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代数学1(含演習)

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令和元年度以前入学者 代数学1(含演習)
教員名 吉田健一
単位数    3 学年    3 開講区分 文理学部
科目群 数学科
学期 前期 履修区分 選択
授業の形態 オンデマンド型授業(15回)+同時双方向型授業(15回)と一部対面授業
Blackboard のコースID:20212911
授業概要 抽象的な代数学の基礎として, 環とイデアルの基礎概念を修得する.
整数全体を「環」とみなすことにより, 代数学序論1で学んだ概念を「環論」の視点から理解を深める.
授業のねらい・到達目標 代数学の難しさはその抽象性とその議論の厳密さにあるが, それゆえに他の分野でも欠かせない「道具」になりうる. そのことを意識した上で, 次の到達目標を設定する.
・代数系の基礎概念の理解を通して, 抽象的な議論を身に着ける.
・環とイデアルの概念を修得することにより, 整数の持つ性質を証明できるスキルを身に着ける.
この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP1, DP3, DP4, DP6 及びカリキュラムポリシーCP7, CP9に対応している。

なお,新カリキュラム(令和2年度以降入学者対象)では,この科目は文理学部(学士(数学))のディプロマポリシー DP3,4,5,8 及びカリキュラムポリシー CP3,4,5,8に対応している。
・自らが獲得してきた数理科学的知識を基礎とし、その上で既存の知識にとらわれることなく、数理科学的根拠に基づいて論理的に考察することができる(A-3-3)。
・日常生活における現象に潜む数理科学的問題を発見し、専門的知識に基づいて解決案を作成できる(A-4-3)。
・新しい問題に取り組む意識を持ち、そのために必要な情報を収集することができる(A-5-2)。
・自分の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる(A-8-1)
授業の方法 授業の形式【講義】
①火曜日1限までに Blackboard を通じて配信されたスライド教材とその説明用動画が配信されるので,受講生はそれを学修する(オンデマンド型学修).
※スライドは履修者本人がダウンロードすること。動画は視聴だけ可能である。
②火曜日2限の時間に, 対面授業(40分)or同時双方向型授業(40分)にて,前回の課題の解説と今回の内容の補足説明がなされる.
※割り当てられた教室の規模に応じて各回の対面授業の参加希望者を募る. 抽選方法は追って知らせる.
※Zoom の動画も録画され, 同日中に配信予定.
※いずれにも出席できなかった場合はZoom の動画を視聴し,1ページのまとめノートを提出することで代用される.
③各回の配信教材の最後につけられた宿題を解き, 指定された期日までに解いて提出する.
宿題は友人と議論して理解を深めた上で提出してよい.
④宿題の解答は締め切り後に配信される. また,採点結果は One Drive を通じて共有されるので, 受講生各自が確認をすることができる.
⑤Blackboard のメールを通して, 質問の機会を設ける. 受講生間のやり取りは対面授業内にて行ってもらう.
⑥到達度を確認するために,オンデマンド試験を2回行う.
履修条件 初回の講義において成績評価・授業の出席の仕方を説明するので,Blackboard の資料をダウンロードし,初回の対面授業またはZoom講義のいずれかに参加すること。欠席したものは次の週の講義終了までに担当教員にコンタクトを取らなければ履修を認めない。
授業計画
1 環と体:代数系の基礎:群・環・体とは何かを学ぶ. 【オンデマンド型+対面/同時双方向型】
【事前学習】シラバスを確認し, 代数学序論1を履修した者はそのノートを読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第1回宿題を通して, 代数系の基礎概念を修得したかを確かめる. (3時間)
2 多項式と単数群:環の代表例として, 多項式環の構造を理解する. また, 単数群の構造を学ぶ. 【オンデマンド型+対面/同時双方向型】
【事前学習】第1回講義内容の復習, 事前配布スライドを読み, 環の定義をよく理解しておくこと. (2時間)
【事後学習】第2回宿題を通して, 多項式環の基礎的性質を理解する. (3時間)
3 合同式と剰余環:整数の剰余環の演算と合同式の関係を理解する. 【オンデマンド型+対面/同時双方向型】
【事前学習】第1回の講義スライドと事前配信のスライド視聴をチェックし, 環について良く理解しておくこと. (2時間)
【事後学習】第3回宿題を通して, 剰余環の演算を用いた合同式の解法を修得する. (3時間)
4 環とイデアル:イデアルの基礎概念を学ぶ. 【オンデマンド型+対面/同時双方向型】
【事前学習】基礎ゼミの教科書と事前配信スライドを読み, 同値関係について復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】第4回宿題を通して, イデアルの種々の演算を修得すること. (3時間)
5 代数系の基礎知識(第1~4回までの内容)に関するオンデマンド試験とその解説(A-3,A-4,A-5)
【オンデマンド型+対面/同時双方向型】
【事前学習】第1~4回の講義内容を良く復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】担当教員から提示された解答例を良く学修し, 理解に努めること(A-8). (3時間)
6 ユークリッドの互除法:「ユークリッドの互除法」の復習を通して, 「ユークリッド環」を学ぶ.
【オンデマンド型+対面/同時双方向型】
【事前学習】代数学序論1で学んだユークリッドの互除法を復習し, 事前配信スライドに目を通しておくこと. (2時間)
【事後学習】第6回宿題を通して, ユークリッドの互除法を深く理解すること. (3時間)
7 合同方程式・整数環のイデアル:合同方程式の一般的な解法を学び,整数環が単項イデアル整域(PID)であることを学ぶ. 【オンデマンド型+対面/同時双方向型】
【事前学習】第1,2回の講義内容を通して, イデアルについて復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】第7回宿題を通して, 合同方程式が解けるように練習する. (3時間)
8 中国剰余定理とオイラー関数:中国剰余定理の環論的解釈とその応用について学ぶ. 【オンデマンド型+対面/同時双方向型】
【事前学習】整数におけるユークリッドの互除法を復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】第8回宿題を通して, 中国の剰余定理の使い方とオイラー関数の計算方法を修得する. (3時間)
9 環の準同型定理:環論において重要な準同型定理について学ぶ. 【オンデマンド型+対面/同時双方向型】
【事前学習】以前学修した「環とイデアル」について復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】第9回宿題を通して, 準同型について理解を深める. (3時間)
10 素因数分解とUFD:整数について基本的な整数の素因数分解の一意性を環論的視点から学ぶ. 【オンデマンド型+対面/同時双方向型】
【事前学習】整数についての性質, ユークリッドの互除法を復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】担当教員から提示された解答例を良く学修し, 理解に努めること(A-8). (3時間)
11 整数環(第6~10回までの内容)に関するオンデマンド試験とその解説(A-3,A-4,A-5)
【オンデマンド型+対面/同時双方向型】
【事前学習】ユークリッドの互除法と多項式の除法について復習しておく. (2時間)
【事後学習】第11回宿題を通して, 多項式版ユークリッドの互除法の使用方法について学ぶ. (3時間)
12 体:部分環の類似として部分体について学修する(A-5). 【オンデマンド型+対面/同時双方向型】
【事前学習】「環と体」及び「剰余環」について復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】第12回宿題を通して, Cの部分体の逆元の計算の仕方を学ぶ. (3時間)
13 多項式版ユークリッド互除法:多項式環におけるユークリッドの互除法を学び,逆元の計算に応用する(A-5). 【オンデマンド型+対面/同時双方向型】
【事前学習】部分体とユークリッドの互除法について復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】多項式版のユークリッドの互除法を用いて逆元が計算できるようにすること. (3時間)
14 まとめ1:「代数系, 整数環,合同方程式」を中心にこれまでの内容を復習し,講義内容の理解を深める(A-8) 【オンデマンド型+同時双方向型】
【事前学習】代数学1で学修した内容を整理しておくこと. (2時間)
【事後学習】代数系,整数環,合同方程式それぞれについてまとめ,ノート作成の準備をする(A-8). (3時間)
15 まとめ2:まとめ1で復習したノートをまとめて提出する 【オンデマンド型】
【事前学習】代数学1で学修した内容を整理しておくこと. (2時間)
【事後学習】代数学序論1と代数学1で学修した内容を比較して,理解を深めること. (3時間)
その他
教科書 スライド資料を配信します.
参考書 渡辺敬一,草場公邦 『『代数の世界・改訂版 (すうがくぶっくす)』』 朝倉書店 2012年 第1版
随時紹介する
成績評価の方法及び基準 レポート(10%)、授業内テスト(30%)、授業参画度(60%)
レポート(ノートまとめ)はその正確さ, 丁寧さ等を評価する. また, その取り組みの姿勢も含めて(A-3,A-4)の達成度も評価する.
2回の授業内テストでは,その正確さ, 議論の丁寧さ, 発展的な内容に対するアプローチを通して, (A-3, A-4, A-5)の達成度を評価する.
授業参画度は毎回のスライドの視聴状況およびその宿題の提出状況を評価する. また, 宿題の解答を通して, (A-8)の達成度を評価する.
オフィスアワー ライン, Blackboard, 対面授業, Zoom を通して随時行う.
備考 ・「代数学序論1」を履修していることが望ましい.

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