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心理学研究法特論

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令和2年度入学者 心理学研究法特論
令和元年度以前入学者 心理学研究法特論
教員名 望月正哉
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
科目群 心理学専攻
学期 前期 履修区分 選択必修
授業の形態 オンデマンド型(1回)とオンライン型(10回),課題研究(4回)の形態を組み合わせる。
授業概要 【臨床心理士選択必修科目A群】
再現可能性問題に端を発する「心理学の危機」から,心理学を科学的研究の俎上に乗せるために必要なポイントを再確認し,自身の研究計画への適用および実践を目指す。
授業のねらい・到達目標 近年,再現可能性問題から始まった研究手法改革の議論は,一部の研究領域だけに当てはまる問題ではなく,心理学全般に当てはまるものである。加えて研究手法の多様化に伴い,その包括的な理解が難しくもなってきている。本授業では,再現可能性問題やその周辺では何が問題とされているのか,そして多様化した研究手法にはどういった利点や未解決点があるのかを知ることができるようにする。そのうえで,自身の研究計画を見直し,より妥当な手法を選択できるようになる。
授業の方法 前半では「心理学の危機」で問題とされる内容,そして統計法を中心に多様化する研究法の諸相に関する講義や文献の輪読を行う。そのうえで,後半では自身の研究計画を発表したうえで,議論を通じてその改善を図る。なお,本授業の事前・事後学習は,それぞれ2時間程度を目安とするが,テーマや授業中の作業により,それよりも多い時間が必要となることがある。
オンデマンド型の授業では資料を読むとともに,与えられた指示に従い,小課題を実施する。オンライン型授業では,学生が作成した発表資料を読み,質問を考え,授業時間に議論を行う。課題研究は,オンライン授業での議論を踏まえ,研究計画を修正することを求める。
初回資料の配布はBlackboardを利用するが,それ以降の実施はSlackを用いる(受講者は初回配布の資料をよく読み,Slackの設定を行う)。
課題の提出方法、フィードバック方法等については、授業開始時に提示する。
履修条件 授業で取り上げるトピックは心理学の基本的な研究手法とその実践を理解していることを前提にしている。出身学部が心理学専攻以外の学生や特に実験的研究法による研究の経験がない学生は,該当する学部授業の受講や入門的な教科書を読むことで補習することを強く推奨する。
授業計画
1 授業テーマや到達目標及び授業方法の説明(オンデマンド型)
【事前学習】自身の研究計画を準備する (2時間)
【事後学習】提示された資料を参照し,自身の研究計画で不足している部分を確認する (2時間)
2 研究計画の発表(課題研究)
【事前学習】研究計画を発表できるよう資料をまとめる (3時間)
【事後学習】提示された資料を参照し,質問内容を考える (1時間)
3 研究計画の議論(オンライン型)
【事前学習】提示された資料を参照し,質問内容を考える (3時間)
【事後学習】提示された質問に対して回答できなかったものに関連する文献を探す (1時間)
4 文献の報告と討議(心理学の危機)(オンライン型)
【事前学習】発表担当者は選択した章をまとめ,発表日までに共有しておく (3時間)
【事後学習】指摘された内容を踏まえ,もう一度文献を読み直す (1時間)
5 文献の報告と討議(疑わしい研究実践)(オンライン型)
【事前学習】発表担当者は選択した章をまとめ,発表日までに共有しておく (3時間)
【事後学習】指摘された内容を踏まえ,もう一度文献を読み直す (1時間)
6 文献の報告と討議(危機に陥る理由)(オンライン型)
【事前学習】発表担当者は選択した章をまとめ,発表日までに共有しておく (3時間)
【事後学習】指摘された内容を踏まえ,もう一度文献を読み直す (1時間)
7 文献の報告と討議(データ共有の重要性)(オンライン型)
【事前学習】発表担当者は選択した章をまとめ,発表日までに共有しておく (3時間)
【事後学習】指摘された内容を踏まえ,もう一度文献を読み直す (1時間)
8 文献の報告と討議(危機に対する対抗策)(オンライン型)
【事前学習】発表担当者は選択した章をまとめ,発表日までに共有しておく (2時間)
【事後学習】指摘された内容を踏まえ,もう一度文献を読み直す (2時間)
9 研究計画の発表と討議:文献研究の精査(オンライン型)
【事前学習】発表担当者は以前の指摘踏まえ,発表日までに研究計画を共有しておく (2時間)
【事後学習】発表者は受講者のコメントをもとに研究計画を修正する (2時間)
10 研究計画の発表と討議:使用素材の妥当性(オンライン型)
【事前学習】発表担当者は以前の指摘踏まえ,発表日までに研究計画を共有しておく (2時間)
【事後学習】発表者は受講者のコメントをもとに研究計画を修正する (2時間)
11 研究計画の発表と討議:サンプルサイズ設計(オンライン型)
【事前学習】発表担当者は以前の指摘踏まえ,発表日までに研究計画を共有しておく (2時間)
【事後学習】発表者は受講者のコメントをもとに研究計画を修正する (2時間)
12 研究計画の発表と討議:仮説の妥当性(オンライン型)
【事前学習】発表担当者は以前の指摘踏まえ,発表日までに研究計画を共有しておく (2時間)
【事後学習】発表者は受講者のコメントをもとに研究計画を修正する (2時間)
13 研究計画の発表と討議:分析手法の妥当性(オンライン型)
【事前学習】発表担当者は以前の指摘踏まえ,発表日までに研究計画を共有しておく (2時間)
【事後学習】発表者は受講者のコメントをもとに研究計画を修正する (2時間)
14 研究計画の再検討(課題研究)
【事前学習】これまで指摘された問題点のなかで,特に改善すべき点をまとめる。 (1時間)
【事後学習】問題の解決につながる文献を探し,どの手法が妥当か検討する。 (3時間)
15 研究計画の修正(課題研究)
【事前学習】研究計画全体を見直す,修正案を踏まえて書き直す点をリスト化する。 (1時間)
【事後学習】修正した計画全体を見直し,文章として破綻していないか確認したうえで提出する。 (3時間)
その他
教科書 Chris Chambers, The Seven Deadly Sins of Psychology: A Manifesto for Reforming the Culture of Scientific Practice, Princeton University Press, 2017, 1 edition
参考書に挙げたは教科書の日本語版である。英書講読が極めて苦手な学生は参考として購入することを勧める。
参考書 クリス・チェインバーズ 『心理学の7つの大罪――真の科学であるために私たちがすべきこと』 みすず書房 2019年 第1版
成績評価の方法及び基準 レポート(60%)、授業参画度(40%)
レポートは文献報告と自身の研究計画(初回提出,2回目提出,修正を加えた最終報告)を評価する。授業参画度は3回目以降に行うオンライン授業での討議への関与度に基づいて評価する。
オフィスアワー 金曜5限 本館4階心理学科研究室403(04500)。それ以外では初回授業で連絡先を伝える。

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