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心理学研究法

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平成30年度以降入学者 心理学研究法
平成27年度以前入学者 心理学研究法1
教員名 岡隆
単位数    2 学年    1 開講区分 文理学部
科目群 心理学科
学期 後期 履修区分 必修
授業の形態 パワーポイント動画を使用したオンデマンド型の遠隔授業を中心にし,学修の進捗状況に応じて課題研究を行います.
Blackboard ID: 20202604
授業概要 心を科学的に研究する方法を学びます.実証的研究の論理を理解するとともに,実験法,調査法,観察法,検査法,面接法についての知識を獲得し,倫理的問題等,心理学的研究特有な問題について考察します.
授業のねらい・到達目標 【公認心理師受験資格取得に必要な科目】
心理学は,わたしたちのこころの働きを科学的に探求する学問です.この授業は,心理学における科学的な研究方法(量的方法及び質的方法)の基礎的な考え方に親しむことをねらいとします.到達目標は,科学的の研究方法がどのようなものであるかを述べることができることであり,また、代表的な研究方法の特徴とその長所・短所を述べることができることです.具体的には,実証的研究のロジックを説明し,初歩的な実験法,調査法,観察法,検査法,面接法による研究計画を立案することができる能力を身につけ,それを実践するさいの問題を解決する技能・倫理性を身につけます.
この科目は文理学部(学士(心理学))のディプロマポリシーDP1及びカリキュラムポリシーCP9に対応しています.
なお,新カリキュラム(令和2年度以降の入学者)では,この科目は文理学部(学士(心理学))のディプロマポリシーDP3,DP4及びカリキュラムポリシーCP3,CP4に対応しています.
・既存の知識にとらわれることなく,物事を論理的・批判的に説明することができる(A-3-2).
・資料や事象を注意深く観察し,問題点を発見することができる(A-4-2).
授業の方法 Blackboardを利使用した,オンデマンド授業と課題研究を行います.テキストを予習したうえでパワーポイント動画を視聴し,授業の公判では,テキストの事前学習や講義視聴の成果を自己確認するためのチェック課題を行い提出してもらいます.事前学習として,テキストを予習します.具体的には,以下の各回のテーマに該当する章ないし,授業において指示された部分を事前に読み,新たに登場する概念や専門用語を下調べするとともに,そこで学ぶべきポイントが何かを自分なりに考てまとめます.講義では,そこで不足していた事項について理解することに努めます.事後学習にあたっては,テキストと授業で配布した資料に基づいて,自己チェック課題で不足していた事項について,自分自身の言葉で文書にまとめます.提出された課題については,正解を示すとともに,講評を通してフィードバックを行います.下記の授業計画はおおよその進度を示すもので,履修者の理解の状況に応じて,多少の変更を伴うことがあります.本授業の事前・事後学習は,各2時間程度の学習を目安とします.
授業計画
1 ガイダンス なぜ科学的研究が必要なのかを考えます
【事前学習】こころを知るための方法としてどのようなものがあるか,できるだけ多く考えて,ノートにまとめます. (2時間)
【事後学習】科学的方法の意義と限界について,レポートをまとめます. (2時間)
2 科学と実証について理解します.具体的には,なぜ実証が必要か,科学的説明とはどのようなものか,実証のロジックはどうなっているかを理解します.
【事前学習】テキストの第1章を通読し,科学と実証の考え方について理解し,疑問点や不明点をノートにまとめます. (2時間)
【事後学習】配布したプリントのなかで指示した重要な概念について整理します. (2時間)
3 実験と観察について理解します.具体的には,実験的研究とは何か,観察的研究とは何か,それぞれの研究のロジックはどうなっているか,それぞれの研究の長所と短所は何かを理解します.
【事前学習】テキストの第2章を通読し,実験と観察の考え方について理解し,疑問点や不明点をノートにまとめます. (2時間)
【事後学習】配布したプリントのなかで指示した重要な概念について整理します. (2時間)
4 実証の手続きについて理解します.具体的には,観念の成果と現実の世界をどのように結びつけるのか,直接観察が不可能な心理をどのようにして観察可能なものにするのか,手続きの信頼性と妥当性をどのように担保するのかを理解します.
【事前学習】テキストの第3章を通読し,実証の続きについて理解し,疑問点や不明点をノートにまとめます. (2時間)
【事後学習】配布したプリントのなかで指示した重要な概念について整理します. (2時間)
5 実験法における独立変数の操作について理解します.具体的には,原因ほどのようにして作り出すかを,独立変数の種類と手続き化り方法,および手続き化のさいの問題(純化と多重操作,操作とインパクト,手続きの標準化,手続きの妥当性)を考えながら理解します.
【事前学習】テキストの第4章を通読し,独立変数の操作について理解し,疑問点や不明点をノートにまとめます. (2時間)
6 実験法における従属変数の測定について理解します.具体的には,原因がもたらす結果をどのように取り出すかを,従属変数の種類,測定の信頼性と妥当性,さまざまな具体的手続き化の長所と短所,妥当性かの改善について考えながら理解します.
【事前学習】テキストの第5章を通読し,従属変数の測定について理解し,疑問点や不明点をノートにまとめます. (2時間)
7 実験法における剰余変数の統制について理解します.適切な因果関係の推論のためには剰余変数の統制が必須であり,統計的統制と実験的統制,個体差変数の統制と固体内変動の特性と直接的統制について考えながら理解します.
【事前学習】テキストの第6章を通読し,剰余変数の統制について理解し,疑問点や不明点をノートにまとめます. (2時間)
【事後学習】配布したプリントのなかで指示した重要な概念について整理します. (2時間)
8 実験法の種類と特徴,およびコンピュータシミュレーション法について理解します.具体的には,実験室実験と質問紙実験,現場実験と自然実験,準実験,単一事例実験,コンピュータ・シミュレーション実験について理解します.
【事前学習】テキストの第7,8章を通読し,さまざまな実験法とコンピュータ・シミュレーションについて理解し,疑問点や不明点をノートにまとめます. (2時間)
【事後学習】配布したプリントのなかで指示した重要な概念について整理します. (2時間)
9 心理学に特有な問題ならびに研究の倫理について理解します.具体的には,観察反応,内観法の限界と対策,研究の倫理的問題について理解します.
【事前学習】テキストの第9章を通読し,心理学に特有な問題について理解し,疑問点や不明点をノートにまとめます. (2時間)
【事後学習】配布したプリントのなかで指示した重要な概念について整理します. (2時間)
10 調査法について理解します.具体的には,質問紙の作成方法,調査の実施方法,調査対象者の決定方法,調査方法の選択方法を理解します.
【事前学習】テキストの第10章を通読し,調査法の考え方について理解し,疑問点や不明点をノートにまとめます. (2時間)
【事後学習】配布したプリントのなかで指示した重要な概念について整理します. (2時間)
11 観察法と検査法について理解します.具体的には,観察する現象の選択方法,記述方法の選択方法,データの信頼性と妥当性,参加観察法,検査の妥当性検証,信頼性評価,検査得点の解釈と標準化について理解します.
【事前学習】テキストの第11,12章を通読し,観察法と検査法の考え方について理解し,疑問点や不明点をノートにまとめます. (2時間)
【事後学習】配布したプリントのなかで指示した重要な概念について整理します. (2時間)
12 面接法について理解します.具体的には,面接法の種類,心理臨床面接法,面接と言葉,面接の構造化,面接者と被面接者の関係,面接のデータの取り扱い,面接法の限界と可能性を理解します.
【事前学習】テキストの第13章を通読し,面接法の考え方について理解し,疑問点や不明点をノートにまとめます. (2時間)
【事後学習】配布したプリントのなかで指示した重要な概念について整理します. (2時間)
13 実際に研究を実施するさいの問題について,研究の実施,結果の解釈,統計的分析,研究報告の方法について考えながら理解します.
【事前学習】テキストの第14,15,16,17章を通読し,実施と解釈にあたっての実際的問題について理解し,疑問点や不明点をノートにまとめます. (2時間)
【事後学習】配布したプリントのなかで指示した重要な概念について整理します. (2時間)
14 理解度,到達度の確認のための演習問題を実施し,解説を行います.
【事前学習】テキストの第1章から第17章まで,および配布したプリントに基づいて,全体のまとめを行い,科学的な心理学研究法の全体像を把握します. (2時間)
【事後学習】自力で解けなかった演習問題にチャレンジします. (2時間)
15 全体のまとめを行うとともに,理解度,到達度の再確認のための演習問題を実施し,その解説を行います.
【事前学習】テキストの第1章から第17章まで,および配布したプリントに基づいて,全体のまとめを行い,科学的な心理学研究法の全体像を把握します. (3時間)
【事後学習】自力で解けなかった演習問題に再チャレンジします. (1時間)
その他
教科書 高野 陽太郎・岡 隆  『心理学研究法 心を見つめる科学のまなざし 補訂版 (有斐閣アルマ)』 有斐閣 2004年
参考書 なし
成績評価の方法及び基準 授業内テスト:到達度の確認と再確認の演習問題の成績(60%)、毎回の自己チェック課題(40%)
オフィスアワー 水曜日12:30-13:00
研究室306
なお,当面の間,原則,メールによるものとします.

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