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令和元年度以前入学者 | 社会学特殊研究Ⅲ | ||||
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教員名 | 後藤美緒 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 社会学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択 |
授業の形態 | オンデマンド型授業(12回)と同時双方向型(zoom・3回)で構成される。 BlackboardコースID:月曜5限→20211999 |
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授業概要 | 文化現象は、それだけで完全に独立して存在しているわけではありません。 たとえば、2020年4月、(クラシックやポピュラーを問わず)世界中の音楽家が多様なメディアを用いて表現活動をおこない、さまざまな反響が起こっているのはそのよい例でしょう。果たしてそれは、現在だけの現象なのでしょうか? 古くはレコード、ラジオ、映画をはじめ、現代ではテレビやインターネットといったさまざまなマスメディアと互いに及ぼし合うとともに、私達の日常生活と分かちがたく結びついています。 そしてそれゆえに、想像力の発露であると同時に、統治の手段となることもあります。 このような社会的背景、メディアとの関わり、日常生活とのかかわりに注意をはらいつつ、日本が近代化した19世紀初頭から2010年代の現代までの文化の在り方を考察していきます。とくにこの授業では、参加者とともに「読書」という経験に着目し、文字と声、平時と非常時という区分を交差させながら検討することで、私たちが今立っている社会の成り立ちについて考えていきます。 |
授業のねらい・到達目標 | 〈知識〉〈技能〉 ・現代社会のメディアと文化をめぐる諸現象をメディアの特性や社会的・歴史的な出来事と関連づけてとらえる。 ・文化現象に内包される統治と創造力について説明できる。 〈能力〉 上記の〈知識〉〈技能〉の習得を経て、以下の〈能力〉を育むことが目標である。 ・身近な文化現象について、メディアの特性を踏まえて、その構造を説明することができる(A-3-4論理的・批判的思考力)。 ・現代社会の諸現象に対して、歴史比較的な視点を以て説明することができる(A-5-4挑戦力)。 *この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP3・5及びカリキュラムポリシーCP3・5に対応しています。 |
授業の方法 | 授業の形式:【講義】 ・同時双方向型授業は1・7・15回です。いずれもzoomで開催します。PWとリンク先はblackboardを通じて連絡します。 ・オンデマンド授業はPowerPoint資料(音声付き)をOne Driveを通じて配信します。リンクは毎回、blackboardを通じて連絡します。 ・いずれの授業形態においても、毎回ワークシートを作成します。ワークシートでは過去(親世代)や現在(子世代)の具体的な事例について調べ、考察し、記述することを求める構成になっています。 ・各授業終了時に次回の授業テーマを告知します。そのテーマに沿ったキーワードや現象を3つ以上考えて授業に臨んでください。 ・本授業の事前・事後学習は各2時間の学習を目安とします。 |
授業計画 | |
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1 |
イントロダクション:レポートへの接近(1)(A-3-4)(同時双方向型授業)
【事前学習】シラバスを熟読し、授業内での自分の課題を考える。 (1時間) 【事後学習】スケジュールとオフィスアワー、授業のすすめ方について確認する。合わせて、指定されたワークシートを提出する。 (2時間) |
2 |
文化の作り手は誰か?:限界芸術論と現代社会(A-3-4)(オンデマンド授業)
【事前学習】文化の作り手となっている人・集団を3つ以上考える。 (2時間) 【事後学習】ワークシートを完成させ、提出する。 (2時間) |
3 |
作品から考える:映画『舟を編む』の示す物質性・開放性(A-3-4)(オンデマンド授業)
【事前学習】『舟を編む』の書籍を読了、あるいは映画作品を視聴する。 (2時間) 【事後学習】ワークシートを完成させ、提出する。 (2時間) |
4 |
作品から考える:映画『舟を編む』の示す統治と創造力(A-3-4)(オンデマンド授業)
【事前学習】『舟を編む』の書籍を読了、あるいは映画作品を視聴する。 (2時間) 【事後学習】ワークシートを完成させ、提出する。 (2時間) |
5 |
「読書国民」の誕生:読者共同体(A-3-4)(オンデマンド授業)
【事前学習】出版物の刊行地を調べ、その特性をまとめる。 (3時間) 【事後学習】ワークシートを完成させ、提出する。 (3時間) |
6 |
都市がつくるメディアリテラシー(A-3-4)(オンデマンド授業)
【事前学習】現代都市における読書装置の例を3つ例をあげる。 (2時間) 【事後学習】ワークシートを完成させ、提出する。 (2時間) |
7 |
読者共同体の展開:階層の創出・分断・固定化(A-3-4)(オンデマンド授業)
【事前学習】図書館に所蔵されている総合雑誌の創刊年を調べ、特性をまとめる。 (2時間) 【事後学習】ワークシートを完成させ、提出する。 (2時間) |
8 |
学生たちの読書実践:社会的属性を支える読書・超える読書(A-3-4)(オンデマンド授業)
【事前学習】義務教育、高等教育それぞれの読書経験を振り返り、まとめる。 (2時間) 【事後学習】ワークシートを完成させ、提出する。 (2時間) |
9 |
レポートへの接近(2):(A-5-4)(同時双方向型授業)
【事前学習】これまでの授業を振り返り、レポートテーマを考える。 (2時間) 【事後学習】ワークシートを完成させ、提出する。 (2時間) |
10 |
流行歌の誕生:聞くことをめぐる力学(A-3-4)(オンデマンド授業))
【事前学習】自分と親の世代の流行歌を調べておく。 (2時間) 【事後学習】ワークシートを完成させ、提出する。 (2時間) |
11 |
ラジオに現れた「漫才」:知識人と大衆文化の接近(A-3-4)(オンデマンド授業)
【事前学習】現代における話芸とメディアが融合している事例を調べておく。 (2時間) 【事後学習】ワークシートを完成させ、提出する。 (2時間) |
12 |
兵士たちの読書経験:戦地の図書館(A-3-4)(オンデマンド授業)
【事後学習】ワークシートを完成させ、提出する。 (2時間) |
13 |
兵士たちの読書経験:「慰問袋」のなかの出版物(A-3-4) (オンデマンド授業)
【事前学習】戦時下日本における書物をめぐる状況について調べておく。 (2時間) 【事後学習】ワークシートを完成させ、提出する。 (2時間) |
14 |
日刊・週刊・月刊:戦後雑誌文化の展開(A-3-4)(オンデマンド授業)
【事前学習】これまで読んできた雑誌のリストを作り、創刊年を調べておく。 (2時間) 【事後学習】ワークシートを完成させ、提出する。 (2時間) |
15 |
「読者」共同体のゆくえ:デジタルの文化・紙の技術(A-5-4)(同時双方向型授業)
【事前学習】第2回から第14回の講義内容の復習をしておく。 (2時間) 【事後学習】この授業で得た知見をもとに、期末レポートを提出する。 (3時間) |
その他 | |
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教科書 | 教科書は特に指定しません。 |
参考書 | B・アンダーソン 『定本 想像の共同体――ナショナリズムの起源と流行』 書籍工房早山 2007年 佐藤健二 『読書空間の近代』 弘文堂 1987年 キャロライン・マーヴィン、吉見俊哉・水越信・伊藤昌亮訳 『古いメディアが新しかった時―19世紀末社会と電気テクノロジー』 2003年 上記は全体の参考になるもので目を通しておくとよいものです。 しかし、現在入構が制限されており、また流通が限定されています。 いずれも日本大学文理学部図書館に所蔵されています。 blackboardを通して一部を配布します。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(60%)、授業参画度:毎回のワークシート(40%) 新しい授業形態が模索され、受講生の皆さんは不安をもっているかもしれません。 しかし、私自身は新しい授業の在り方は、授業の内容とこれまでの経験を結びつける良い機会を提供すると捉えています。 大学図書館が持つ回路は様々なデータベースへのアクセスを可能にしてくれます。自身の使える機器と機能を駆使して自ら調べてみましょう。 そして、調べてことと授業を通して考えたことを文字化してみましょう。 毎回のワークシートを習作とし、レポートはその集大成と位置づけます。 ワークシートは授業の内容を踏まえたうえで調査、考察し、期日までに、形式を守って提出されているかどうかで評価します(A-3-4)。 そして、提出された課題は授業で紹介した事例や概念を応用させ、自分で問いを設定し、論理的に記述できているかどうかを評価します(A-5-4)。 |
オフィスアワー | Blackboardを通しておこないます。 |
備考 | ・みなさんの関心や授業の進展を考慮して、適宜、順番を変更することがあります。 ・毎回の課題やレポートにおいて、授業と関係ない内容や無意味と思える記述、代筆があった場合は厳しく対応します。 ・受講を希望する方は必ず初回に参加するように。レポートで求める点を説明します。 ・提出物の遅延は原則として一切受け付けません。 シラバスは8月時点での方針です(21.08.28加筆修正)。 |