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数学研究2

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令和元年度以前入学者 数学研究2
教員名 山浦義彦
単位数    4 学年    4 開講区分 文理学部
科目群 数学科
学期 後期 履修区分 必修
授業の形態 ①zoom による同時双方向型授業


Blackboard のコース ID :
20203176 : 2020数学研究2(山浦義彦・後・水1)
授業概要 2年間の集大成として, 極限について深く追究する. 特に無限級数や積分といった,
無限の対象について和をとることについて, 様々な視点から考察をする.
授業のねらい・到達目標 【授業のねらい】これまで勉強してきたことをより推し進め極限について深く理解することが
ねらいである. さらに, 卒業論文という形で自分の考察した考えをわかりやすく伝える能力の
育成も重要なねらいの一つである.
【到達目標】実数の連続性の定義を意識しながら, 微積に関する諸定理を理解する.
イプシロン-デルタ論法に頼ることなく, 直観的にしかし論理的に極限を理解し,
諸定理を直観に基づいた論理的証明によって理解することが目標である.
この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP1, DP3, DP4, DP6 及びカリキュラムポリシーCP7, CP9に対応している。

なお,新カリキュラム(令和2年度以降入学者対象)では,この科目は文理学部(学士(数学))のディプロマポリシー DP1~8 及びカリキュラムポリシー CP1~8に対応している。
・学修から得られた豊かな知識と教養に基づいて、自己の高い倫理感を数理科学が直面する課題に適切に適用することができる(A-1-4).
・世界諸国の歴史、経済、文化、政治などの背景を理解し、国際社会が直面している問題を数理科学的に解決する方法を提案することができる(A-2-4).
・ 直面する課題に対して既存の知識にとらわれず、数理科学的根拠に基づいた論理的・批判的な態度で物事の本質を捉えることができる(A-3-4).
・日常生活における現象に潜む数理科学的問題を発見し、専門的知識に加えて独自性を持って、解決することができる(A-4-4).
・ 与えられたどのような問題に対しても、あきらめずに、それを解決するために仲間と共に必要な情報を数理科学的に収集・分析して用いることができる (A-5-4).
・多種多様な背景を持つ人々の説明の趣旨を理解し、数理科学の専門的知識と魅力を分かりやすく提供することができる (A-6-4).
・ 様々な集団活動において、専門的知識を活かしつつ、自分の役割分担を理解し、他者と協働して作業をすることができる(A-7-4).
・ 学修活動に関する自己分析の他、他者からの評価を謙虚に受け止め、今後の学修活動に生かすことができる (A-8-4).
授業の方法 少人数のセミナー形式の講義である.
受講学生は, 指定教科書を分担して, 熟読し, 数学的内容を理解した上で,
輪講形式でホワイトボードを使って口頭発表する.
その際に, 発表方法や数学的内容の補足についてのアドバイスを細かく行う.
卒業論文作成のための TeX の指導も随時行う.
履修条件 数学科の内規によります。 対象者はゼミに所属するものに限ります。
授業計画
1 実数論から出発する極限の考え方 1 --- イプシロンデルタ論法を使わない極限の議論を学ぶ(A-5).
発表や演習問題を解く能力を高める(A-3, A-4)
発表やゼミに取り組む事前事後の準備を行うこと(A-5)
【事前学習】上限の考え方を復習しておくこと(A-8). (4時間)
【事後学習】上に有界な単調増加数列が収束する原理を理解すること(A-3). (4時間)
2 実数論から出発する極限の考え方 2--- はさみうち原理の理解を学ぶ(A-5).
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】通常のはさみうち原理を復習しておくこと(A-8). (4時間)
【事後学習】最適はさみうち原理を理解すること. (4時間)
3 実数論から出発する極限の考え方 3 --- 極限移行について学ぶ.
発表や演習問題を解く能力を高める(A-3, A-4)
発表やゼミに取り組む事前事後の準備を行うこと(A-5)
【事前学習】高等学校での極限移行の議論を復習すること(A-8). (4時間)
【事後学習】極限移行における等号の扱いを理解すること(A-3). (4時間)
4 実数論から出発する極限の考え方 4 --- 極限の線形性の証明を学ぶ.
グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7).
【事前学習】高等学校の教科書での極限の線形性の扱いを復習すること. (4時間)
【事後学習】最適はさみうちによってどのように証明されるか理解すること(A-3). (4時間)
5 卒業研究 --- 発表内容とその発展的内容の理解と発表 1
グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7).
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】数列の極限をはさみうちで説明することの意義を復習すること(A-8). (4時間)
【事後学習】関数の極限の場合にはさみうちがどのように適用されるのか理解すること. ゼミメンバー内で第1回から第5回までの内容を議論する (A-6, A-7 リーダーシップ). (4時間)
6 卒業研究 --- 発表内容の発展 : 無限級数の収束発散判定法の証明の理解 1
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
【事前学習】計算可能な無限級数の例を考えておくこと(A-8). (4時間)
【事後学習】無限級数には収束するものと発散するものがあることを理解すること(A-5). (4時間)
7 卒業研究 --- 発表内容の発展 : 無限級数の収束発散判定法の証明の理解 2
グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7).
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】収束する無限級数と発散する無限級数の例を考えておくこと(A-8). (4時間)
【事後学習】収束を判定する方法がいくつかあることを理解すること(A-4). (4時間)
8 卒業研究 --- 発表内容の発展 : 無限級数の収束発散判定法の証明の理解 3
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
【事前学習】収束判定法を思い出しておくこと(A-8). (4時間)
【事後学習】収束判定法の原理は無限等比級数の議論であることに気づくこと(A-3). (4時間)
9 卒業研究 --- リーマン積分可能性と原始関数の存在の関係性の理解 1
グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7).
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】リーマン積分の定義を思い出しておくこと(A-8). (4時間)
【事後学習】原始関数の存在とリーマン積分可能性は無関係であることを理解すること(A-5). (4時間)
10 卒業研究 --- リーマン積分可能性と原始関数の存在の関係性の理解 2
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】原始関数が存在しない関数の例を復習すること(A-8). (4時間)
【事後学習】様々な反例を理解しておくこと. ゼミメンバー内で第6回から第10回までの内容を議論する (A-6, A-7 リーダーシップ). (4時間)
11 卒業研究 --- リーマン積分可能性と原始関数の存在の関係性の理解 3
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】ベン図を使って, 原始関数の存在の有無とリーマン積分可能性 の相関関係を理解すること(A-3). (3時間)
【事後学習】連続性を仮定すると様々な性質を証明できる. 証明まで込めてこのことを理解すること(A-3). 本講義で自分が発表した内容を TeX で論文として作成し, 全体総括を行う(A-3, A-4, A-5, A-8). (5時間)
12 卒業研究 --- リーマン積分可能性と不連続性の関係性の理解 1
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
【事前学習】リーマン積分の定義をもう一度復習しておくこと(A-8). (4時間)
【事後学習】リーマン積分可能性から有界性を導けることを理解すること. 本講義で自分が発表した内容を TeX で論文として作成し, 全体総括を行う(A-3, A-4, A-5, A-8). (4時間)
13 卒業研究 --- リーマン積分可能性と不連続性の関係性の理解 2
過去の卒業論文を読んで参考にすること(A-1)
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
【事前学習】リーマン積分可能性から有界性がどのように導けるのかを復習すること(A-8). (3時間)
【事後学習】1点のみで不連続な関数はリーマン積分可能であることを理解すること(A-5). 本講義で自分が発表した内容を TeX で論文として作成し, 全体総括を行う(A-3, A-4, A-5, A-8). (5時間)
14 卒業研究 --- リーマン積分可能性と不連続性の関係性の理解 3
過去の卒業論文を読んで参考にすること(A-1)
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
【事前学習】1点でのみ不連続な関数がリーマン積分可能であることの証明を復習すること(A-8). (3時間)
【事後学習】不連続な点が複数あっても, リーマン積分可能性には影響を与えないことを理解すること. 本講義で自分が発表した内容を TeX で論文として作成し, 全体総括を行う(A-3, A-4, A-5, A-8). (5時間)
15 卒業研究 --- リーマン積分可能性と不連続性の関係性の理解 4
過去の卒業論文を読んで参考にすること(A-1)
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
【事前学習】リーマン積分がある程度の不連続性を許容する考え方であることを復習しておくこと. (3時間)
【事後学習】ルベーグ積分への導入を理解すること. 本講義で自分が発表した内容を TeX で論文として作成し, 全体総括を行う(A-3, A-4, A-5, A-8). (5時間)
その他
教科書 山浦義彦 『ゼミテキスト「微分積分学」』 簡易製本 2018年 第1版
前年度に購入していただいた自作テキスト(簡易製本)をもとにゼミを勧めます.
新たに購入する教科書はありません.
参考書 杉浦光夫 『解析入門 (基礎数学)』 東京大学出版会 1979年 第2版
長岡亮介 『数学の二つの心』 日本評論社
長岡亮介 『関数とは何か』 近代科学社
卒論作成では, 特にこの参考書を使いますので, 必ず購入しておいてください.
成績評価の方法及び基準 授業参画度(100%)
A. 授業参画度は具体的に以下の項目を評価する:
・ゼミ内での発表(主として模擬授業)を「準備状況,分かりやすさ,内容の正確さ」の視点から評価する。
・ゼミ内での質問を「頻度,的確さ, 模擬授業への参加度」の視点から評価する。
・発表のためのプリント作成能力, および, 板書記述能力を評価する。
・数学的な原理の説明をわかりやすく他人に伝える能力を評価する。
・発表内容に対する具体的な発問能力及びそれに対する他者との問答, および解答を与える能力を評価する。
・事後学習(TeX による講義ノート, プリント作成)の進捗状況を評価する。

B.卒業論文作成に向けて以下の項目を授業参画度として評価を行い, 総合評価をします.
●1. 卒論内容についての考察の口頭発表
内容の理解度に応じて評価をします. テキストに書いてある内容だけでなく,
自ら進んだ内容の勉強して学び取ろうという姿勢を評価します.
●2. 卒業論文の完成度
TeX によって卒業論文を作成していただきます.
いかにTeX を駆使し, 工夫してわかりやすく表記することができたかという
観点で評価を与えます.

能力(A-1)から(A-8)の習熟度については、別途配布のチェック項目により評価する。
オフィスアワー 事前に連絡をしてもらえれば, 常時受け付けるが, 原則として金曜日午後が望ましい.
備考 「事前学習・事後学習」に関する学習時間は目安です.

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