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心の健康

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令和2年度以降入学者 心の健康
令和元年度以前入学者 健康の科学3
教員名 須永範明
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 後期 履修区分 選択
授業の形態 オンデマンド型授業(Blackboardを介して事前に配信される講義資料を読み、PowerPointで録画された授業動画を視聴したうえで、事前学習課題に取り組む。授業時間には授業内小テストに取り組む。なお、試験は定期試験期間に対面で実施する予定である-「成績評価の方法及び基準」を参照。)

Blackboard ID: 20210228
授業概要 本授業のテーマは「心の健康」である。現代に生きる私たちの「心の健康」の現状、「心の健康」におけるさまざまな問題、問題に対する効果的な取り組むについて講義する。本授業では、「心の健康」をウェルビーイング(well-being=よい状態)の観点から捉える。ウェルビーイングは、「幸福」や「健康」を含んだ大きな概念である。つまり、健康であり幸福であるという「よい状態」に至り、それを持続するにはどういう事柄が大切か解説する。本授業の内容の多くは、ポジティブ心理学の領域で行なわれた実証的な研究の成果に基づいており、データに裏付けられている。
授業のねらい・到達目標 本授業のねらいは、心理的健康とウェルビーイング(well-being=よい状態)について学ぶことであり、社会人となった後も永く健康を保ち、自分らしく人生を送る一助とすることである。

到達目標は、①心理的健康とウェルビーイングに関わる現代社会の特徴について簡潔に述べることができること、②心理的健康とウェルビーイングが脅かされる状況について簡潔に述べることができること、③心理的健康とウェルビーイングを高める方法をいくつか述べることができることである。

この科目は、文理学部のディプロマポリシーDP3~DP5及びカリキュラムポリシーCP3~CP5に対応している。
・仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる(A-3-1)。
・事象を注意深く観察して,解決すべき問題を認識できる(A-4-1)。
・新しいことに挑戦する気持ちを持つことができる(A-5-1)。
授業の方法 【講義】
本授業では反転授業を行なう。すなわち、授業内容の学習はひとりひとりの受講生が主体的に行ない、授業では質疑応答と、理解度を確認する小テストを行なう。授業で用いる資料とPowerPointで作成した授業動画を事前にBlackboardに掲載する。資料をダウンロードして読み、授業動画を視聴すること。毎回の授業時に授業内小テストをBlackboard経由で実施し、学習内容の理解度を自己確認する。授業内小テストの達成度はBlackboard上で即座にフィールドバックされる。なお、授業で学ぶウェルビーイング改善方法を日常生活の中で実践する課題が3つある。この課題は、ウェルビーイング改善方法をやってみるという体験が目的であり、上手くできるかどうかは問わない。
履修条件 履修希望者が多い場合は、抽選を行なうことがある。
授業計画
1 オリエンテーション
本授業の概要、ねらい・到達目標、授業の方法、成績評価の方法等について理解する。
「心の健康」とウェルビーイングという概念について学ぶ。(A-3)
【事前学習】シラバスを事前に読み、授業内容を確認すること。第1回授業資料をBlackboardよりダウンロードし、「健康」および「心の健康」という概念について理解しておくこと。 (2時間)
【事後学習】第1回授業資料とノートに基づいて、ウェルビーイング(well-being=よい状態)と「心の健康」について復習すること。 (1時間)
2 現代社会と心理的健康
「心の健康」という観点から現代社会の実像を解説する。(A-3, A-4)
【事前学習】第2回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、心の健康という観点から見た現代社会について考えること。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第2回授業資料とノートに基づいて、現代社会の特徴と心理的健康との関連を復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。 (1時間)
3 ストレスとは何か
ストレスという概念がなにを指しているのか解説する。(A-3)
【事前学習】第3回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、ストレスに対する考え方について理解に努めること。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第3回授業資料とノートに基づいてストレスに関わる諸概念を復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。 (1時間)
4 ストレスのしくみ
ストレスの認知的評価理論に基づき、ストレス過程と、それを構成する「認知的評価」と「対処」について解説する。(A-4)
【事前学習】第4回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、ストレス過程がどういうものと考えられているか理解に努めること。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第4回授業資料とノートに基づいて、「認知的評価」と関連する要因、「対処」とその種類を「復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。 (1時間)
5 青年期のリスク(1) 従来の青年期観とその根拠
西洋社会で青年期がどのような時期とみなされてきたか解説する。また、その見方が妥当かどうか、実証的研究に基づいて考える。(A-3)
【事前学習】第5回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、青年期についてどのように考えられてきたか理解に努めること。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第5回授業資料とノートに基づいて、従来の青年期観とそれを裏付ける研究について復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。 (1時間)
6 青年期のリスク(2) 脳神経科学の青年期研究と新しい青年期観
最新の脳科学研究の成果に基づいて、青年期の脳神経系の特徴と、それが青年の行動傾向とどのように関連するか解説する。あわせて、青年期の見方が変わりつつあることも述べる。(A-3)
【事前学習】第6回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、脳科学研究から明らかになりつつある青年期の姿について理解に努める。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第6回授業資料とノートに基づいて、最近の脳神経科学研究の成果と新たな青年期観について復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。 (2時間)
7 Well-beingを高める(1):「意志力」を鍛える
衝動を上手に抑えて、本来自分が望んでいた方向に自分を向かわせるための方法をいくつか解説する。(A-3, A-4, A-5)
【事前学習】第7回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、衝動の抑え方について理解に努めること。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第7回授業資料とノートに基づいて、「意志力」を高める方法について復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。また、課題1が始まるのでそれに取り組む。 (3時間)
8 働くこととストレス
働くことに関連して経験するストレスについて解説する。(A-3)
【事前学習】第8回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、働くこととストレスの関わりについて理解に努めること。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第8回授業資料とノートに基づいて、働くことに関わるストレスについて復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。また、引き続き課題1に取り組む。 (3時間)
9 成人期のリスクとその対処
働くことに関するストレスに有効な対処を解説する。(A-3, A-4)
【事前学習】第9回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、働くことに伴うストレスにどう取り組むとよいか理解に努めること。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第9回授業資料とノートに基づいて、成人期のストレスへの対処について復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。 (2時間)
10 Well-beingを高める(2):well-beingに関わる要因-経済的要因
ウェルビーイングを高める(あるいは低下させる)ことが実証的研究で明らかにされている要因について、経済的な要因を中心に解説する。(A-3)
【事前学習】第10回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、どのような経済的要因がウェルビーイングに関わるのか理解に努めること。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第10回授業資料とノートに基づいて、ウェルビーイングと関係する経済的要因を復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。 (2時間)
11 Well-beingを高める(3):well-beingに関わる要因-個人の要因
ウェルビーイングを高める(あるいは低下させる)ことが実証的研究で明らかにされている要因について、個人に関わる要因を中心に解説する。(A-3)
【事前学習】第11回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、どのような個人の側面がウェルビーイングに関わるのか理解に努めること。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第11回授業資料とノートに基づいて、ウェルビーイングと関係する個人の側面について復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。 (2時間)
12 Well-beingを高める(4):「今日のよい出来事」など
ウェルビーイングを高める行動として、「今日のよい出来事」等を解説する。(A-3, A-4, A-5)
【事前学習】第12回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、「今日のよい出来事」などの技法について理解に努めること。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第12回授業資料とノートに基づいて、「今日のよい出来事」について復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。また、課題2が始まるのでそれに取り組む。 (3時間)
13 Well-beingを高める(5):感謝、親切など
ウェルビーイングを高める行動として、「感謝」、「親切」等を解説する。(A-3, A-4, A-5)
【事前学習】第13回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、「感謝」と「親切」について理解に努めること。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第13回授業資料とノートに基づいて、感謝の気持ちを表わすことと親切にすることについて復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。引き続き課題2に取り組む。 (3時間)
14 Well-beingを高める(6):ストレスの神話と取り組みの注意点
一般の人々がストレスに抱いている誤解と、ストレスに取り組む際に気をつけるべき事柄を解説する。(A-3, A-4, A-5)
【事前学習】第14回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、ストレスの誤解と取り組みの注意点について理解に努めること。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第14回授業資料とノートに基づいてストレスに関する誤解と取り組むときの注意点を復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。課題3が始まるのでそれに取り組む。 (3時間)
15 Well-beingを高める(7):認知的再構成
ウェルビーイングを高める方法として、認知的再構成という技法について解説する。(A-3, A-4, A-5)
【事前学習】第15回授業資料をBlackboardからダウンロードして読み、認知的再構成について理解に努めること。疑問点や理解の及ばない点を特定すること。 (2時間)
【事後学習】第15回授業資料とノートに基づいて、認知的再構成を復習すること。特に、疑問点と理解の及ばない点が解消されたか確認すること。 (2時間)
その他
教科書 教科書は使用しない。授業で用いる資料はBlackboardに事前に掲載する。
参考書 マーティン・セリグマン(著) 宇野カオリ(監訳) 『ポジティブ心理学の挑戦 “幸福”から“持続的幸福”へ』 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2014年 第1版
ケリー・マクゴニガル(著) 神崎朗子(訳) 『スタンフォードの自分を変える教室』 大和書房 2012年 第1版
大石繁宏 『幸せを科学する-心理学からわかったこと』 新曜社 2009年 第1版
アンダース・ハンセン(著) 御船由美子(訳) 『一流の頭脳』 サンマーク出版 2018年 第1版
このほか、Blackboardに掲載する資料の中で適宜、参考文献を示す。
成績評価の方法及び基準 試験(50%)、授業内テスト:理解度を自己確認するために毎回の授業時に実施する小テスト(30%)、ウェルビーイング改善方法を日常生活の中で実践する課題(3課題)(20%)
 試験では、授業内容の理解度を評価する。試験は定期試験期間に対面で実施する予定である。対面で受験できない学生には、Blackboard上で同じ日時にオンラインで試験を実施する。オンライン実施では参照不可を担保できないため、出題する問題数を対面実施より1.5から2倍に増やす予定である(試験時間は対面の場合と同じ)。ウェルビーイング改善方法を日常生活の中で実践する課題では、課題を行なったことをBlackboard上で報告していただく。ウェルビーイング改善方法を体験することが評価基準であるので、報告をすれば評価基準を満たす。なお、成績評価の対象となるためには15回の授業回のうち3分の2以上に参加する必要がある。授業内小テストに解答すると、授業に参加したと判断する。
 試験においてA-3、A-4の達成度を評価する。3つの課題の実行をもってA-5の達成と判断する。
オフィスアワー 質問等はメールで問い合わせるか、Blackboard 上の掲示板に投稿していただきたい。
備考 心理学に関する科目を事前に履修していることが望ましい。

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