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令和元年度以前入学者 | 代数学特論1 | ||||
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教員名 | 泊昌孝 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 3 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 数学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択 |
授業の形態 | 2021年8月9日の時点での文理学部の方針に従い、遠隔対応を基準としています。主として同時双方向型授業(Zoomによるライブ中継)、ただし、中間課題、期末課題を提出する際には、課題授業を1、2回交える予定です。 BlackBoardID:20212922 今後、状況の変化に伴い、文理学部の方針に沿う形での改訂もあり得ます。その都度、授業内で周知しつつ、シラバスにも必要に従った情報の追加を検討してゆきます。 |
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授業概要 | 前半は代数幾何学の基礎である射影空間の初歩を、後半は、代数曲線の交点理論を射影空間の理論として紹介する。平行線が必ず交わる不思議な世界として射影平面を紹介する。が、これは、絵画の遠近法の基礎であり、現実の世界を表している。数学の持っている柔軟性を様々な例によって理解をする。 |
授業のねらい・到達目標 | 高等学校の数学III で扱われる2次曲線の分類およびその応用は、代数幾何学として扱われるあらゆる幾何学の基本になる。 直感的な幾何学の定理を厳密に代数学を用いて証明することで、大学で学ぶ代数学の意味をより深く理解することができる。 たとえば、諸君が1年生前期に習う「同次連立一次方程式にて変数の数が方程式数をうわまる際の線形代数学の解の存在性」は、 代数幾何学では集合の共通点、すなわち交点の存在と考えて幾何学化できる。 暗号理論でも基本となる、楕円曲線(三次曲線)の加法性などの理論的な背景を基礎から学び、大学の数学を社会人として様々な事柄に 応用させる感覚を身に付ける実感を目標とする。 この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシー DP3, DP6 及びカリキュラムポリシー CP1, CP9 に対応しています。 なお,新カリキュラム(令和2年度以降入学者対象)では,この科目は文理学部(学士(数学))のディプロマポリシー DP3,4,5,8 及びカリキュラムポリシー CP3,4,5,8に対応している。 ・自らが獲得してきた数理科学的知識を基礎とし、その上で既存の知識にとらわれることなく、数理科学的根拠に基づいて論理的に考察することができる(A-3-3)。 ・日常生活における現象に潜む数理科学的問題を発見し、専門的知識に基づいて解決案を作成できる(A-4-3)。 ・新しい問題に取り組む意識を持ち、そのために必要な情報を収集することができる(A-5-2)。 ・自分の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる(A-8-1)。 |
授業の方法 | 授業の形式【講義】 Zoom による双方向授業を基本にして、講義を行う。 授業の内容がレポート課題につながるので丁寧にノートをとり予習復習すること。 本授業の事前・事後学習は各々2時間の学習を目安とする。 具体的には、事前に用意開示した資料を共有ファイルとし、教科書の内容を膨らませながら、説明を加えてゆく。 学生諸君は、当日の出席票を、ブレイクアウトセッションの様子などと共に、報告してもらい、さらに、 数学的な理解をクイズ課題にて提出する。クイズ課題へのブラックボードでの数学的リアクションにより、 問題の返却を行い演習内容の復習を行えるようにする。 1 事前学修(前回までの授業の復習)も踏まえて,講義当日に使用する共有資料、および当日使用予定の演習問題集をblackboard で与え、事前学習をもとめる。 ブラックボードによる教材の授受が講義当日も可能な状況が望ましい。 2 講義当日は、共有ファイルの説明を基本に、30分セクションを2回程度おこなう。 3 質問時間を講義内のスポットで設ける。必要に応じて、学生諸君全体を、Zoom ブレイクルーム方式で少人数に分け、 15分程度の学生諸君同士の議論による自主学習の機会を設ける。 4 共有ファイルを用いた講義であるが、研究室の白板での説明を中継し、アクセントをつけて学生の理解を図る。 (また、学生からの質問等の対応としても用いる) 5 授業内では、当日の学習内容からやさしい設問を「クイズ」として与え、ブラックボードでの数日の間の提出をもとめる。 6 Zoom 講義内で随時行った「iPad メモを使った板書記録」、「共有資料への書き込み」などを講義資料を、講義直後にブラックボードへアップする。 7 講義内容は録画をして、やむ終えない欠席者への対応を準備している。 8 クイズ、出席票、週末課題、それぞれにリアクションをブラックボードを適宜与える。更なる質問には outlook Eメールを用いてそれに答える。 |
履修条件 | 代数系の科目を履修していることが望ましいが(単位を修得している必要はない), 必ずしもそれは条件ではない |
授業計画 | |
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1 |
平行線が交わる不思議な世界、射影空間、パスカルの定理
【事前学習】定義、線形写像、部分空間について復習しておくこと (2時間) 【事後学習】ノートを整理しておくこと、また、第一回の宿題を解くこと (2時間) |
2 |
同次多項式、オイラーの微分作用素、オイラーの関係式
【事前学習】第一回目の講義で説明された用語を復習しておくこと (2時間) 【事後学習】今回のノートを整理しておくこと、第二回の宿題を解くこと (2時間) |
3 |
射影平面、複素射影空間、写真は何枚必要か?
【事前学習】前回ノートを復習しておくこと (2時間) 【事後学習】今回のノートを整理しておくこと (2時間) |
4 |
複素射影空間;P^2 を絵で描いてみよう。位相、距離空間、コンパクト性、
【事前学習】今回議論に登場する商集合について復習しておくこと (2時間) 【事後学習】今回のノートを整理しておくこと、宿題を解くこと (2時間) |
5 |
P^2 を絵で描いてみよう、その2;円、楕円、放物線、双曲線、古典的射影幾何学との調和
【事前学習】前回のノートを復習しておくこと、また、高校で習う2次曲線の性質を復習しておくこと (2時間) 【事後学習】今回のノートを整理しておくこと、宿題を解くこと (2時間) |
6 |
線形代数学に於ける2次曲線(2次形式)の分類と射影2次曲線
【事前学習】最初の導入での話題を之までの講義の観点から復習をしておくこと (2時間) 【事後学習】今回のノートを整理しておくこと、宿題を解くこと (2時間) |
7 |
既約な射影曲線、交点、特異点
【事前学習】前回のノートを復習しておくこと (2時間) 【事後学習】今回のノートを整理しておくこと、話題になった例を自身で確認すること (2時間) |
8 |
中間課題、課題授業を基本とする。ただし、同日、講義時刻に Zoom による質問コーナーを開設する。この質問コーナーには出席の義務は無く、学生諸君は課題作成に専念して良い。課題は、blackboard を通して電子ファイルとして提出すること。
【事前学習】前回までのノートを復習しておくこと (2時間) 【事後学習】解説の理解、できなかった問題の整理 (2時間) |
9 |
連立同次方程式の解の存在、終結式の理論
【事前学習】この講義全体のノートを復習しておくこと (2時間) 【事後学習】講義のノートを整理しておくこと。宿題にした証明を確認すること (2時間) |
10 |
終結式の理論(続)、代数学の基本定理
【事前学習】前回述べられた終結式の基本結果を復習しておくこと (2時間) 【事後学習】講義のノートを整理しておくこと。宿題にした証明を確認すること (2時間) |
11 |
交点数(局所的、大域的)の定義、ベズーの定理;両交点数の共存性として
【事前学習】講義用に配布する準備教材に目を通しておくこと (2時間) 【事後学習】今回のノートを整理しておくこと (2時間) |
12 |
パスカルの定理、ベズーの定理の弱い形を認めて
【事前学習】パスカルの定理についての講義用に配布する準備教材に目を通しておくこと (2時間) 【事後学習】今回のノートを整理しておくこと (2時間) |
13 |
楕円曲線(射影三次曲線)の加法性と、ベズーの定理を用いた証明
【事前学習】楕円曲線についての講義用に配布する準備教材に目を通しておくこと (2時間) 【事後学習】期末課題にそなえること (2時間) |
14 |
ベズーの定理の証明;線形系の手法
【事前学習】期末課題の概要についての資料に目を通した上で、今回の証明に臨むこと (2時間) 【事後学習】今回のノートを整理して期末課題にそなえること (2時間) |
15 |
期末課題による、課題授業を基本とする。ただし、同日、講義時刻に Zoom による質問コーナーを開設する。この質問コーナーには出席の義務は無く、学生諸君は課題作成に専念して良い。期末課題は、blackboard を通して電子ファイルとして提出すること。
【事前学習】講義全般について内容を整理しておくこと (2時間) 【事後学習】解説の理解、振り返り(これまでの講義内容の復習・解説を行い,授業の理解を深める) (2時間) |
その他 | |
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教科書 | なし |
参考書 | 山田浩 『代数曲線のはなし- 現代数学への一つのアプローチ』 日本評論社 1981年 酒井文雄 『平面代数曲線 (数学のかんどころ 12)』 共立出版 2012年 硲文夫 『代数幾何学 POD版 (数学選書)』 森北出版 2005年 Robert J. Walker, Algebraic Curves:reprint of 1949 version, Springer, 2013 講義は主要な命題に関してはプリント資料を共有ファイルに加える形で用意し、証明などを事前に見ていただく。教科書は特に指定しない。 参考書は随時紹介するが、上に挙げたものは、私の講義の参考にしたものであり、諸君に興味を持っていただければありがたい。 J. Walker の英語書籍は、1949年のオリジナルからの復刻である。私は、大学3年生のとき、代数幾何学の講義をこの本を教科書にして学び、今もその内容を講義の基本にしています。 他は、ゼミの学生諸君と供に同テーマについて学んだ良書です。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:課題の正確さなどを評価します。(90%)、授業参画度:視聴状況と簡単なクイズなどを用いて確認致します。(10%) テスト、レポートについては授業計画をみてください。 授業内テスト及びレポートの解答状況を通して(A-3,A-4)の達成度を評価し,やや難しいレポート問題へのチャレンジを通じて(A-5)の達成度を評価する。また, ノート整理を通じて(A-8)の達成度を評価する。 |
オフィスアワー | 講義直後にZoomにて行います。また、別科目出席などで対応が難しい諸君には、別時間に研究室を起点とした双方向遠隔型の対応も同時に行う。後者の対応は、別途メールなどで予約の連絡が必要である(詳細は、講義中に連絡する)。 |
備考 | Blackboardを使えない学生は事前に申し出ること。 |