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実証・応用特殊研究Ⅱ

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令和2年度以降入学者 実証・応用特殊研究Ⅱ
教員名 立道信吾
単位数    2 学年 3・4 開講区分 文理学部
科目群 社会学科
学期 後期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業の形態 対面授業を基本とするが、猛暑(夏季)、厳寒(冬季)、一時的な感染症の蔓延等の健康への甚大な影響が予想される気候下の授業日については、遠隔授業に切り替える可能性がある。前日に遠隔授業への変更を指示する場合がある。従って、毎週CANVAS-LMSを確認することを義務づける。
Canvas LMSコースID・コース名称 G113074D8 2024実証・応用特殊研究Ⅱ(立道信吾・後・金3)
授業概要 就職活動の社会学。就職活動の最近の実態について、産業社会学の観点から分析を加えていく。明治・大正期の高学歴者の失業問題など高学歴者の失業問題について歴史的に学んだ後、現代日本企業の採用選考がどのような方法や基準で行われているかを掘り下げて考えて行くことで、現代日本における資本主義社会の特徴を見いだしていく。本授業の担当者は、厚生労働行政の研究所で長年労働政策研究に携わっており、我が国の労働政策との関連を踏まえながら講義を行う。
授業のねらい・到達目標 〈知識・技能〉
企業の採用選考の実態や様々な就活に関する現象の意味を理解することで、現代日本の資本主義社会の特徴を理解するとともに、就職活動の最新の実態を知ることで、各自の就職活動を成功させる一助とする。授業では企業の人事労務管理に関する基本的な知識が修得できるため、就職した後の自身の働き方についての評価基準を知ることが出来る。
〈能力〉
上記の〈知識〉〈技能〉を経て、以下の〈能力〉を育むことが目標である。
・具体的な社会現象や社会問題を入り口に,「あたりまえ」の理解からは読み取れない現代社会の多層性と多様性を、社会学の専門領域の知見を踏まえ論理的・批判的に理解することができる。(A-3-3: 論理的・批判的思考力)
・個人またはグループで設定した研究課題に取り組むために必要な情報や知識を収集し,それを分析に活かすことができる。(A-5-3: 挑戦力)
*この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP3、DP5およびカリキュラムポリシーCP3、CP5に対応しています。
授業の形式 講義
授業の方法 教員がオンスクリーンプレゼンテーションで授業を行う。受講生はこれをノートにまとめることを毎回の課題とする。対面以外での質問は原則CANVAS-LMSを通じて随時受け付ける。受講上の注意事項をCANVAS-LMSを通じて随時伝達するので毎週CANVAS-LMSの掲示や教員から受講者向けのメールなどに注意すること。授業内容に関するコメントを対面授業、遠隔授業で求める授業回がある。授業内で課題(試験やレポート等)に対するフィードバックを行う。本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。
履修条件 他学科生の履修も妨げないが、社会学の方法論、とりわけM.ウェーバーの「価値自由」やK.マンハイムの知識社会学などを理解した上で無いと、授業担当者の意図が正確に受講生に伝わらない授業回もある。社会学は人々の価値観の根幹にかかわるようなセンシティブなテーマを頻繁に取り扱う特殊な学問である。本授業においても、年齢、性、所得、家族形態、社会階層といったデモグラフィックな要因、個人の思想・信条の問題にも言及するが、社会科学の方法論として、特定の立場にある人々に対する主観的な価値判断と客観的な事実は厳密に分離する必要がある。だが、時に人は客観的な事実の提示に対して、自らの主観的な価値判断と重ね合わせて、信念と異なる事実に対する拒絶反応が生じる場合もある。こうした問題が起こることから、受講生が疑問を感じた時に直ぐにこれに応える体制を整えるためにも可能であれば対面授業に参加できる者にのみ履修を許可したい。ただし、合理的配慮が必要な学生の受講を妨げるものではない。必要とされる具体的な配慮の内容について教員に連絡をいただければ対応する。
授業計画
1 ガイダンス 就職活動の社会学とは(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】大学生の就職活動をキーワードにインターネットで新聞記事を検索して読んでおく。 (2時間)
【事後学習】授業中にとったノートを整理する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
2 戦前における日本型雇用システムの形成過程 新規学卒者の定期採用の歴史(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】日本の現代史の流れを概観しておく。 (2時間)
【事後学習】定期採用が生まれた背景を整理しておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 近代化の過程で起きた高等遊民問題(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】明治期の日本の近代化について概観しておく。 (2時間)
【事後学習】高等遊民の社会的な評価がどのように変わっていったかを整理しておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
4 企業は大学生をどのように評価しているか。戦後日本における高学歴者の位置づけ(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】 現代史のうち戦後について概観しておく (2時間)
【事後学習】大学進学率の変化についての統計を見て、大卒者の希少性が低くなった実態を理解しておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 なぜ適性検査対策が重要なのか? 適性検査が重視される背景と意味(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】インターネットで「適性検査」をキーワードに検索をしておく。 (2時間)
【事後学習】実際にSPIなどの適性検査が体験できるインターネットサイトで、自分の非言語的能力がどの程度であるかを確認しておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 企業の選考プロセスの実態(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】インターネットで「学歴フィルター」をキーワードに検索をしておく。 (2時間)
【事後学習】適性検査、面接、それぞれの役割の違いについて整理しておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 エントリーシートや面接で企業は何を明らかにしようとしているのか―排除と包摂の論理(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】 インターネットで「EQ(こころの知能指数)」をキーワードに検索をしておく。 (2時間)
【事後学習】 採用選考で重要視されている二つの側面である排除と包摂について具体的には何を指すのか説明できるようにしておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
8 採用の自由とは何か?「三菱樹脂事件」憲法の私人間効力(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】インターネットで「基本的人権」をキーワードに検索をしておく。 (2時間)
【事後学習】三菱樹脂事件の判決内容についてインターネットで検索し、整理しておく (2時間)
【授業形態】対面授業
9 就活の軸とは何か? 就活実態調査の統計分析の結果から(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】インターネットで「就活 軸」をキーワードに検索をしておく。 (2時間)
【事後学習】自分自身が就活を行う場合に、どのような軸で行うのか考えてみる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 悪徳?就活塾とは何か? 就活ビジネス登場の背景と意味 社会人なら誰でも就活指導ができるのか?(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】インターネットで「就活塾」をキーワードに検索をしておく (2時間)
【事後学習】自分が就活を進める上で持っていなければならないマナーや常識をどの程度持っているか確認する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 どのように業界や企業を絞るべきか 就活戦略の重要性(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】インターネットで「業界研究 企業研究」をキーワードに検索をしておく。 (2時間)
【事後学習】SWOT分析や5FORCES ANALYSISなど分析ツールを使って特定の企業や業界を研究してみる (3時間)
【授業形態】対面授業
12 就職活動はどのように終えるべきか―オワハラ問題と内定の法的意味(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】インターネットで「オワハラ 就活」をキーワードに検索をしておく。 (2時間)
【事後学習】民法における解約の自由と、ILOの定める職業選択の自由について調べておく (2時間)
【授業形態】対面授業
13 就職した後の競争を考える 社会移動とは何か(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】インターネットで「初任配属」をキーワードに検索をしておく (2時間)
【事後学習】社会移動の理念型についてノートに整理しておく (2時間)
【授業形態】対面授業
14 変わる選考方法 早期選考の一般化とインターンシップの質的変化(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】インターンシップのあり方に関する1996年時点での行政の見解を調べておく (2時間)
【事後学習】就労体験から選考へとインターンの意味が変容した背景についてまとめておく (2時間)
【授業形態】対面授業
15 まとめ 就活から現代日本の資本主義社会を考える(A-3-3)(A-5-3)
【事前学習】14回目までの授業をノートを見ながら授業を振り返る (1時間)
【事後学習】就活という側面から見た日本の資本主義の特徴について整理する (3時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 なし
参考書 適宜紹介する。
成績評価の方法及び基準 試験(80%)、授業内テスト:コメント等の提出を求める授業回がある(20%)
レポートの結果を重視するが不定期に提出を求める課題に優れた意見・考えを書いた者に対しては、内容を授業内で紹介するともともに、成績評価に反映させます。
なお、本授業では、以下の能力を重視しています。
・具体的な社会現象や社会問題を入り口に,「あたりまえ」の理解からは読み取れない現代社会の多層性と多様性を,社会学の専門領域の知見を踏まえ論理的・批判的に理解することができる。(A-3-3: 論理的・批判的思考力)
・個人またはグループで設定した研究課題に取り組むために必要な情報や知識を収集し,それを分析に活かすことができる。(A-5-3: 挑戦力)対面授業に参加できない場合の成績評価については別途授業内で説明する。
オフィスアワー CANVAS-LMS上のメールで随時質問を受け付ける。メールで疑問が解消しない場合は日程調整の上で別途対面で質問に答える。
備考 初回講義開始までに、当該授業のCANVAS-LMSのコース登録を行うこと。授業に関連する重要な連絡(課題の提出等)はCANVAS-LMSを通じて随時行うので毎週授業の前日に必ずチェックすること。

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