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認知心理学特論

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令和2年度以降入学者 認知心理学特論
教員名 厳島行雄
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
科目群 心理学専攻
学期 集中 履修区分 選択必修
授業の形態 対面型授業。
授業内容の詳細な資料をダウンロードし、それぞれに関して、あらかじめ資料を基に学習をすすめた上で、動画コンテンツを視聴し、課題を提出する。必要があれば、双方向的な講義を行う。
BlackboardコースID:前学期集中 20213926
授業概要 目撃供述・識別の心理学について学ぶ。刑事事件における目撃供述による誤判を紹介し、なぜ目撃供述が起こるのかを以下の内容にそって講義する。
目撃供述が誤ったために裁判が誤った事件の具体例(自民党本部放火事件、東電OL殺人事件)を検討し、どのように目撃者の知覚や記憶が誤るのかを理解できる。
目撃供述心が誤る要因の分類法、目撃供述心理学の研究法について概観し、次に目撃者の知覚や記憶を歪める推定変数とシステム変数に関して理解できる。
授業のねらい・到達目標 認知心理学の発展に伴って、日常認知の研究が起こって久しい。この日常認知において重要な研究領域となったのが目撃供述の心理学研究である。本講義では、なぜ目撃者の記憶が誤るのか、そしてその結果としてなぜ裁判が誤るのかについて、これまでの目撃証言心理学の研究成果を踏まえて、応用認知心理学が社会に果たす役割について考える。その考察に必要な目撃証言心理学研究が明らかにしてきた現象や目撃者の知覚・認知に影響する諸要因について理解を深める。
授業の方法 授業の形式:【講義】
講義形式が基本であるが、受講生の学生諸君が目撃者になって、実際に自身の記憶がどのように歪むのかを体験する。授業では、BBC作成の視覚教材(目撃証言の真実)を視聴し、議論も行う。3日間の集中講義であるが、各授業の最後にはリアクションペーパーによる質疑や授業内容の要約を求める。
対面参加できない場合はZoomを使用して出席する。
授業計画
1 オリエンテーションを行う。ここでは目撃供述の概要に関する説明も行う。
【事前学習】目撃証言心理学の第1章を読んでおくこと (2時間)
【事後学習】目撃証言心理学第1章の要約をしておくこと (2時間)
2 目撃供述が何故誤るのか?その原因を考える
【事前学習】目撃供述の正確さに影響する要因について調べておくこと (2時間)
【事後学習】専門家の調査について、テキストを見てまとめておく (2時間)
3 目撃供述の正確さに影響する諸要因の分類法について考える
【事前学習】分類法の方法論について、その方法の有用性について考える (2時間)
【事後学習】分類法による理解について考察しておくこと (2時間)
4 自民党本部放火事件における目撃供述の問題を理解する
【事前学習】事前に配布した資料を読んでおくこと (2時間)
【事後学習】自民党本部放火事件の目撃者の記憶に影響した要因についてまとめておく (2時間)
5 目撃供述心理学の研究法1ーカイブ研究1ー
【事前学習】事前に配布した外国語論文の要旨を読んでおくこと (2時間)
【事後学習】現実の事件における目撃者の記憶について整理しておくこと (2時間)
6 目撃供述心理学の研究法1ーアーカイブ研究2ー
【事前学習】アーカイブ研究の論文に目を通しておくこと (2時間)
【事後学習】アーカイブ研究の意味をまとめておくこと (2時間)
7 目撃供述心理学の研究法ー調査研究
【事前学習】調査研究論文に目を通しておくこと (2時間)
【事後学習】調査研究の意味をまとめておくこと (2時間)
8 目撃供述心理学の研究法ーフィールド実験による研究
【事前学習】フィールド実験による研究法のメリットについて考えておくこと (2時間)
【事後学習】フィールド実験の限界について考察すること (2時間)
9 目撃供述心理学の研究法ー実験研究1ー事後情報効果研究の結果
【事前学習】事後情報効果研究の論文を読んでおくこと (2時間)
【事後学習】事後情報効果研究の現実的事例について例を挙げてまとめておくこと (2時間)
10 目撃供述心理学の研究法ー実験研究2ー事後情報効果研究の理論的解釈
【事前学習】事後情報効果を説明する記憶理論を調べておくこと (2時間)
【事後学習】それぞれの事後情報効果を説明する記憶理論の長所・短所を考察すること (2時間)
11 目撃供述心理学の研究法ー実験研究3ー情動効果研究の諸結果と理論
【事前学習】心理学における情動理論について復習しておくこと (2時間)
【事後学習】目撃の文脈における情動喚起について考察しておくこと (2時間)
12 目撃供述心理学の研究法ー実験研究4ー目撃供述研究文脈でもチェンジブラインドネス研究
【事前学習】最近の目撃供述心理学のテーマである変化盲について調べておくこと (2時間)
【事後学習】変化盲による目撃の事例についてまとめる (2時間)
13 目撃者記憶への社会的影響研究
【事前学習】記憶がメディアや第3者の情報によって変化する例を調べておくこと (2時間)
【事後学習】変化盲の現象が現れる環境について考えておくこと (2時間)
14 目撃供述における凶器注目効果について
【事前学習】凶器の存在が何故記憶を歪めるのか考えておくこと (2時間)
【事後学習】凶器の生活体に対してもつ意味を考えておくこと (2時間)
15 授業内試験と結果のフィードバック。授業全体を通しての意見交換
【事前学習】14回までの内容をまとめておくこと (2時間)
【事後学習】フィードバックの結果を受けて、知識を整理しておくこと (2時間)
その他
教科書 厳島行雄・仲真紀子・原總 『目撃証言の心理学』 北大路書房 2003年
教科書以外に海外の文献のレジメを用意して配布する。
参考書 適宜プリントを配布する。
成績評価の方法及び基準 試験(40%)、レポート(20%)、授業内テスト(20%)、授業参画度(20%)
対面参加できない場合の成績評価についてはZoomを通して説明する。
オフィスアワー 心理学研究室 授業後の時間30分ほどをオフィスアワーとする

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