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臨床社会心理学特講

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令和2年度以降入学者 臨床社会心理学特講
教員名 坂本真士
単位数    2 学年 3・4 開講区分 文理学部
科目群 心理学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
Canvas LMSコースID・コース名称 L033101831 2024臨床社会心理学特講(坂本真士・前・水5)
授業概要 社会心理学では、人と人との相互作用について研究する。一方、臨床心理学などで扱う不適応の問題は、他者・社会・環境と自分との関係において発生する。適応している人同士の一般的な相互作用を扱うか、不適応に関連する相互作用を扱うかの点で、社会心理学と臨床心理学は異なるが、2つの領域は密接な関係にあることに疑いの余地はない。つまり、この両方を融合した臨床社会心理学からの接近が、不適応を幅広く理解するためには重要である。
 本授業では、多くの人が悩まされる抑うつ(うつ病、新タイプ抑うつ)を題材とし、臨床社会心理学的な視点から説明する。本授業では複数回にわたり調査を実施し、そこで集めたデータも授業内で資料として提示することで、より深い理解を得る試みをする。
授業のねらい・到達目標 臨床心理学と社会心理学の2つの領域について、その歴史的展開を踏まえて各領域の独自性を理解できる。抑うつ(うつ病、新タイプ抑うつ)について、心の健康の点から理解することができると同時に、社会心理学的視点からも捉えることができる。心の問題に対処したり社会での適応を高めたりするために、個人と社会との相互作用の視点から論じることができる。

・具体的な実験例や調査例を通し,実証的アプローチの仕方について理解できる(A-3-3)。
・生活における身近な現象や臨床心理学で扱われる問題を,社会心理学とその周辺領域の枠組みから考えられるようになる(A-3-3, A-4-3)。

新カリキュラム(令和2年度以降の入学者)では, この科目は文理学部(学士(心理学))のディプロマポリシー DP3,4, 及びカリキュラムポリシー CP3,4に対応しています。
授業の形式 講義
授業の方法 ・教科書の他に、配布する資料、スライド等を用いて講義する。
・本授業では教科書を指定している。必ず事前に読んでから参加してほしい。
・講義の一部では, 多数の回で本授業に関連する調査に参加してもらい(無記名で回答)、そのデータを解析し、後続回での授業内で教材として使用する。
・授業内で実施する小テストについては、次の週にて解答を示して説明する
授業計画
1 ガイダンス、心の問題への臨床社会心理学的アプローチとは何か(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】シラバスを事前に確認する。教科書p.3~7を読んで不明な点があればノートにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
2 うつ(depression)とは何か(1):典型的なうつについて(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】教科書p.13~22を読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。さらに深く知りたい場合は、先行する授業内で紹介された論文を読むなど、自分で調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
3 うつ(depression)とは何か(2):「新型うつ」とは何か(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】教科書p.13~22を読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。さらに深く知りたい場合は、先行する授業内で紹介された論文を読むなど、自分で調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
4 うつ(depression)とは何か(3):うつ病、EBMと操作的診断基準(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】教科書p.23~41を読んで読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。さらに深く知りたい場合は、先行する授業内で紹介された論文を読むなど、自分で調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
5 「新型うつ」登場の社会的背景(1):医療と社会の変化(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】教科書p.23~41を読んで読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。さらに深く知りたい場合は、先行する授業内で紹介された論文を読むなど、自分で調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
6 「新型うつ」登場の社会的背景(2):経済・働き方と健康意識の変化(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】教科書p.23~41を読んで読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。さらに深く知りたい場合は、先行する授業内で紹介された論文を読むなど、自分で調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
7 「新型うつ」登場の社会的背景(3):その他の文化的背景(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】教科書p.23~41を読んで読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。さらに深く知りたい場合は、先行する授業内で紹介された論文を読むなど、自分で調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
8 前半のまとめ、心理学研究の始め方(A-3-3, A-4-3)(対面授業)
【事前学習】教科書p.42~52を読んで読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。さらに深く知りたい場合は、先行する授業内で紹介された論文を読むなど、自分で調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
9 うつの個の側面(1):素因の把握と測定尺度の作成(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】教科書p.55~67を読んで読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。さらに深く知りたい場合は、先行する授業内で紹介された論文を読むなど、自分で調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
10 うつの個の側面(2):対人過敏傾向・自己優先志向(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】教科書p.68~100を読んで読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。さらに深く知りたい場合は、先行する授業内で紹介された論文を読むなど、自分で調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
11 うつの対人的側面(1):周囲の態度(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】教科書p.125~138を読んで読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。さらに深く知りたい場合は、先行する授業内で紹介された論文を読むなど、自分で調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
12 うつの対人的側面(2):自己呈示、病者役割、対人理論(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】教科書p.101~122、139~153を読んで読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。さらに深く知りたい場合は、先行する授業内で紹介された論文を読むなど、自分で調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
13 うつの対人的側面(3):一人称的視点からの理解(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】教科書p.157~170を読んで読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。さらに深く知りたい場合は、先行する授業内で紹介された論文を読むなど、自分で調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
14 うつを予防するためには:個人内および対人的相互作用から(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】教科書p.171~222を読んで読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。さらに深く知りたい場合は、先行する授業内で紹介された論文を読むなど、自分で調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (2時間)
15 まとめと振り返り(A-3-3, A-4-3)
【事前学習】教科書p.223~228を読んで読んで不明な点があればノートにまとめておくこと。これまでの授業を振り返り、わからない点があれば質問できるようにしておくこと。 (3時間)
【事後学習】授業内で配布のプリントを復習する。 (1時間)
その他
教科書 坂本真士 『「新型うつ」とは何だったのか』 遠見書房 2022年
これをもとに授業を進める。初回授業前に用意しておいてほしい。
参考書 丹野義彦、坂本真士 『自分のこころから読む臨床心理学入門』 東京大学出版会 2001年
坂本真士,丹野義彦,安藤清志 『臨床社会心理学』 東京大学出版会 2007年
他に適宜紹介する。
成績評価の方法及び基準 授業内テスト:小テストを実施する。4回、7回、10回で実施する予定である。(30%)、授業参画度(70%)
授業参画度:リアクションペーパーへの記入(ほぼ毎回実施)、課題の提出、グループワークへの参加などで判断する。なお、リアクションペーパーおよび課題は、指定された授業内でしか受け付けない。
オフィスアワー 水曜昼休み、坂本研究室にて

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