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数学講究2

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令和元年度以前入学者 数学講究2
教員名 山浦義彦
単位数    3 学年    3 開講区分 文理学部
科目群 数学科
学期 後期 履修区分 必修
授業の形態 ①zoom による同時双方向型授業


Blackboard のコース ID :
20203145 : 2020数学講究2(山浦義彦・後・木2)
授業概要 Riemann 積分を主として学ぶ. 曲がった境界線で囲まれた図形の面積を知りたいと考えれば,
それを面積が計算可能な長方形の集まりで近似してその極限として定義すればよいということは
高校生でも思いつくであろう. この考え方を推し進めたのが Riemann 積分の概念である.
無限個の数を加えるというのは無限級数の考え方である. 無限個の数を加えても全体が有限値に
なることもあるし, 無限大になることもある. また近似長方形の選び方によっては極限が
存在しないこともあり得る. これらのことを精密に議論する.
授業のねらい・到達目標 イプシロン-デルタ論理式を使うことなく, 2変数関数の積分の定義の方法を理解してもらう
ことがねらいである. イプシロン-デルタ論理式は厳密ではあるが, 何をどのように議論し,
何が難しいのか, そしてそのためにどういうテクニックでこれを乗り越えているのか,
ということが分かりにくい. そこでこのような論理式を回避し, 直観に訴えることで原理を
理解してもらうことをねらいとする.

・解析系の基本概念(極限, 微分, 積分)を説明できる。
・教科書の内容を熟読して,専門の内容を分かりやすく発表することができる。
・ゼミに積極的に参加し、その内容について他者と議論することができる。
この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP1, DP3, DP4, DP6 及びカリキュラムポリシーCP7, CP9に対応している。

なお新カリキュラム(令和2年度以降入学者対象)では,文理学部(学士(数学))のディプロマポリシー DP1~8 及びカリキュラムポリシー CP1~8に対応している。
・学修から得られた豊かな知識と教養、及び、自己の倫理感に基づいて、数理科学の役割を説明することができる(A-1-2)。
・現代社会における数理科学の役割を理解し、そのことを踏まえて、国際社会が直面している問題を説明することができる(A-2-2)。
・数理科学に基づいて学んだ知識をもとに、物事の本質を論理的、客観的に捉えることができる(A-3-2)。
・日常生活における現象に潜む数理科学的問題を発見し、内容を説明することができる(A-4-2)。
・新しい問題に取り組む意識を持ち、そのために必要な情報を収集することができる(A-5-2)。
・親しい人々とコミュニケーションを取り、数理科学の専門的知識について議論することができる(A-6-3)。
・学修活動において、専門的知識を活かしつつ、自分の役割分担を理解し、他者と協働して作業をすることができる。
(A-7-3)。
・学修状況を自己分析し、その成果を評価することができる(A-8-3)。
授業の方法 少人数のセミナー形式の講義である.
受講学生は, 指定教科書を分担して, 熟読し, 数学的内容を理解した上で,
輪講形式でホワイトボードを使って口頭発表する.
その際に, 発表方法や数学的内容の補足についてのアドバイスを細かく行う.
履修条件 数学科の内規によります。 対象者はゼミに所属するものに限ります。
授業計画
1 無限級数の収束判定とべき級数について発表する (A-3).
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】高等学校における無限級数の扱いを復習しておくこと. (3時間)
【事後学習】無限に加えると有限値に収まる数列と発散する数列があることを理解すること. 教員のアドバイスに基づき, 自由発表の研究テーマを見直す(A-5 挑戦力, A-4 問題発見力). (2時間)
2 比較判定法と不等式評価について発表する (A-3).
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
【事前学習】はさみうち原理を復習しておくこと(A-8, 省察力). (3時間)
【事後学習】不等式で評価する技術を習得すること. 図書館などに行き, 研究領域に関する文献を調査する(A-1 知識と教養). (2時間)
3 定積分-- Riemann 積分の構築について発表する (A-3).
グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7).
【事前学習】曲がった曲線で囲まれた図形の面積を 求めるためにはどうしたらよいか考えておきなさい(A-5). (3時間)
【事後学習】測量と抽象的な集合の面積を定義することの違いを理解すること(A-3). (2時間)
4 微積分学の基本定理について発表する (A-3).
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
【事前学習】高等学校で学んだ積分の定義を思い出しておくこと (A-8). (3時間)
【事後学習】微分と積分が逆の操作である, ということの本当の意味を理解すること. (2時間)
5 広義積分, 無限積分について発表する (A-3).
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】囲まれていない図形の面積は定義できるだろうか? ということを考えておくこと(A-8) (3時間)
【事後学習】囲まれていない図形の面積はどうして Riemann 積分では求められないかを理解すること. ゼミメンバー内で第1回から第5回までの内容を議論する (A-6, A-7 リーダーシップ) (2時間)
6 上限, 下限について発表する (A-3).
グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7).
【事前学習】最大値の考え方を復習しておくこと (A-8). (3時間)
【事後学習】何故上限という考え方が必要なのか, そのストーリーを理解すること (A-8). 7 曲線の長さの概念について発表する (A-3). (2時間)
7 曲線の長さの概念について発表する (A-3).
グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7).
【事前学習】曲線の長さを測定するのではなく定義するということを理解すること(A-8). (3時間)
【事後学習】積分と異なり, 長さは必ず決まるということを理解すること (A-8). (2時間)
8 線積分と Gauss-Green の公式について発表する (A-3).
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】微分積分学基本定理を次元の観点から復習しておくこと(A-8). (3時間)
【事後学習】線積分が自然な考え方であり, 微分積分学基本定理の多変数への拡張を理解すること(A-8). (2時間)
9 重積分の構築について発表する (A-3).
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
【事前学習】1変数 Riemann 積分の定義の方法を復習しておくこと (A-5). (3時間)
【事後学習】Riemann 積分の考え方が次元にかかわらず定式化可能であることを理解すること. (2時間)
10 累次積分と重積分の関係について発表する (A-3).
過去の卒業論文を読んで参考にすること(A-1)
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
発表や演習問題を解く能力を高める(A-3, A-4)
【事前学習】重積分と Gauss-Green の公式による計算方法を復習しておくこと(A-8). (3時間)
11 ユークリッド空間の集合位相入門について発表する (A-3).
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】1次元の開区間, 閉区間の考え方を復習しておくこと(A-8). (3時間)
【事後学習】2次元の集合における「開区間, 閉区間」の考え方を一般化して開集合, 閉集合という 考え方が導入されることを理解すること(A-4). (2時間)
12 自由発表のふりかえり:発表者の内容を基にして,
ゼミで課題を探求する(A-8, A-4, A-5)。教員は自由発表の内容と
最近の研究成果との関係などを紹介し、履修者に数理科学の
現代数学における役割を考えるヒントを与える(A-2 世界の現状を理解し、説明する力)。
【事前学習】第9~11回の発表内容を復習しておくこと。 (3時間)
【事後学習】ふりかえりで得られた課題を整理し、 自由発表のテーマを通して現代社会における代数系の役割を理解する(A-2)。 (2時間)
13 重積分の変数変換について発表する (A-3).
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】置換積分法における「重み」がなぜ生じたか思い出しておくこと(A-5). (3時間)
【事後学習】多変数関数の重積分では「重み」が Jabobian になる理由を理解すること(A-4). (2時間)
14 常微分方程式論 1 --- 変数分離型, 一階定数係数線形常微分方程式の解法について発表する (A-3).
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】微積分学基本定理を復習しておくこと (A-8). (3時間)
【事後学習】微分方程式が simple form への帰着であることを理解すること. (2時間)
15 常微分方程式論 2 --- 二階定数係数線形常微分方程式の解法, ロンスキアンについて発表する (A-3).
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】一階微分方程式の解法を復習しておくこと(A-8). (2時間)
【事後学習】特殊解と一般解を理解すること(A-4). ゼミメンバー内で第10回から第15回までの内容を議論する (A-6, A-7 リーダーシップ) (5時間)
その他
教科書 山浦義彦 『ゼミテキスト「微分積分学」』 簡易製本 2019年 第1版
この自作テキストは, 数学講究1ですでに購入していただいたものです.
新たに購入するテキストはありません.
参考書 杉浦光夫 『解析入門 (基礎数学)』 東京大学出版会 1979年 第2版
長岡亮介 『数学の二つの心』 日本評論社
参考書も「数学講究1」で指定した書籍ですので,
新たに購入する書籍はありません.
成績評価の方法及び基準 授業参画度(100%)
・ゼミ内での発表(主として模擬授業)を「準備状況,分かりやすさ,内容の正確さ」の視点から評価する。
・ゼミ内での質問を「頻度,的確さ, 模擬授業への参加度」の視点から評価する。
・発表のためのプリント作成能力, および, 板書記述能力を評価する。
・数学的な原理の説明をわかりやすく他人に伝える能力を評価する。
・発表内容に対する具体的な発問能力及びそれに対する他者との問答, および解答を与える能力を評価する。
・事後学習(TeX による講義ノート, プリント作成)の進捗状況を評価する。
以上を授業参画度として評価する。
能力(A-1)から(A-8)の習熟度については、別途配布のチェック項目により評価する。
オフィスアワー 事前に連絡をしてもらえれば, 常時受け付けるが, 原則として金曜日午後が望ましい.
備考 「事前学習・事後学習」に関する学習時間は目安です.

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