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近現代文学特殊講義1

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令和2年度入学者 近現代文学特殊講義1
令和元年度以前入学者 近代文学特殊講義1
教員名 久米依子
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
科目群 国文学専攻
学期 前期 履修区分 選択必修
授業の形態 課題研究とオンライン型授業を組み合わせて行う。詳細は第1回の授業で提示する。
授業概要 川端康成文学の表現を考える。川端康成は、初期に斬新な表現で注目を集めたのち、〈日本的〉な世界を展開したと考えられている。時代の最先端の表現者が、古来の〈日本的〉な表現を担う作家と見なされるようなったのはなぜなのか。川端文学が描く風景、女性像、性愛観などにその要因を求めることができるだろう。川端文学の様式を問い、物語に書きこまれた特色ある要素から、日本近代文学の代表格となった川端文学のはらむ問題性を考え、読解の方法を追究することを目標とする。受講者の読みも確認しながら、テクストにアプローチする。
授業のねらい・到達目標 川端康成の初期の表現を確認し、その新しさと古典性を理解できるようにする。
川端文学の〈日本的〉な表現とは何かを説明できるようにする。
川端文学が描く諸要素の特色と、その描かれ方の特色について指摘できるようにする。
川端文学の問題性を理解し、読解方法を身に付ける。
授業の方法 作家と同時代状況を確認しながら、テクスト内の多様な要素を確認していく。受講生の意見も重視する。
毎回の授業前に、必ず扱う範囲のテクストを読んでおくこと。授業後は授業で知り得た情報、考えた見解をまとめ、レポート作成の準備を進める。
本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。
授業計画
1 ガイダンス。大正末~昭和文学の概説
【事前学習】昭和文学に関する知識を確認しておく (2時間)
【事後学習】昭和文学の流れを理解する (2時間)
2 作家とテクストの情報
【事前学習】川端康成の知識を整理しておく (2時間)
【事後学習】先行論などを調べる (2時間)
3 「禽獣」を読む 死と象徴
【事前学習】「禽獣」の問題点を考えておく (2時間)
【事後学習】「禽獣」の象徴性を理解する (2時間)
4 「禽獣」を読む 女性と動物
【事前学習】「禽獣」の女性像の特色を理解する (2時間)
【事後学習】「禽獣」の動物の比喩を考える (2時間)
5 「眠れる美女」を読む 老いと性
【事前学習】作品のストーリーを理解しておく (2時間)
【事後学習】作品の謎をあげておく (2時間)
6 「眠れる美女」を読む 女性・生・死
【事前学習】作品の女性像を分析しておく (2時間)
【事後学習】女性像と死の問題を考える (2時間)
7 「眠れる美女」を読む 男性の罪と罰
【事前学習】主人公の問題点を考える (2時間)
【事後学習】作品のメッセージをまとめる (2時間)
8 「雪国」を読む 異郷としての雪国
【事前学習】「雪国」表現の特色を考える (2時間)
【事後学習】「雪国」の女性像の特色を考えておく (2時間)
9 「雪国」を読む 複数の恋の関係
【事前学習】作中の人間関係を整理しておく (2時間)
【事後学習】作中の女性と男性の差異を考える (2時間)
10 「雪国」を読む 徒労の生
【事前学習】作中の生に関する見解を理解しておく (2時間)
【事後学習】作中の生に関する見解の問題点を考える (2時間)
11 「雪国」を読む 生と死の関係
【事前学習】作中の死の表象を確認する (2時間)
【事後学習】作中の死の問題点を考える (2時間)
12 「雪国」を読む 閉ざされた環境
【事前学習】「雪国」であることの意味を考える (2時間)
【事後学習】「雪国」の象徴性を整理する (2時間)
13 「雪国」を読む 結末の意味
【事前学習】結末のはらむ問題を考えておく (2時間)
【事後学習】結末のメッセージを読み解く (2時間)
14 川端文学と女性像・男性像について
【事前学習】川端文学の女性像・男性像の特色をまとめる (2時間)
【事後学習】レポート提出の準備をする (2時間)
15 川端文学の問題点を確認
【事前学習】川端文学に関する問題点を整理する (2時間)
【事後学習】レポートの反省点を確認する (2時間)
その他
教科書 川端康成 『眠れる美女 (新潮文庫)』 新潮社
川端康成 『雪国 (新潮文庫)』 新潮社
参考書 授業中に適宜指示する
成績評価の方法及び基準 レポート(50%)、授業参画度(50%)
授業参画度は,アンケートや課題提出で評価します。
オフィスアワー 水曜4限、木曜3限 7号館4階久米研究室

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