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中国語科教育法Ⅱ

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令和元年度以前入学者 中国語科教育法Ⅱ
教員名 平井和之
単位数    2 学年    2 開講区分 文理学部
科目群 コース科目
学期 後期 履修区分 必修
授業の形態 同時双方向。課題研究も併用する。
Blackboard ID:20203930
授業概要 他の外国語教育とと同じく,中国語教育もステップを積み重ねつつ進めねばならない。そのためにまず基礎的な学習指導理論を理解し,具体的な授業場面を想定した授業設計を行う方法を身に付ける。
授業のねらい・到達目標 (1)生徒の認識・思考,学力等の実態を視野に入れた授業設計の重要性を理解することができる。
(2)中国語科の特性に応じた情報機器及び教材の効果的な活用法を理解し,授業設計に活用することができる。
(3)学習指導案の構成を理解し,具体的な授業を想定した授業設計と学習指導案を作成することができる。
(4)模擬授業の実施とその振り返りを通して,授業改善に資することができる。
(5)中国語科における実践研究の動向を知り、授業設計の向上に取り組むことができる。
授業の方法 原則的に演習形式で行う。主に以下の問題を取り扱う。
(1)各段階で学習すべき内容と目標は何か。またそれを如何に効果的に教授するか。
(2)各種AV機器やIT技術の授業への活用法。
(3)上記を基礎とし,グループに分かれて学習指導案を作成し,模擬授業を行う。
随時小テストを行い,添削・採点して返却する。
本授業の事前・事後学習は,合わせて4時間の学習を目安とする。
課題の提出方法、フィードバック方法等については、授業開始時に提示する。
授業計画
1 中国語初修者に対するピンインの教授法
【事前学習】中国語音節表を見ておく。 (1時間)
【事後学習】現在自分が聞き分けられない,或いは聞き分けるのが苦手(但し声調は問わない)な音節を全て書き出す。 (3時間)
2 発音練習の実践―音読と暗唱,音節・単文・文章単位の練習
【事前学習】五言絶句を1首暗唱できるようにしておく。 (1.5時間)
【事後学習】毛泽东《愚公移山》の《列子・汤问》に由来する部分を暗唱できるようにする。 (2.5時間)
3 発音練習の実践―IT機器を用いた音声入力の活用
【事前学習】Siri(iPhone)またはGoogle音声入力(Android)を使用してみる。 (3時間)
【事後学習】自分が苦手とする発音を音声入力してみて,どう発音すれば正しく認識されるか試行錯誤してみる。 (1時間)
4 発音練習の実践―Praat等の音声分析ソフトを用いた指導
【事前学習】自分が使用できるPCにPraatをダウンロード・インストールし,音声入力してみる。 (2.5時間)
【事後学習】日本語の濁音と清音の違いを,語頭・語中・語尾それぞれの位置でPraatで分析する。 (1.5時間)
5 模擬授業―有気音・無気音とそり舌音の学習
【事前学習】グループで有気音・無気音学習の模擬授業とそり舌音学習の模擬授業の指導案を作成しておく。 (3時間)
【事後学習】他のグループの模擬授業を参考にし,自分たちの模擬授業指導案を充実させる。 (1時間)
6 教材研究―高等学校中国語教育研究会(旧・全国高等学校中国語教育研究会)編,白帝社『高校中国語』(1987年),『改訂版高校中国語』(1994年),『改訂新版高校中国語』(2007年),『高校中国語2』(2010年)等を題材として
【事前学習】入手可能な中国語教材から,“有”,“在”,前置詞に関係する箇所を抜き出しておく。 (3時間)
【事後学習】指定された教材から,“有”,“在”,前置詞に関する文法事項をまとめる。 (1時間)
7 模擬授業―動詞“有”と“在”の学習
【事前学習】グループで,“有”と“在”の導入をテーマとする模擬授業の指導案を作成しておく。 (3時間)
【事後学習】他のグループの模擬授業を参考にし,自分たちの模擬授業指導案を充実させる。 (1時間)
8 模擬授業―前置詞の学習
【事前学習】グループで,前置詞の導入をテーマとする模擬授業の指導案を作成しておく。 (3時間)
【事後学習】他のグループの模擬授業を参考にし,自分たちの模擬授業指導案を充実させる。 (1時間)
9 授業における動画・レアリア等の活用
【事前学習】インターネット上で,文字数が少なく内容が単純なチラシの類を集めておく。 (3時間)
【事後学習】インターネット上で,自分で聴き取れる5分程度の動画或いは音声を捜す。 (1時間)
10 会話教育の実践例―グループでスキットを自作し録画する
【事前学習】中国語のスキットの台本を作成し,配役を決めておく。 (2.5時間)
【事後学習】他のグループのスキットを参考にし,自分たちのスキットを充実させ,録画する。 (1.5時間)
11 中国語辞典の選び方と使用法
【事前学習】身近にある各種中国語辞書の凡例を読んでおく。 (1時間)
【事後学習】紙版と電子辞書版の両方がある中国語辞書を選び,いくつかの語について,紙版と電子辞書版の優劣を考える。 (3時間)
12 初級段階で教えるべき基礎語彙の選定
【事前学習】『中国語初級段階学習指導ガイドライン』学習語彙表の「まえがき」を読んでおく。 (1時間)
【事後学習】『中国語初級段階学習指導ガイドライン』学習語彙表の第一表(600語)から,教育上より重要と考える300語を選ぶ。 (3時間)
13 初級段階における読解教育用の教材の選定
【事前学習】中国の児童向けの読み物を一つ選び読んでおく。 (1時間)
【事後学習】中国の児童向けの読み物が日本語母語話者にとって必ずしも読みやすくない理由を文法面・語彙面から考える。 (3時間)
14 口語体から文章語体への接続
【事前学習】“中华人民共和国政府和日本国政府联合声明”を読んでおく。 (2時間)
【事後学習】指定された文章語体の文をなるべく口語体に近づけて書き直す。 (2時間)
15 総括と今後の学習に向けて
【事前学習】これまでの学習内容を整理しておく。 (2時間)
【事後学習】これまでの中国語学習において,自分の弱点や理解しづらかった点をふりかえる。 (2時間)
その他
教科書 公益財団法人国際文化フォーラム 『外国語学習のめやす2012 高等学校の中国語と韓国語教育からの提言』 2012年 第1版
中国語教育学会 学力基準プロジェクト委員会編 『中国語初級段階学習指導ガイドライン』 2007年
『外国語学習のめやす2012 高等学校の中国語と韓国語教育からの提言』はPDF版(2016年8月1日)が以下からダウンロード可能。
https://www.tjf.or.jp/wp-content/uploads/2019/08/02meyasu2012_final.pdf
関連参考資料『文化事象例と扱うポイント(中国語)』は以下からダウンロード可能。
http://www.tjf.or.jp/meyasu/common_pr/myasu_bunka_zh.pdf
『中国語初級段階学習指導ガイドライン』は以下からダウンロード可能。
http://www.jacle.org/storage/guideline.pdf
参考書 輿水優 『中国語の教え方・学び方―中国語科教育法概説 (日本大学文理学部叢書)』 日本大学文理学部 2005年 第1版
輿水優・島田亜実 『中国語わかる文法』 大修館書店 2009年 第1版
必要に応じ適宜その他の参考資料を配付する。
成績評価の方法及び基準 レポート(25%)、授業内テスト(50%)、授業参画度(25%)
「授業内テスト」は授業中随時行う小テスト,「レポート」は模擬授業用に作成する学習指導案,「授業参画度」は模擬授業の内容をそれぞれ指す。
オフィスアワー 水曜3時限

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