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東洋史特殊講義1

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令和2年度以降入学者 東洋史特殊講義1
教員名 須江隆
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
科目群 史学専攻
学期 前期 履修区分 選択必修
授業の形態 オンデマンド型の遠隔授業(12回)と課題研究(3回)を組み合わせる。
BlackboardコースID:20213670
授業概要 中国史上の宋代は、「唐宋変革」という概念からも明らかなように、一大変革期であったことは間違いない。しかしこれまでは、文字通り、唐代との比較から、それとの相違点ばかりが強調され、300年間余り続いた宋代の時代性の把握が充分ではなかった。そこでこの授業では、宋代の時代性の推移を解明するために、北宋末期から南宋時代という過渡期を生きた知識人の洪邁が編纂した『夷堅志』に着目する。『夷堅志』に関する講義と各逸話の解読・解説を通じて、宋代社会の時代性や日常性の解明を目指していく。また史料論的分析の視点からも『夷堅志』を捉え、その史料の全容解明と研究への活用の可能性も探っていきたい。
授業のねらい・到達目標 授業担当者の研究成果を開示していく講義を通じて、中国史上における宋代の時代性・地域性・日常性を理解し、現実を見つめ直すことを目的とする。
①洪邁が生きた南宋時代の社会の特質を説明することができる。
②宋代の知識人洪邁とその著作『夷堅志』について具体的に説明することができる。
③嘗ての中国地域社会の日常に関わる実態を学び、関連する現代社会が直面する問題を抽出し、歴史的視点から見つめ直すことができる。
④宋代社会史研究を具体的事例とした中国史研究の視点や手法を学び、修士論文の作成に向けた一連の研究方法を自ら参考にすることができる。
授業の方法 授業の形式:【講義】
遠隔授業ではBlackboardを用い、音声付きのPowerPoint資料教材(1回につき10分~30分程度×2本)や課題用の資料を授業実施日(12回)に配信する。受講者はそれらの教材を視聴・読解して学修し、課題を期日までにまとめて所定の方法で提出すること。なお、Blackboardの「掲示板」機能を使って質疑応答や受講者同士の議論の機会を提供する。また13回目以降は課題研究とし、最終的なレポート課題作成に向けた指導をコミュニケーションツールを使って行い、15回目の授業実施日に提出してもらう。

*履修者は初回講義開始までにBlackboardのコース登録をすること。受講者への連絡はBlackboardの“連絡事項”欄に掲示するので随時確認すること。
授業計画
1 授業ガイダンス(オンデマンド授業)
授業の進め方や到達目標などを説明する。また授業担当者の自己紹介を兼ねて、これまでの研究履歴に言及する。
【事前学習】シラバスを熟読して、授業概要や到達目標などを理解しておくこと。 (1時間)
【事後学習】授業の内容をノートに整理し、特に授業の到達目標への理解を深めておくこと。 (2時間)
2 『夷堅志』が書かれた南宋時代(オンデマンド授業)
中国史上の南宋時代が,これまでにどのような時代と捉えられてきたのかを,「両宋画期論」などに即して解説する。
【事前学習】中国史上の南宋時代とは、どのような時代であったのかを、参考書やインターネット情報などを参照して、調べてまとめておくこと。 (2時間)
【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間)
3 『夷堅志』の著者・洪邁 (オンデマンド授業)
『夷堅志』を著した知識人・洪邁の人物について解説する。
【事前学習】『夷堅志』の著者である洪邁について、参考書やインターネット情報などを参照して、情報を収集し調べてまとめておくこと。 (2時間)
【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間)
4 ベストセラー『夷堅志』とは(オンデマンド授業)
『夷堅志』とはどのような内容の著作であるのかを解説し、その史料性や研究への活用の可能性などにも言及する。
【事前学習】『夷堅志』とは、どのような著作であるのかについて、参考書やインターネット情報などを参照して、情報を収集し調べてまとめておくこと。  (2時間)
【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間)
5 『夷堅志』出版のその後 (オンデマンド授業)
『夷堅志』の南宋時代やその後における出版事情を解説し、後世の人々の『夷堅志』受容の在り方にも言及する。
【事前学習】『夷堅志』の出版と後世の人々の受容につて、参考書やインターネット情報などを参照して、情報を収集し調べてまとめておくこと。  (2時間)
【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間)
6 『夷堅志』選読と解説Ⅰ—「丹州石鏡鼓」の解読·解説—(オンデマンド授業)
「丹州石鏡鼓」の解読・解説を通じて、当時の社会の現実を検討する。
【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間)
【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間)
7 『夷堅志』選読と解説Ⅱ—「樓煩道中婦人」の解読·解説—(オンデマンド授業)
「樓煩道中婦人」の解読・解説を通じて、当時の社会の現実を検討する。
【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間)
【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間)
8 『夷堅志』選読と解説Ⅲ—「普光寺僧」の解読·解説—(オンデマンド授業)
「普光寺僧」の解読・解説を通じて、当時の社会の現実を検討する。
【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間)
【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間)
9 『夷堅志』選読と解説Ⅳ—「劉将軍」の解読·解説—(オンデマンド授業)
「劉将軍」の解読・解説を通じて、当時の社会の現実を検討する。
【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間)
【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間)
10 『夷堅志』選読と解説Ⅴ—「河中西巌龍」の解読·解説—(オンデマンド授業)
「河中西巌龍」の解読・解説を通じて、当時の社会の現実を検討する。
【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間)
【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間)
11 『夷堅志』選読と解説Ⅵ—「宋中正」の解読·解説—(オンデマンド授業)
「宋中正」の解読・解説を通じて、当時の社会の現実を検討する。
【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間)
【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間)
12 『夷堅志』から見えた世界(オンデマンド授業)
解読·解説した6つの逸話から見えた当時の社会に関するまとめを行う。
【事前学習】配付資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間)
【事後学習】配付資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間)
13 レポート課題の作成に向けてⅠ(課題研究)
レポート課題を提示し、作成に向けたポイントや要領などを解説する。
【事前学習】全ての配信資料やノートに一通り目を通し、これまでの全ての授業内容を振り返り、自らの学びの姿勢や質問事項を抽出してくること。 (2時間)
【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し直し、自身の本授業への取り組みの姿勢や学び得たことを再認識しておくこと。あわせてレポート完成に向けた作業に従事すること。 (2時間)
14 レポート課題の作成に向けてⅡ(課題研究)
レポート課題作成に向けての質疑応答に応じる。
【事前学習】全ての配信資料やノートに一通り目を通し、これまでの全ての授業内容を振り返り、自らの学びの姿勢や質問事項を抽出してくること。 (2時間)
【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し直し、自身の本授業への取り組みの姿勢や学び得たことを再認識しておくこと。あわせてレポート完成に向けた作業に従事すること。 (3時間)
15 授業の総括と振り返り(課題研究)
これまでの授業のまとめをし、講義内容の理解を深める。またレポート課題を提出する。
【事前学習】シラバスを参照し、授業の到達目標を確認しておくこと。前回の授業で提示されたレポート課題を行うこと。 (2時間)
【事後学習】授業の到達目標の達成度を自己点検すること。 (2時間)
その他
教科書 授業で使用する諸資料をBlackboardで配信する。
参考書 伊原弘・静永健共編 『南宋の隠れたベストセラー『夷堅志』の世界 (アジア遊学181)』 勉誠出版 2015年 第1版
伊原弘・市來津由彦・須江隆共編 『中国宋代の地域像 ー比較史からみた専制国家と地域ー』 岩田書院 2013年 第1版
その他については、随時紹介する。
成績評価の方法及び基準 レポート(60%)、授業参画度(40%)
授業参画度は、4つの課題の回答状況で評価する。
オフィスアワー Blackboardを通じての質問には直接回答するか、音声授業の際に回答する。

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