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令和元年度以前入学者 | 実証・応用特殊研究Ⅰ | ||||
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教員名 | 畑山要介 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 3 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 社会学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 |
授業の形態 | Blackboardを用いてオンデマンド型の授業(12回)と課題研究(3回)を実施する。 Blackboard ID: 20211995 |
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授業概要 | 本授業では、消費社会論の観点から現代社会について検討していく。消費社会論は1980年代以降、J.ボードリヤールの記号消費論を中心に発展してきたが、しかしその中では消費は一種の「疎外」の文脈で捉えられてきた。大衆が「誰かに消費させられている」という構造主義的な消費観を前提に、その疎外に対する抵抗と解放を論じる学問として消費社会論は受容されてきた。しかし、こうした疎外論的消費論は理論的にも経験的にも限界があることが今日では認識されている。この講義では、消費社会を批判的に捉えつつも、消費を疎外として捉える制度派経済学やフランクフルト学派、J.ボードリヤール、G.リッツァらの消費論も批判的に検討していく。さらに、現代におけるロードサイド消費文化やサステナブルな消費文化の形成にいたるまでを、疎外論とは異なる視点から再検討しつつ、実証的データを交えながら検討していく。 |
授業のねらい・到達目標 | <知識・技能> (1)大衆消費社会の形成の歴史と展開を理解しその批判的論点を理解する。 (2)構造主義的な消費社会批判を超えて、現代の消費文化における生のあり方を捉えることができるようになる。 (3)現代の消費文化について、実証データを読み解きつつ、理論的な洞察を交えながら自分なりの視点から論じることができるようになる。 <能力> 上記の<知識><技能>の習得を経て,以下の<能力>を育むことが目標である。 ・具体的な社会現象や社会問題を入り口に,「あたりまえ」の理解からは読み取れない現代社会の多層性と多様性を,社会学の専門領域の知見を踏まえ論理的・批判的に理解することができる。(A-3-3:論理的・批判的思考力) ・個人またはグループで設定した研究課題に取り組むために必要な情報や知識を収集し,それを分析に活かすことができる。(A-5-3:挑戦力) この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP3,5及びカリキュラムポリシーCP3,5に対応しています。 |
授業の方法 | 授業の形式:【講義】 Blackboardを通して、オンデマンド教材を配信する。授業日までにアップロードするので、受講生はその教材を視聴し、学習すること。課題研究に関しては3回実施するので、それぞれの期限までに提出すること。 blackboardコースID:20211995 |
授業計画 | |
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1 |
イントロダクション(オンデマンド授業) 消費社会論をめぐる今日的議論状況と、この講義における目標について学ぶ 【事前学習】シラバスを事前に確認し、授業全体の流れを理解しておくこと (0時間) 【事後学習】第2回以降の授業に備えて、参考図書等に目を通しておくこと (2時間) |
2 |
大衆消費社会の誕生(1)(オンデマンド授業) ・20世紀初頭のアメリカにおける大衆消費社会の勃興とその展開について学ぶ。 【事前学習】世界史における19世紀から20世紀前半のアメリカの基礎知識について調べてくること (2時間) 【事後学習】20世紀初頭のアメリカにおける大衆消費社会の勃興とその展開について、ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと (2時間) |
3 |
大衆消費社会の誕生(2)(オンデマンド授業) ・大正・昭和初期における大衆消費社会の勃興、および戦後の展開について学ぶ。 ・戦後における日本の消費文化について学ぶ 【事前学習】日本史における大正・昭和初期の基礎知識について調べ、その考え方を確認し、疑問点や不明な点をノートにまとめておくこと (2時間) 【事後学習】大正・昭和初期における大衆消費社会の勃興、および戦後の展開について、ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと (2時間) |
4 |
大衆消費社会批判(1)(A-3-3)(オンデマンド授業) G.ジンメル、T.ヴェブレン、D.リースマンなどの視点より、近代化との関連で大衆消費社会を捉える。 制度派経済学(J.Kガルブレイス)やフランクフルト学派による大衆消費社会批判について検討する。 【事前学習】G.ジンメル『文化の社会学』およびT.ヴェブレン『有閑階級の理論』に目を通してその考え方を確認し、疑問点や不明な点をノートにまとめておくこと (2時間) 【事後学習】制度派経済学やフランクフルト学派による大衆消費社会批判について、ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと。またE.フロム『自由からの逃走』の第7章を読んで、小レポートを執筆・提出すること (4時間) |
5 |
大衆消費社会批判(2)(A-3-3)(オンデマンド授業) 前回に引き続きフランクフルト学派による大衆消費社会批判について検討する。 とりわけ、T.アドルノとW.ベンヤミンの大衆消費文化に対する見方の相違を捉えていく。 【事前学習】W.ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』に目を通してその考え方を確認し、疑問点や不明な点をノートにまとめておくこと (2時間) 【事後学習】アドルノとベンヤミンの大衆消費文化に対する見方の相違について、ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと (2時間) |
6 |
大衆消費社会批判(3)(A-3-3)(オンデマンド授業) 構造主義の消費論について批判的に検討する。 とりわけ、J.ボードリヤールの記号的消費論とP.ブルデューの文化的再生産論について見ていく。 【事前学習】J.ボードリヤール『消費社会の神話と構造』に目を通してその考え方を確認し、疑問点や不明な点をノートにまとめておくこと (2時間) 【事後学習】構造主義消費論の論点とその限界についてノートにまとめて授業内容を整理しておくこと (2時間) |
7 |
ポストモダン消費論/象徴論的アプローチ(A-3-3)(課題授業) M.フェザーストン、M.ダグラス、G.マクラッケン、らの消費論を検討していく。資料を読み、小レポートを執筆・提出すること。 【事前学習】M.フェザーストン『消費文化とポストモダニズム』に目を通してその考え方を確認し、疑問点や不明な点をノートにまとめておくこと (2時間) 【事後学習】M.ダグラス、G.マクラッケン、M.フェザーストンら消費論について、ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと。またM.フェザーストン『消費文化とポストモダニズム』第7章を読んで小レポートを書いてくること (4時間) |
8 |
ロードサイドの消費化(1)(オンデマンド授業) ファスト風土化論による郊外消費空間への批判を検討する。 【事前学習】三浦展『ファスト風土化する社会』に目を通してその考え方を確認し、疑問点や不明な点をノートにまとめておくこと (2時間) 【事後学習】ファスト風土化論による郊外消費空間への批判について、ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと (2時間) |
9 |
ロードサイドの消費化(2)(オンデマンド授業) W.ベンヤミンの思想に基づく「無印都市」の視点について学ぶ 【事前学習】近森・工藤『無印都市の社会学』に目を通してその考え方を確認し、疑問点や不明な点をノートにまとめておくこと (2時間) 【事後学習】「無印都市」の視点について、ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと (2時間) |
10 |
ロードサイドの消費化(3)(課題研究) 畑山「ロードサイドの幸福論」(『グローバル現代社会論』)を読んで小レポートを提出すること。提出期限と分量はBlackboardで掲示する。 【事前学習】畑山「ロードサイドの幸福論」(『グローバル現代社会論』)に目を通してその考え方を確認し、疑問点や不明な点をノートにまとめておくこと (2時間) 【事後学習】郊外型ライフスタイルの行方について、ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと (2時間) |
11 |
都市のリノベーションと消費空間の再編(オンデマンド授業) 東京を事例に、都市型の消費の新たな展開について学ぶ。 【事前学習】特になし (0時間) 【事後学習】東京を事例とした都市型の消費の新たな展開について、ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと (2時間) |
12 |
サステナビリティと消費(1)(A-5-3)(オンデマンド授業) 消費による自然環境や社会環境の破壊について反消費主義の立場を検討すると同時に、脱物質主義の立場を検討する。 【事前学習】間々田孝夫『第3の消費文化論』に目を通してその考え方を確認し、疑問点や不明な点をノートにまとめておくこと (2時間) 【事後学習】反消費主義と脱物質主義の相違を理解し、ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと (2時間) |
13 |
サステナビリティと消費(2)(A-5-3)(オンデマンド課題授業) フェアトレードを事例に、エシカル消費について学ぶ。 【事前学習】フェアトレードについての基礎知識を調べておくこと (2時間) 【事後学習】エシカル消費について、ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと (2時間) |
14 |
消費社会論の分水嶺(1)(A-3-3)(オンデマンド授業) ジョセフ・ヒースの消費社会批判を検討する 【事前学習】ヒース&ポター『反逆の神話』に目を通してその考え方を確認し、疑問点や不明な点をノートにまとめておくこと (2時間) 【事後学習】ジョセフ・ヒースの消費社会批判について、ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと (2時間) |
15 |
消費社会論の分水嶺(2)(A-3-3)(課題研究) ケイト・ソパーの消費観を検討する。資料をBlackboardに掲載するので、それを読んで小レポートを執筆し提出すること。 【事前学習】K.ソパー"Rethinking the good life"に目を通してその考え方を確認し、疑問点や不明な点をノートにまとめておくこと (2時間) 【事後学習】K.ソパーの消費観について、その考え方を確認し、疑問点や不明な点をノートにまとめておくこと (2時間) |
その他 | |
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教科書 | なし |
参考書 | 近森高明・工藤保則 『無印都市の社会学』 法律文化社 2013年 山田真茂留 『グローバル現代社会論』 文眞堂 2018年 ジョセフ・ヒース、アンドルー・ポター 『反逆の神話』 2014年 参考書はお勧めの本です。必ずしも購入を必須とするものではありません。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(60%)、授業参画度(40%) ・テストはおこないません。 ・レポートは授業内の小レポート3回(800字程度)を予定しています。 ・授業参画度は、オンデマンド授業の視聴状況と小レポートの内容で評価する。 以上を踏まえ、A-3-3(論理的・批判的思考力)ならびにA-5-3(挑戦力)の修得状況を評価します。 |
オフィスアワー | 授業開講時に指示する。 |
備考 | ・剽窃は不正行為とみなします。 ・事前資料の配布やレポートの提出にはBlackboardを使用します。初回講義開始までに、当該授業のBlackBoardのコース登録を行うこと。 |