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宗教史4

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令和2年度以降入学者 宗教史4
令和元年度以前入学者 宗教史4
教員名 舘野正美
単位数    2 学年 1・2 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 哲学科
学期 後期 履修区分 選択必修
授業の形態 講義形式
オンデマンド型授業
Blackboard コースID:20211176
授業概要 中国における宗教史は、所謂「三教交渉史」、即わち「儒教」「道教」「(中国)仏教」の3つの宗教の複雑な影響関係である。この「三教」は、それぞれ「儒教」:〈天〉、「道教」:〈道〉、「仏教」:〈法〉という基本概念のもとに宗教哲学的理論を展開する。ここでは、その1つである「道教」の宗教思想の根底を流れる〈道〉の思想内容を勉強する。先ずその基盤となる〈道〉を明確に捉えることが要訣であると考えられるからである。
そこで更に具体的には、時代が下るにつれて神格化される人物である老子と荘子の言葉を読み解き、そこに流れる深い人間理解の実際を見て行くことを通じて、その〈道〉について理解を深めてゆく。
 なお、病院勤務や厚生労働省の倫理委員をしている/していた経験から得た、病を持つ人々やそれを取り巻く人々が持つ”生”と”死”についての宗教的意識についても言及し、現実的な論究を進めたい。
授業のねらい・到達目標 老子と荘子の哲学的思惟を読み解き、人間の真のあり方や生き方について理解し実践出来るようにすることを目指してゆく。

この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP1,2及びカリキュラムポリシーCP1,2に対応しています。
〇真・善・美・聖の探求から得られた知識と教養に基づいて、人間と社会の倫理的な課題を理解し、説明することができる。(A-1-2)
〇思想・芸術・宗教の観点から、世界の現状を、その歴史的背景とともに理解することができる。(A-2-2)
授業の方法 授業の形式:【講義】

・教科書『老荘の思想を読む』における各回の授業予定個所をよく読み、予習する。課題レポート提出の日の授業(第7回・第14回・第15回)では、それまでに学んだ内容をレポートとして400字前後(350字-450字)にまとめることが要請されるので、十分に準備しておくこと(事前学習)。
・授業当日の当該時限、つまり土曜2限(少し余裕を持って10:00-13:00)に、ブラックボードを通じて概括的な講義内容の映像資料を入手し、教科書に沿ってそれを視聴し学習する。
・課題レポート提出日(この日は、ブラックボードの「課題」から授業の資料をダウンロードすること)は、授業(レポートのテーマを提示し、その要点を説明する形式での復習の授業)を踏まえて、予め準備されたレポートに手を加え、PDFファイルで、ブラックボードを通じて提出する。当該授業日の午後2時までに送付すること(2:00までは認めます、2:01以降は認められません、時間厳守も重要なレポートの内容の1つです、肝に銘じて下さい)。遅れた者は不合格・欠席とする。
・通常の授業日は、レポートをまとめるポイントを示すので、レポートをまとめる準備としての復習をすること。また、送付されたレポートについては総括的な講評を次回以降の授業において言及する。見直しをしておくこと(事後学習)。
授業計画
1 ガイダンス 授業の内容や方法について説明する
【事前学習】シラバスを読んでおくこと (2時間)
【事後学習】次回に備えて、本日の講義を確認しておくこと (2時間)
2 老子の思想背景
【事前学習】老子の思想背景について予習しておくこと(『老荘の思想を読む』pp.9-19) (3時間)
【事後学習】老子の思想背景について復習すること (1時間)
3 老子における相対観
【事前学習】老子における相対観について予習しておくこと(『老荘の思想を読む』pp.20-27) (3時間)
【事後学習】老子における相対観について復習すること (1時間)
4 老子の無為
【事前学習】老子の無為について予習しておくこと(『老荘の思想を読む』pp.28-40、更に pp.68-86 も参照のこと ) (3時間)
【事後学習】老子の無為について復習すること (1時間)
5 老子の〈道〉
【事前学習】老子の〈道〉について予習しておくこと(『老荘の思想を読む』pp.41-59) (3時間)
【事後学習】老子の〈道〉について復習すること (1時間)
6 老子の〈徳〉
【事前学習】老子の〈徳〉について予習しておくこと(『老荘の思想を読む』p.59の後ろから2行目--p.67) (3時間)
【事後学習】老子の〈徳〉について復習すること (1時間)
7 老子の思想―まとめ 【レポート(課題)提出日】
ブラックボードの「課題」から資料をダウンロードすること。
【事前学習】前回までの内容をよく勉強しておくこと (2時間)
【事後学習】今回の内容をよく復習すること (2時間)
8 荘子の思想背景
【事前学習】荘子の思想背景について予習しておくこと(『老荘の思想を読む』pp.93-96) (3時間)
【事後学習】荘子の思想背景について復習しておくこと (1時間)
9 荘子における相対観について
【事前学習】荘子における相対観について予習しておくこと(『老荘の思想を読む』pp.97-103) (3時間)
【事後学習】荘子における相対観について復習すること (1時間)
10 荘子の〈万物斉同〉
【事前学習】荘子の〈万物斉同〉について予習しておくこと(『老荘の思想を読む』p.103の後ろから5行目--p.124) (3時間)
【事後学習】荘子の〈万物斉同〉について復習すること (1時間)
11 荘子の〈胡蝶の夢〉
【事前学習】荘子の〈胡蝶の夢〉について予習しておくこと(『老荘の思想を読む』pp.185-206) (3時間)
【事後学習】荘子の〈胡蝶の夢〉について復習すること (1時間)
12 荘子の〈渾沌〉神話
【事前学習】荘子の〈渾沌〉神話について予習しておくこと(『老荘の思想を読む』pp.207-218) (3時間)
【事後学習】荘子の〈渾沌〉神話について復習すること (1時間)
13 荘子の弟子たち
【事前学習】荘子の弟子たちの思想について予習しておくこと(『老荘の思想を読む』pp.160-168、ただ全体としては、pp.132-168) (3時間)
【事後学習】荘子の弟子たちの思想についてよく復習すること (1時間)
14 荘子の思想―まとめ【レポート(課題)提出日】
ブラックボードの「課題」から資料をダウンロードすること。
【事前学習】前回までの内容(荘子)をよく勉強しておくこと (3時間)
【事後学習】今回、学習した内容を整理しておくこと (3時間)
15 老荘思想の概観―これまでの復習と解説【レポート(課題)提出日】
ブラックボードの「課題」から資料をダウンロードすること。
【事前学習】これまでの内容全体をよく勉強しておくこと (1時間)
【事後学習】これまで学んだ内容を振り返り、老子と荘子の思想についての自分の理解が深まり、人間の心と身体についての洞察ができたかどうか反省すること (1時間)
その他
教科書 舘野正美 『老荘の思想を読む (あじあブックス61)』 大修館 2016年 第3版
参考書 舘野正美 『中国古代思想窺見』 汲古書院 2008年 第1版
成績評価の方法及び基準 レポート:100(100%)
【レポート(課題)】について
 教科書に沿って勉強した内容を、自分の言葉で400字前後(350字-450字)にまとめて下さい。
的確にまとめられた、内容の充実したレポートは言うまでもなく、いささか内容に不十分な点はあるものの、教科書を読み込み、授業の内容をよく視聴し、真摯に頑張ったことが窺えるものも十分に評価する。反対に、教科書の丸写し、ウェブサイトのコピペ、更には全く個人的な見解等は、真摯な態度とは言えません。残念ながら、そのレポートは「不合格」です。
 なおまた、「自分の言葉」というのは、ただ単に教科書の文言をまとめて書き写すのでなく、その内容を的確に理解して、正しく他人に説明できるような言葉である。例えば、「天網恢恢、疏にして漏らさず」という言葉を私(=舘野)の言葉で言えば(説明すれば)、「悪いことをして、見つからないと思っていても、必ず見つかる」となります。
 従って、2つとして同じレポートはないはずであり、もしあった場合は、その両方とも不合格とする。更に詳しくは、ブラックボードを看ること。

*授業達成目標の A-3-1 と A-4-1 は、授業における学修の積み重ねの結果、授業の最後に達成されます。そして、その評価はレポートの内容や文体等すべてを精査した上で、総合的に行なわれます。
オフィスアワー メールやBlackboardを用いて質問を受けます。
備考  絶対条件ではありませんが、高校卒業程度の漢文の読解力が必要とされます。少なくとも、中国の古典文を読んで理解しなければならない、という覚悟だけはしておいて下さい。

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