検索したい科目/教員名/キーワードを入力し「検索開始」ボタンをクリックしてください。
※教員名では姓と名の間に1文字スペースを入れずに、検索してください。
令和2年度以降入学者 | 倫理学史特殊講義2 | ||||
---|---|---|---|---|---|
教員名 | 嘉吉純夫 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 哲学専攻 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業の形態 | 同時双方向型授業(Zoomによるライブ中継)全15回。 BlackboardのID 20213655 火曜日第3時限 連絡先pyrrhon@outlook.jp |
---|---|
授業概要 | 前期に引き続き、古代ローマのストア派の重鎮にして、哲人の風格を具えたエピクテートスの倫理思想を考究する。科学技術文明の真っ只中にあって、経済至上主義と功利主義的な価値観に引き摺り回されがちなわわれわれ現代人にとって、滋味と人間味に溢れたエピクテートスの人生観と幸福観を探究することは、古代人の言うところの「魂の浄めと癒し」をもたらす貴重な体験となるであろう。テキストは、弟子のアリアーノスが師エピクテートスの講話を書き記した『人生談義』を用いる。 |
授業のねらい・到達目標 | ヘレニズム期のゼーノーンを学祖とするストア派の哲学者たちは、共通して、文字通りストイック(禁欲主義的、厳格主義的)な精神を基調とする力強い思想を展開したが、なかでも奴隷の出身のエピクテートスは、心の内面における意志の自由を強調する点で、言わば社会に隷属して生活せざるをえないわれわれ現代人にもっとも強いインパクトを与える力を保有しているように思われる。その点を追究することによって、本講座の参加者一人ひとりが、倫理学的かつ倫理学史的知識を身につけ、自分自身の人生の糧とすることができる。 |
授業の方法 | 授業の形式【講義】ですが、ゼミ的要素を取り入れて行います。下記の授業計画にしたがって、各自の責任においてテキストの指定箇所を熟読し、思想内容について熟考していただきます。そして、各回ごとの講読。討論に参加していただきます。開講までに必ず下記のテキストを購入しておいてください。エピクテートス『人生談義』上・下(岩波文庫) ※書店では在庫切れになっているところが多いようです。楽天ブックス、セブンネットショッピング、HMV Books等の通信販売を利用してください(ただし、アマゾンには法外の高値で出品されているものがあるので、くれぐれも注意してください)。 |
履修条件 | なし |
授業計画 | |
---|---|
1 |
第3巻第19章「普通の人の立場と哲学者の立場」および第20章「すべての外的なものから益を得られるということ」の考究
【事前学習】テキストの上記個所を予読して、論点を整理しておくこと (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
2 |
同上第21章「軽々しく教職につこうとする者に対して」の考究
【事前学習】テキストの上記個所を予読して、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
3 |
同上第22章「犬儒学派」の考究
【事前学習】上記個所を予読して、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
4 |
同上第23章「見栄を張って朗読したり、問答したりする人々に対して」の考究
【事前学習】上記個所を予読して、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
5 |
同上第24章「われわれの権内にないものに執着してはならぬということについて」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
6 |
同上第25章「企てたことを達成しそこなった人々に対して」および第26章「困苦を恐れる人々に対して」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
7 |
第4巻第1章「自由について」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
8 |
同上第2章「社交について」~第3章「何と何を交換すべきか」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
9 |
同上第4章「平静に生活しようと一所懸命になっている人たちに対して」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
10 |
同上第5章「闘争的で野獣のような人々に対して」および第6章「同情されるのを苦にする人々に対して」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
11 |
同上第7章「恐怖心を抱かぬことについて」の考究
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
12 |
同上第8章「急いで哲学者の態度を装わんとする人々に対して」および第9章「恥知らずになった者に対して」の考究、レポート課題の提示
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
13 |
同上第10章「何を軽蔑し、何をおいて卓越すべきか」の考究。レポート作成に対するアドヴァイス。
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する、レポートを作成する (時間4時間) |
14 |
同上第11章「清潔について」~第13章「自分の事柄を軽々しくしゃべる人々に対して」の考究、レポートの提出
【事前学習】上記個所を予読し、論点を整理しておく (時間2時間) 【事後学習】考究・討議した内容を確認・再考する (時間2時間) |
15 |
[断片]と「提要」の俯瞰。レポートの講評とテキスト考究の総括。
【事前学習】テキスト全体を再度通読しておく (時間2時間) 【事後学習】レポートの講評を確認・反省し、残された課題を見出す (時間2時間) |
その他 | |
---|---|
教科書 | エピクテートス(アリアーノス)、鹿野治助訳 『エピクテートス 人生談義(上・下) (岩波文庫)』 岩波書店 1958年 第1版 なし |
参考書 | なし |
成績評価の方法及び基準 | レポート(50%)、授業参画度(50%) レポートによる成績評価は、第15回目に提出の最終レポートによって行います。また、授業参画度による成績評価は、各回の講義に対する主体的な意見の表明と討論への参加度によります。 |
オフィスアワー | 質疑応答は、随時以下のメールアドレスにて行います。pyrrhon@outlook.jp |