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令和2年度以降入学者 | 現代日本語学講義1 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 現代日本語学1 | ||||
教員名 | 田中ゆかり | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 国文学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業の形態 | (1) オンデマンド型授業(15回) (2) BlackboardのIDと「コース名」:20211439 「2021現代日本語学講義1/現代日本語学1(田中ゆかり・前・水4)」 |
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授業概要 | 「方言」からみた日本語社会 この科目では、「方言」を視座として、近代以降の日本語社会のありようを捉えることを目的とします。毎回の授業では、内容に即した小課題を課し、それらに基づく討議なども予定しています。 「自分は日本語ネイティヴではないから」とか「自分には方言がないから…」と尻込みをする人もいるかも知れません。しかし、この科目ではそれぞれの所属する言語社会の様相の対照や、それに基づく感じ方の違いなども重要なトピックのひとつとして捉えています。小説・マンガ・映画・ドラマ・演劇・ネットなどの各種コンテンツにおいて再提示される「方言」も枚挙にいとまがありません。「方言」を手がかりに日本語社会を見通す社会言語学的な視点と考え方を獲得する、これがこの科目の目指すところです。 本科目の一部では日本の言語政策を扱う。文部科学大臣及び文化庁長官諮問機関・文化審議会臨時委員(国語分科会)の実務経験から日本国における言語政策策定の背景などについて具体的に教授する。 |
授業のねらい・到達目標 | 授業テーマに関連するデータや先行研究の読解を通じ、それらの読み取りスキルをはじめ、データの効果的な提示方法や調査計画スキルなどの獲得も目指します。身の回りにある「方言」を発見し、それを手がかりとして日本語社会を見通す社会言語学的な視点と考え方を獲得することがこの科目の到達目標です。「方言」を手がかりに日本語社会を見通す社会言語学的な視点と考え方を獲得する、これがこの科目の目指すところです。 この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応しています。 なお、新カリキュラム(令和2年度以降の入学者)では、この科目は文理学部(学士(文学)のDP及びCP1,2に対応しています。 ・経験や学修から得られた豊かな知識と教養に基づきつつ,日本文学・日本語学研究の専門性を活用し,自己の倫理観を倫理的な課題に適用することができる。(A-1-3) ・日本文学・日本語学研究の専門性をもって,世界諸国の歴史や政治,経済,文化,価値観,信条などの現状および相互関係を,複数の世界観に立って解釈し説明できる。(A-2-3) |
授業の方法 | (1)授業の形式【講義,実習】 (2)授業の方法 ①各回の授業実施日の0:00に、Blackboardを通して、配布資料と講義動画(15分程度2-3本、youtube限定公開リンク)と参考資料等からなるオンデマンド教材を配布・配信する。 ②この授業は、時間割上水曜日4限に開講されるものである。オンデマンド型ではあるが、各回開講日中に受講のこと。出欠確認を兼ねる各回の小課題の締め切りは、開講曜日限に受講することを前提に設定する。 ③受講生は、受講前に配布資料教材をダウンロードし、配布資料を見ながら、動画教材を視聴し、学修すること。 ④毎回、配布資料または動画教材を通じ、小課題とその提出方法を示す。各回課題の提出方法と締め切りは講義動画等を通じ示す。 ⑤各回小課題のフィードバックは、小課題の課された回の翌週回をめどに配布資料または動画教材として配布・配信を行う。掲示板を用いることもある。 ⑥授業に関連した質問・相談はBb内に設ける「掲示板(質問・相談)」とBb「Eメール」で受け付ける。 |
履修条件 | 50人を上限に人数調整を行う予定。履修希望者は第1回授業開始前までに自己登録し、第1回受講後は締め切りまでに第1回小課題を提出すること。 人数調整を行う場合は、第1回小課題の提出ならびに内容、学年、教職コースとの関連を考慮する。 第2回授業までの間に、Blackboardを通じて履修許可者名簿を案内する。 |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンス(本講義の目的・概要・構成)
【事前学習】シラバスをよく読み、遠隔授業受講の準備をする(Bb自己登録、教材のダウンロードなど) (2時間) 【事後学習】自分の生育地とことばについて考える (2時間) |
2 |
方言・標準語・共通語という基本概念について学びます。
【事前学習】自分の生育地とことばについて考える (2時間) 【事後学習】標準語・共通語・方言の定義について考えを整理する (2時間) |
3 |
「方言」がスティグマの時代:近代期から1970年代までの「方言」がスティグマであった時代の背景とその実態について学びます。
【事前学習】「方言」を取り上げた記事・文献などの探索 (2時間) 【事後学習】「方言スティグマ体験」についての記事・文献等の探索 (2時間) |
4 |
「方言」がカワイイに至るまで:「方言」がカワイイと受け止められるようになった2000年代の感覚に至るまでの時代背景と実態について学びます。
【事前学習】「方言」を取り上げた記事・文献などの探索 (2時間) 【事後学習】「方言」を取り上げた記事・文献等の探索 (2時間) |
5 |
「方言」に価値を見出す時代:1980年代以降を中心に「方言」の価値がどのように見いだされ,その後追加されてきたのかたどります。
【事前学習】「方言」を取り上げた記事・文献などの探索 (2時間) 【事後学習】「方言」に価値に見出す記事・文献等の探索 (2時間) |
6 |
「方言」と「打ちことば」:ネット時代を迎え一般化した「打ちことば」はなぜ「方言」と相性がよいのかについて各種データから読み解きます。
【事前学習】インターネット前後の媒体・手段の変遷についての記事・文献探索 (2時間) 【事後学習】自分の「打ちことば」生活を振り返る (2時間) |
7 |
ヴァーチャル方言と方言ステレオタイプ:ヴァーチャル方言とは何か,方言ステレオタイプとは何かについて学びます。
【事前学習】「方言コンテンツ」「方言キャラ」の探索 (2時間) 【事後学習】「方言コンテンツ」「方言キャラ」の探索と分析 (2時間) |
8 |
課題研究:第7回小課題を基に方言ステレオタイプに関連する研究課題のを課します。
【事前学習】「方言コンテンツ」「方言キャラ」の探索と分析 (2時間) 【事後学習】研究課題の作成と提出 (2時間) |
9 |
「方言コスプレ」とは何か:「方言コスプレ」とはどのような言語行動で,なぜそれが日本語社会で共有されるのか考えます。
【事前学習】「ニセ方言」を使うとはどういうことか考える (2時間) 【事後学習】「方言コスプレ」事例やそれにに対する世間の意識についての記事類の探索 (2時間) |
10 |
テレビドラマとヴァーチャル方言:日本語社会において強い波及力をもつコンテンツは,一定の条件を満たしたテレビドラマであることを学びます。
【事前学習】放送中のNHK朝ドラ・大河ドラマを視聴し、「方言」の取り扱いについて考える (2時間) 【事後学習】改めて放送中のNHKの朝ドラ・大河ドラマを新たな目で視聴する (2時間) |
11 |
「方言ドラマ」からみた日本語社会:「方言ドラマ」の変遷は日本語社会における「方言」に対する捉え方の変遷の映し鏡であるということを学びます。
【事前学習】過去に放送されたNHKの朝ドラ・大河ドラマについての記事・文献を探索する (2時間) 【事後学習】過去に放送されたNHKの朝ドラ・大河ドラマについての記事・文献を探索する (2時間) |
12 |
進化する「方言萌え」:「方言萌え」という感覚を,それが反映されたコンテンツ類を読み解くことから理解します。
【事前学習】「方言萌え」とはどのような感覚か考える (2時間) 【事後学習】「方言見萌え」コンテンツを探索し、特徴を整理する (2時間) |
13 |
最終課題(課題研究)についての解説:最終課題(課題研究)についての解説をします。
【事前学習】最終課題テーマ候補を検討する (2時間) 【事後学習】最終課題作成のためのデータ・文献等の収集をする (3時間) |
14 |
最終課題の作成(課題研究)
【事前学習】最終課題作成のためのデータ・文献等の収集をする (3時間) 【事後学習】最終課題(課題研究)の作成 (2時間) |
15 |
最終課題の提出と全体の振り返り:授業内容を振り返るのと同時に,受講者からの授業に対するフィードバックを受けます。
【事前学習】最終課題提出の準備と提出 (5時間) 【事後学習】授業全体を通してのふりかえり (2時間) |
その他 | |
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教科書 | 教科書は使用しません。適宜資料を配布します。 |
参考書 | 田中ゆかり 『方言萌え!? ヴァーチャル方言を読み解く』 岩波誌ジュニア新書 2016年 田中ゆかり 『「方言コスプレ」の時代 ニセ関西弁から龍馬語まで』 岩波書店 2011年 田中ゆかり・金水敏・児玉竜一 『時代劇・歴史ドラマは台詞で決まる!』 笠間書院 2019年 木部暢子他 『方言学入門』 三省堂 2013年 半沢康・新井小枝子 『実践方言学講座1 社会の活性化と方言』 くろしお出版 2020年 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:採集課題(40%)、授業参画度:授業内外の課題、討議への参加など(60%) |
オフィスアワー | 授業に関連した質問・相談はBb内に設ける「掲示板(質問・相談)」とBb「Eメール」で受け付けます。 |
備考 | 授業トピックに基づく毎回の小課題を自分の問題として考えるようにしていると、最終課題の作成に円滑に移行するでしょう。 |