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産業社会学

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令和2年度以降入学者 産業社会学
教員名 立道信吾
単位数    2 学年 2~4 開講区分 文理学部
科目群 社会学科
学期 後期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業の形態 対面授業を基本とするが、猛暑(夏季)、厳寒(冬季)、一時的な感染症の蔓延等の健康への甚大な影響が予想される気候下の授業日については、遠隔授業に切り替える可能性がある。前日に遠隔授業への変更を指示する場合がある。従って、毎週CANVAS-LMSを確認することを義務づける。
Canvas LMSコースID・コース名称 G085072H8 2024産業社会学(立道信吾・後・火3)
授業概要 産業社会学という学問の発展過程に沿って、ウェーバーの官僚制論をはじめとする組織論に関する諸学説、人間関係学派の嚆矢となったホーソン実験、小集団論、疎外論など産業社会学の基礎的な学説について学んでいく。本授業の担当者は、長らく厚生労働行政の研究所で政策研究に携わっており、我が国の官僚組織との関連も踏まえて講義を行う。
授業のねらい・到達目標 〈知識・能力〉
人間の一生の中で多くの部分を占める「働く」ということについて、産業社会の発展過程の中で、どのような問題が発生し、それをどのように解決してきたのか、社会学的な観点から考察する方法について学ぶ。社会学の古典と呼ばれている研究について正確に理解することを目標とする。これらの古典の中には、公務員試験や各種公的資格試験に出題されるものが含まれている。
〈能力〉
上記の〈知識〉〈技能〉を経て、以下の〈能力を育むことが目標である。
・人々が自明に思うことを疑う「脱常識」の観点から社会を考察する社会学の特性を踏まえ,現代社会を論理的・批判的に捉えるための社会学的枠組みや方法の基礎を築くことができる。
 (A-3-2: 論理的・批判的思考力)
*この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP3、およびカリキュラムポリシーCP3に対応しています。
授業の形式 講義
授業の方法 教員がオンスクリーンプレゼンテーションで授業を行う。受講生はこれをノートにまとめることを毎回の課題とする。対面以外での質問は原則CANVAS-LMSを通じて随時受け付ける。受講上の注意事項をCANVAS-LMSを通じて随時伝達するので毎週CANVAS-LMSの掲示や教員から受講者向けのメールなどに注意すること。授業内容に関するコメントを対面授業、遠隔授業で求める授業回がある。授業内で課題(試験やレポート等)に対するフィードバックを行う。

本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。
履修条件  他学科生の履修も妨げないが、社会学の方法論、とりわけM.ウェーバーの「価値自由」やK.マンハイムの知識社会学などを理解した上で無いと、授業担当者の意図が正確に受講生に伝わらない授業回もある。社会学は人々の価値観の根幹にかかわるようなセンシティブなテーマを頻繁に取り扱う特殊な学問である。本授業においても、年齢、性、所得、家族形態、社会階層といったデモグラフィックな要因に言及するが、社会科学の方法論として、特定の立場にある人々に対する主観的な価値判断と客観的な事実は厳密に分離する必要がある。だが、時に人は客観的な事実の提示に対して、自らの主観的な価値判断と重ね合わせて、信念と異なる事実に対する拒絶反応が生じる場合もある。こうした問題が起こることから、受講生が疑問を感じた時に直ぐにこれに応える体制を整えるためにも可能であれば対面授業に参加できる者にのみ履修を許可したい。ただし、合理的配慮が必要な学生の受講を妨げるものではない。必要とされる具体的な配慮の内容について教員に連絡をいただければ対応する。
授業計画
1 企業組織と人間①―現代社会における孤立と孤独(A-3-2)
【事前学習】Cinii(文献データベース)で「孤立」「孤独」をキーワードに論文を検索し、ひとつの論文に目を通しておく (2時間)
【事後学習】インターネットで「従属変数」「独立変数」といった統計用語を検索し、概念の特徴を把握しておく (2時間)
【授業形態】対面授業
2 企業組織と人間②―疎外に関する学説の検討(A-3-2)
【事前学習】マルクスとフォイルエルバッハの疎外概念の違いについて明確に説明できるように整理しておく。 (2時間)
【事後学習】どのような具体的な現象が、疎外の4類型に当てはまるのか、類型ごとに具体例を考えてみる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 企業組織と人間③職場における個人化の進展
【事前学習】ウルリッヒ・ベックの「個人化」概念についてインターネットで検索しておく (2時間)
【事後学習】職場における「個人化」という変化について授業の内容をもとに整理をしておく (2時間)
【授業形態】対面授業
4 企業と組織①マックスウェーバーの官僚制論 前編(A-3-2)
【事前学習】マックスウェーバーの支配の3類型について調べておく。 (2時間)
【事後学習】組織の概念について授業中に提示した学者の定義を整理しておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 企業と組織②マックスウェーバーの官僚制論 後編(A-3-2)
【事前学習】マックスウェーバーの生きた時代のドイツがどのような問題を抱えていたのか、経済面における後進性を中心に調べておく。 (2時間)
【事後学習】官僚制の6つの特質についてそれぞれ300字以内程度で整理しておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 企業と組織③FayolとTaylorの組織論(A-3-2)
【事前学習】経営学の入門書を読み、経営学の成り立ちについて理解しておく。 (2時間)
【事後学習】Line and Staff Type of organizationが、ウェーバーの官僚制とどのように違うかを考える。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 最新の経営学理論の紹介―帯域幅と弱い紐帯、レッドクイーン理論など
【事前学習】「弱い紐帯の強み」「進化論」についてインターネットで検索しておく (2時間)
【事後学習】グラノベッダーの弱い紐帯理論がどのように修正されていったのか授業の内容をもとにノートに整理する (2時間)
【授業形態】対面授業
8 産業社会学の誕生―ホーソン実験①(A-3-2)
【事前学習】1920年代~30年代のアメリカ史を概観し、ホーソン実験の時代背景を理解しておく。 (2時間)
【事後学習】労働科学、テイラーの科学的管理法などについて、インターネットで検索し、知識を深めておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 産業社会学の誕生―ホーソン実験②(A-3-2)
【事前学習】社会科学と自然科学の方法論の違いについて考えておく。 (2時間)
【事後学習】授業中に提示した問いに対して、社会学の教科書に載っている以外の仮説をいくつか考えておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 産業社会学の誕生―ホーソン実験③(A-3-2)
【事前学習】人間関係学派と呼ばれる研究者たちの研究業績をインターネットで検索しておく。 (2時間)
【事後学習】ホーソン実験の実験段階ごとに何が判ったのかを段階別に300字以内程度で整理しておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 労働組合とは何か 現代日本におけるストライキの実態―佐野SA,西武そごうのストライキ
【事前学習】日本国憲法第 28 条団結権の条文を読みわからない用語は調べておく (2時間)
【事後学習】池袋西武そごうのストライキについて新聞記事を検索し、どのような報道がされていたかを確認する (2時間)
【授業形態】対面授業
12 現代日本の大学生の就職事情―立道ゼミナールの就活実態調査の結果から
【事前学習】現代日本における就職活動にはどのような問題があるのか、インターネットで新聞記事などを検索しながら考えておく。 (2時間)
【事後学習】授業の中で提示した様々な仮説とその検証結果についてノートに整理しておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
13 企業・労働組合と地域社会 ヤンキーシティ研究
【事前学習】日本国憲法において労働組合はどのように位置づけているかを憲法の条文を見ながら理解しておく。 (2時間)
【事後学習】ホーソン実験に対する主要な批判の論点について、箇条書きで整理しておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
14 小集団とリーダーシップ(A-3-2)
【事前学習】ホーソン実験の第二段階において、職場の小さな集団を分析対象とした意義が何であるのかを考えておく。 (2時間)
【事後学習】リーダーシップとヘッドシップの違いについて300字程度で整理しておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
15 現代の産業社会学―最新の研究成果の紹介 成果主義、ブラック企業、職場で孤立化する個人
【事前学習】現代の産業社会を巡る問題にはどのような問題があるのか、新聞記事などを検索しながら考えをまとめておく。 (2時間)
【事後学習】現代の産業社会学者がテーマとしている問題について自分の考えをまとめておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 なし
参考書 松島静雄 『産業社会学 (放送大学印刷教材 絶版につき図書館等で参照せよ)』 日本放送協会 1985年
参考書は興味のある人が目を通して下さい。その際、既に絶版で、入手は困難ですので図書館等で閲覧して下さい。授業を視聴していれば、参考書を読まなくても単位は取得できます。
成績評価の方法及び基準 試験(90%)、授業参画度:不定期にレポート、コメントペーパーを求める授業回がある。新型コロナの感染状況によっては、レポート提出に切り替える場合がありうるので毎週BLACKBOARDの連絡事項を確認すること。(10%)
試験(もしくはレポート)の内容を重視しますが、不定期に提出を求める課題の内容も加味します。
産業社会学の古典的な研究や独自の考え方を理解しているかどうか、授業内容を正確に理解しているかどうかを確認します。
以上を踏まえ、A-3-2(論理的・批判的思考力)の修得状況を評価します。対面授業に参加できない場合の成績評価については別途授業内で説明する。
オフィスアワー CANVAS-LMS上のメールで随時質問を受け付ける。メールで疑問が解消しない場合は日程調整の上で別途対面で質問に答える。
備考 初回講義開始までに、当該授業のCANVAS-LMSのコース登録を行うこと。授業に関連する重要な連絡(課題の提出等)はCANVAS-LMSを通じて随時行うので毎週授業の前日に必ずチェックすること。

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