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線形空間論(含演習)

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令和元年度以前入学者 線形空間論(含演習)
教員名 吉田健一
単位数    3 学年    2 開講区分 文理学部
科目群 数学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業の形態 オンデマンド型の遠隔授業(12回)と課題研究(3回)を組み合わせる。
授業概要 必修科目である1年次の線形代数1・2には行列,連立1次方程式,ベクトル空間の理論など多くの重要な内容が含まれているが,すべてを網羅してはいない。
本講義では,線形代数1・2の続きとして,3次正方行列を中心に様々な対角化の方法とその応用を学修する。
また,本講義で修得できる理論は,代数系の講義のみならず,解析学序論2,微分方程式論1・2においても役立つはずである。
授業のねらい・到達目標 ・3次正方行列のジョルダン標準形(対角化を含む)の求めることができる。
・行列の対角化を利用して,数列の漸化式などに応用できる。
・内積の理論(直交化)を理解し,対称行列を直交行列により対角化できる。
・対称移動,回転移動の理解を深めつつ,2次曲線の標準形を求めることができる。
・対角化の背景として,線形写像の基礎理論(次元定理など)を説明できる。
この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシー DP3,DP6 及びカリキュラムポリシー CP1,CP9に対応している。

なお、新カリキュラム(令和2年度以降の入学者)では、この科目は文理学部(学士(数学))のディプロマポリシー DP3,4,5,6,8 及びカリキュラムポリシー CP3,4,5,6,8に対応している。
・自らが獲得してきた数理科学的知識を基礎とし、その上で既存の知識にとらわれることなく、数理科学的根拠に基づいて論理的に考察することができる(A-3-3)。
・日常生活における現象に潜む科学的問題を発見し,専門的知識に基づいて解決案を作成できる(DP4-3)。
・与えられた問題に取り組む気持ちを持つことができる(A-5-1)。
・親しい人々とコミュニケーションを取り,専門的知識について正しく説明することができる(DP6-2)。
・自分の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる(DP8-1)。
授業の方法 5月11日から8月1日までの授業実施日(12回)に,Blacknboard を通して,オンデマンド教材を配信する(15分程度×3)。
履修予定の学生は初回授業時までにBlackboardに登録すること(ただし,後からでも資料の閲覧は可能)
受講生はその教材を視聴し,学修すること。
また,課題を解き,期日まで(特に指定がない場合は翌週の講義まで)に所定の方法で提出すること。
課題の解答例は翌週までに提供するので,復習すること。また,Blackboard の掲示板機能を通して「質問」と「議論」の機会を提供する。
試験日は Blackboard を通して試験問題を配信する。答案はスキャンした pdf ファイルか, 写真による投稿を認める。
別途,課題研究については,最終提出期限を8月8日として3回実施する。
履修条件 他学科の学生が(教職免許獲得のために)受講する場合は、お勧めの履修の順序があるので、初回の講義の際に申し出ること。
授業計画
1 線形代数1,2で学んだ2次正方行列の「対角化」の発展として, 2次正方行列の「ジョルダン標準形」の求め方を学ぶ(オンデマンド授業)。
【事前学習】シラバスの概要を確認し,教科書第2章第3節~第5節に目を通しておくこと。 (1時間)
【事後学習】第1回宿題(2次正方行列のジョルダン標準形の計算例)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
2 「固有値」と「固有ベクトル」の求め方を学ぶ(1)(オンデマンド授業)。
【事前学習】教科書第8章第1節を読み,固有値の定義を確認しておくこと。 (1時間)
【事後学習】第2回宿題(3次正方行列の固有値,固有ベクトルの計算)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
3 「固有値」と「固有ベクトル」の求め方を学ぶ(2)(オンデマンド授業)。
【事前学習】前回の講義内容のうち,固有ベクトルの求め方を理解しておくこと。 (1時間)
【事後学習】第3回宿題(3次正方行列の固有値,固有ベクトルの計算)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
4 「対角化可能性」の判定法について学ぶ(オンデマンド授業)。
【事前学習】教科書第8章第1節を読み,対角化の定義をノートに記載しておくこと。 (1時間)
【事後学習】第3回宿題(3次正方行列の対角化の計算例)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
5 3次正方行列の「ジョルダン標準形」の求め方を学ぶ。また,発展的な問題へのチャレンジを通して,「挑戦力(A-5)」をスキルアップする(課題研究)。
【事前学習】第3回配布プリントを読み,「ジョルダン標準形の分類」をノートに書いておくこと。 (1時間)
【事後学習】第4回宿題(3次正方行列のジョルダン標準形の計算例)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
6 対角化の応用(行列のべき,数列の漸化式)について学ぶ(オンデマンド授業)。
【事前学習】教科書第8章第3節を読むこと。また,高校数学で学んだ方法で漸化式を解けるかどうかチャレンジすること(A-5)。 (2時間)
【事後学習】第5回宿題(3項間漸化式の計算例)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
7 中間試験【資料閲覧可能】と解説(A-3,A-4)(オンデマンド授業)。
【事前学習】第1~6回の内容を復習しておくこと。 (6時間)
【事後学習】友人と積極的に議論して,解けなかった試験問題を解きなおすこと(A-6, A-8)。 (3時間)
8 内積空間(内積・コーシー・シュワルツの不等式)の初歩と, 「グラム・シュミットの直交化法」を用いた正規直交基底の求め方を学ぶ(オンデマンド授業)。
【事前学習】教科書第9章第1,2節を読み,高校数学Bのベクトルの内容を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】第7回宿題(正規直交基底の計算,三角不等式の証明)を解き, 翌週提出すること。 (3時間)
9 「直交行列による対称行列の対角化」の方法について学ぶ(オンデマンド授業)。
【事前学習】第2~4回の講義内容を復習し,対角化の方法を理解しておくこと。 (2時間)
【事後学習】第8回宿題(3次対称行列の直交行列による対角化の計算例)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
10 「2次形式」と「2次曲線の標準形」の求め方を学ぶ(オンデマンド授業)。
【事前学習】教科書第10章第1,2節と高校数学IIIの教科書を読み,2次曲線の種類をノートにまとめておくこと。 (1時間)
【事後学習】第9回宿題(楕円・双曲線の標準形の計算例)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
11 「基本行変形」を利用して,「線形写像の核と像」の求め方を学ぶ(オンデマンド授業)。
【事前学習】線形代数1で学んだ基本行変形について復習しておくこと。 (1時間)
【事後学習】第10回宿題(数ベクトル空間の線形写像の核と像の基底の計算)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
12 「線形写像の次元定理」の証明を理解する(オンデマンド授業)。
【事前学習】教科書第7章第1節を読み,次元定理の証明の概要をつかんでおくこと。 (1時間)
【事後学習】第11回宿題(次元定理の証明,次元定理の応用例)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
13 グループ学修を通して,「対角化」と「線形写像」についての疑問点を解消する(A-6)(課題研究)。
【事前学習】期末試験対策問題を解くこと。 (3時間)
【事後学習】期末試験対策問題を解くこと。 (6時間)
14 期末試験【資料閲覧可能】とその解説(A-3,A-4)(オンデマンド授業)。
【事前学習】第6回,第8~13回までの内容を中心に復習しておくこと。 (4時間)
【事後学習】友人と積極的に議論して,解けなかった試験問題を解きなおすこと(A-6, A-8)。 (3時間)
15 まとめ(これまでの復習・解説を行い,講義内容の理解を深める)(課題研究)
【事前学習】線形代数1・2及び線形空間論で学修した内容を復習し,ノートに整理すること(A-8)。 (1時間)
【事後学習】事前学習の続きを行う。 (2時間)
その他
教科書 渡辺敬一,松浦豊,泊昌孝 『具体例から始める線型代数』 日本評論社 2007年 第1版
参考書 なし
成績評価の方法及び基準 レポート:レポートは3回の課題研究の提出と正確さを評価する。(30%)、授業内テスト:授業内テストは中間試験,期末試験を行い,その点数を評価する。(40%)、授業参画度:授業参画度はオンデマンド教材の視聴状況と宿題の提出を評価する。(30%)
・A-3,A-4の達成度は中間試験,期末試験の解答状況にて判定し,A-5の達成度については課題(レポート、宿題)の提出状況にて判定する。また、A-6の達成度については掲示板への質問と議論の参加状況にて判定し,最後の課題研究を通してA-8の達成度を確認する。
オフィスアワー Blackboard を通しての質問は直接回答するか,授業日までの資料に解説を載せる。
備考 履修要件ではないが,線形代数1・2を修得していることが望ましい。
Blackboard が使えない学生は事前に申し出ること。Blackboard コースIDは 20203071 です。
シラバスの内容は学生の皆さんの学修の状況を考慮して、変更することもあります。
また、事前学習・事後学習の時間は目安です。

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