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中国現代文学概説1

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令和2年度以降入学者 中国現代文学概説1
令和元年度以前入学者 中国現代文学概説1
教員名 山口守
単位数    2 学年 2~4 開講区分 文理学部
科目群 中国語中国文化学科
学期 前期 履修区分 選択
授業の形態 同時双方向型授業(Zoomによるライブ中継)。ZoomのURLはブラックボード(Blackboard、略称Bb)のこの授業の「連絡事項」に表示されている。
BlackboardコースID:20211512
授業概要 中国現代文学の全体像を把握し、個別作家論の学習を深める。具体的に言えば、清末民初に中国文学が現代文学としてどのように立ち上がり、五四時期の文学革命によって現代文学としてのフレームや制度の基礎が形成される過程をまず学ぶ。特に代表的な作家として魯迅を取り上げ、その寂寞の思想を生涯や作品から理解する。次に魯迅チルドレンというべき1920年代の文学研究会や創造社に拠る作家を取り上げ、啓蒙と言志を意識しつつどのような作品を生みだしたのか検証する。1930年代にはこうした歴史を受けて、百花斉放の如く作家の個性が花開くが、日中戦争や内戦など過酷な社会状況の中で作家も苦闘を余儀なくされる。こうした中国現代文学の契機と経緯を学ぶことが講義の主内容となる。
授業のねらい・到達目標 中国現代文学の全体像を把握しながら,個別作家の作品を読み解く道筋を探索する。単に文学史的に作家や作品を羅列して文学潮流をトレースするのでなく,まず近代という時代に生き,同時に近代そのものの実質を構築した個々の作家の優れた作品をどのように読むかを考えながら,近代や文学の概念そのものへ思考を深めて行くことができる。
世界に氾濫している様々な情報を自ら収集し、分類・整理し、論理的・批判的に説明することができる。(A-3-2)
この科目は文理学部(学士(文学))のDP及びCPの3に対応しています。
授業の方法 講義形式。教材はブラックボード(Blackboard、略称Bb)からダウンロードする。指示された時にサブノートやレポートを提出する。これは授業参画度の一部となる。さらに学期末に最終レポートを作成して提出する。また講義中に言及される具体的作品を事後学習として課外に読み,学習理解を深めることが必須である。なお提出されたサブノート及びレポートは採点後フィードバックする。また授業進度は学生の学習状況に合わせて適宜調整することがある。
本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とする。
履修条件 なし。
授業計画
1 中国現代文学の概念を歴史的、文学に的確に定義づけできるようにする。また授業のテーマや到達目標の設定、及びそれを達成する方法についても明確に理解する。
【事前学習】シラバスを読んで授業計画を把握し、学習計画を立てる。 (0.5時間)
【事後学習】中国・現代・文学の三つの概念を整理し、ノートを作成する。 (1時間)
2 清末民初の中国文学を学ぶ。特に厳復,梁啓超,林紓が西洋文学や思想をどのように受容したか、そこで翻訳文学がどのような働きを果たしたかについて理解を深める。
【事前学習】教材p.6-8及び12ー13を読んで理解する。訳せる部分は訳しておく。 (2時間)
【事後学習】講義中に確認した翻訳部分をノートに整理する。 (1.5時間)
3 文学革命がどのように始まったか、胡適と陳独秀を中心にその見解と理論を学ぶ。
【事前学習】教材p.9を読んで理解する。訳せる部分は訳しておく。 (2時間)
【事後学習】胡適と陳独秀の文章を日本語訳をノートに整理する。 (1.5時間)
4 文学革命の中でヒューマニティを重視した周作人を中心に学習を進める。
【事前学習】教材p.10を読んで理解する。訳せる部分は訳しておく。 (1.5時間)
【事後学習】周作人「人的文学」の内容をノートに整理する。第1-4回のノートを整理して提出の準備をする。 (3時間)
5 中国現代文学の最大の功労者であり、近代アジアを代表する作家である魯迅について学ぶ。特に故郷、紹興の少年期の経験と南京における学校教育体験について理解を深める。
【事前学習】教材L1-4を読んで理解する。 (1.5時間)
【事後学習】魯迅年表の魯迅年表の重要個所を確認し、学んだことをノートに整理する。 (1.5時間)
6 提出されたノートをレヴューして学習内容の確認を行う。(A-3-2)その後、日本へ留学にやって来た魯迅が、そこでどのような文学や生活の体験をしたか、「藤野先生」を参照しながら、作家魯迅の誕生へと学習を進める。
【事前学習】教材L5ー7、L17を読んで理解する。訳せる部分は訳しておく。 (2時間)
【事後学習】『吶喊』「自序」の関連個所の日本語訳をノートに整理する。 (1.5時間)
7 作家魯迅の誕生と最初の短編小説集『吶喊』について学ぶ。
【事前学習】教材L8ー11を読んで理解する。 (1.5時間)
【事後学習】「故郷」・「阿Q正伝」・「狂人日記」を読み、学んだことをノートにまとめる。 (3時間)
8 二冊目の短編集『彷徨』及び詩集『野草』を中心に、魯迅後期の作品群について学ぶ。
【事前学習】教材L12ー25を読んで理解する。 (1.5時間)
【事後学習】『野草』の中から詩を数首選んで読み、ノートに感想をまとめる。また第5-8回のノートを整理して提出の準備をする。 (3時間)
9 1920年代の代表的な文学団体である文学研究会の作家、葉聖陶、許地山を中心に、リアリズム概念の検証と各作品に見られるモダニティについて考える。児童や女性の発見という大きなテーマへと思考が深まるようにする。
【事前学習】教材p.14ー17を読んで理解する。 (1.5時間)
【事後学習】葉聖陶、許地山の作品を読み、学んだことをノートにまとめる。 (3時間)
10 提出されたノートをレヴューして学習内容の確認を行う。(A-3-2)1920年代にロマン主義から共産主義へと転換した創造社の作家について学ぶ。特に郁達夫に見られる近代的自我の問題に焦点を当てて考える。
【事前学習】教材L18ー23を読んで理解する。 (1.5時間)
【事後学習】郁達夫「沈倫」を読み、学んだことをノートにまとめる。 (2時間)
11 中国現代文学におけるエポックメイキングは女性作家の登場である。ここでは謝冰心,丁玲を中心にジェンダーとセクシュアリティについて考える。
【事前学習】教材p.14-15及び25を読んで理解する。 (1時間)
【事後学習】謝冰心,丁玲の作品を読み、学んだことをノートにまとめる。 (3時間)
12 国内亡命状態に陥った東北作家のエグザイルとしての文学を学ぶ。特に蕭紅に注目して、その女性として、また作家としての自立性について理解を深める。
【事前学習】教材p.26-28を読んで理解する。 (1.5時間)
【事後学習】蕭紅「手」を読み、学んだことをノートにまとめる。第9-12回のノートを整理して提出の準備をする。 (3時間)
13 1930年代に黄金期と転換期を迎える現代詩について、何其芳,卞之琳を中心に学ぶ。また中国近代演劇の代表的な脚本家、曹禺について学ぶ。
【事前学習】現代詩の教材を読み理解する。訳せる部分は日本語訳しておく。また教材p.29ー32を読んで理解する。 (2時間)
【事後学習】卞之琳「断章」を日本語訳し、学んだことをノートにまとめる。 (1.5時間)
14 提出されたノートをレヴューして学習内容の確認を行う。(A-3-2)その後、茅盾と沈従文を中心に、現代文学における郷土の想像について学ぶ。
【事前学習】教材p.33-36を読んで理解する。 (1.5時間)
【事後学習】茅盾と沈従文の作品を読み、学んだことをノートにまとめる。 (3時間)
15 中国現代文学の作家の中で最もChinese-nessを体現していると言われる老舎の作品について考える。作家活動がロンドンから始まり、中国、アメリカを経て社会主義中国で悲運の死を遂げる老舎の生涯をトレースしながら、作品について考える。
【事前学習】教材p37ー38頁を読んで理解する。 (1時間)
【事後学習】第1-15回の内容を復習し、最終レポートを完成させ、指定の日時と場所に提出する。 (6時間)
その他
教科書 教材、及びサブノート・レポートの用紙はブラックボード(Bb)からダウンロードする。
参考書 授業中に指示する。
成績評価の方法及び基準 レポート(30%)、授業参画度(70%)
授業参画度にサブノートやレポート提出を含む。指示された時にサブノートを提出していない者は最終レポートの提出資格がない。最終レポートは学期末に提出する。
オフィスアワー 随時、ブラックボード(Bb)で連絡すること。
備考 必ずブラックボード(Bb)で受講登録すること。

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