詞が,中国語の“这”系統の指示詞に相当する例と“那”系統の指示詞に相当する例を考える。 (3時間)
15 総括と今後の学習に向けて
【事前学習】これまでの学習内容を整理しておく。 (2時間)
【事後学習】これまでの中国語学習において,自分の弱点や理解しづらかった点をふりかえる。 (2時間)
その他
教科書 全国高等学校中国語教育研究会 『高校中国語教育のめやす 平成11年度版』 1999年
公益財団法人国際文化フォーラム 『外国語学習のめやす2012 高等学校の中国語と韓国語教育からの提言』 2012年 第1版
中国語教育学会 学力基準プロジェクト委員会編 『中国語初級段階学習指導ガイドライン』 2007年
『高校中国語教育のめやす』平成11年度版は以下からダウンロード可能。
http://www.tjf.or.jp/meyasu/support/docs/Topics_chinese_guidelinelink.pdf
『外国語学習のめやす2012 高等学校の中国語と韓国語教育からの提言』はPDF版(2016年8月1日)が以下からダウンロード可能。
https://www.tjf.or.jp/wp-content/uploads/2019/08/02meyasu2012_final.pdf
関連参考資料『文化事象例と扱うポイント(中国語)』は以下からダウンロード可能。
http://www.tjf.or.jp/meyasu/common_pr/myasu_bunka_zh.pdf
『中国語初級段階学習指導ガイドライン』は以下からダウンロード可能。
http://www.jacle.org/storage/guideline.pdf
参考書 吉島茂・大橋理枝訳 『外国語教育(2) 外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠』 朝日出版社 2004年
『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編』 2017年
『高等学校学習指導要領解説 外国語編 英語編』 2009年
輿水優 『中国語の教え方・学び方―中国語科教育法概説 (日本大学文理学部叢書)』 2005年 第1版
『外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠』における所謂主要3表(「表1 全体的な尺度」,「表2 自己評価表」,「表3 話し言葉の質的側面」)は以下で見られる。
http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/user/tanakak/CEFR%20Chapter%203.pdf
また所謂「can-do リスト」は以下で見られる。
https://jfstandard.jp/pdf/CEFR_Cando_Category_list.pdf
上記二者とも以下で英語版が見られる。
http://ebcl.eu.com/wp-content/uploads/2011/11/CEFR-all-scales-and-all-skills.pdf
『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編』は以下で見られる。
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_010.pdf
『高等学校学習指導要領解説 外国語編 英語編』は以下で見られる。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/01/29/1282000_9.pdf
必要に応じ適宜その他の参考資料を配付する。
成績評価の方法及び基準 授業内テスト:授業内テスト(40%)、授業参画度:授業参画度(30%)、提出課題(30%)
オフィスアワー Blackboardなどを通して連絡すること。

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