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数学研究1

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令和2年度以降入学者 数学研究1
教員名 山浦義彦
単位数    2 学年    4 開講区分 文理学部
科目群 数学科
学期 前期 履修区分 必修
授業形態 対面授業
Canvas LMSコースID・コース名称 P040239A7 2024数学研究1(山浦義彦・前・水1)
授業概要 解析学(微分積分学)の発展的内容を理解する. 簡単な微分方程式を扱うことにより,
微積分学基本定理の有用性を理解する. また, 関数列の収束性の概念を通じて,
より専門的な「関数解析学」の導入的内容の勉強を行う. さらに, 陰関数定理や
Gauss-Green の公式といった, 多変数関数特有の定理を学ぶことにより, 3年次で学んだ
多変数関数の微分可能性がどのように実用的に使われるかを理解する.
授業のねらい・到達目標 ●授業のねらい
1変数関数の微積の応用として微分方程式や関数列の取り扱いを理解する.
また, 2変数関数の微積の応用として, 陰関数定理と Gauss-Green の公式を理解する.
以上により, 微分や積分の考え方が, 曲がった対象を平面的な対象に置き換えて近似する
ということを実体験してもらう.
●到達目標
微分積分学が「近似」とその極限的手法によって成り立っていることを原理
に基づいて理解してもらうことを目標とする.
・代数系の基本概念を説明できます。
・自ら選んだテーマを分かりやすく発表することができます。
・ゼミに積極的に参加することができます。
・大学で学修したことと高校数学の関係を説明することができます。

<ディプロマポリシーとの関係>
この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシー DP1~8 及びカリキュラムポリシー CP1~8に対応しています。

<日本大学教育憲章との関係>
・学修から得られた豊かな知識と教養、及び、自己の倫理感に基づいて、数理科学の役割を説明することができる(A-1-2)。
・現代社会における数理科学の役割を理解し、そのことを踏まえて、国際社会が直面している問題を説明することができる(A-2-2)。
・自らが獲得してきた数理科学的知識を基礎とし、その上で既存の知識にとらわれることなく、数理科学的根拠に基づいて論理的に考察することができる(A-3-3)。
・日常生活における現象に潜む数理科学的問題を発見し、専門的知識に基づいて解決案を作成できる(A-4-3)。
・新しい問題に取り組むために、必要な情報を収集し、それを数理科学的に分析して用いることができる(A-5-3)。
・多種多様な背景を持つ人々の説明の趣旨を理解し、数理科学の専門的知識と魅力を分かりやすく提供することができる(A-6-4)。
・学修活動において、専門的知識を活かしつつ、自分の役割分担を理解し、他者と協働して作業をすることができる(A-7-3)。
・学修活動に関する自己分析の他、他者からの評価を謙虚に受け止め、今後の学修活動に生かすことができる(A-8-4)。
授業の形式 ゼミ、卒業論文・研究
授業の方法 少人数のセミナー形式の講義である.
受講学生は, 指定教科書を分担して, 熟読し, 数学的内容を理解した上で,
輪講形式でホワイトボードを使って口頭発表する.
その際に, 発表方法や数学的内容の補足についてのアドバイスを細かく行う.
※対面参加が難しい場合は担当教員に相談してください。
履修条件 数学科の内規によります。 対象者はゼミに所属するものに限ります。
授業計画
1 オリエンテーション : 卒業研究についての自分の問題意識を整理し (A-5 挑戦力), 数学研究の意義を理解する.
【事前学習】卒業ゼミ生の卒論などを閲覧し, 卒論の概要を理解し, ノートにまとめること(A-1 知識と教養・倫理観). (2時間)
【事後学習】卒業研究における自分の課題意識を整理した上で, 数学講究における資料を整理し, ノートにまとめること (A-8). (3時間)
【授業形態】対面授業
2 1階定数係数常微分方程式 --- simple form への帰着についての模擬授業を行い(A-5, A-6),
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
発表や演習問題を解く能力を高める(A-3, A-4)
【事前学習】変数分離法を復習し, ノートにまとめること (2時間)
【事後学習】変数分離法が使えない場合にどういうテクニックがあるのかを復習すること 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). (3時間)
【授業形態】対面授業
3 2階定数係数常微分方程式--- 特性方程式が異なる2解をもつ場合の解法
発表や演習問題を解く能力を高める(A-3, A-4)
グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7)
【事前学習】1階微分方程式の解法を復習し, ノートにまとめること (2時間)
【事後学習】一階微分方程式がどのように使われるかを理解すること. 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). (3時間)
【授業形態】対面授業
4 2階定数係数常微分方程式--- 特性方程式が重解を持つ場合の解法
についての模擬授業を行い (A-5, A-6), グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7).
【事前学習】特性方程式の解の個数が解法にどのような影響を与えるかを復習し, ノートにまとめること (2時間)
【事後学習】重解の場合の計算テクニックを復習すること. 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). (3時間)
【授業形態】対面授業
5 連続関数に対する最大値原理についての模擬授業を行い (A-5, A-6).
発表や演習問題を解く能力を高める(A-3, A-4)
【事前学習】Bolzano-Weierstrass の定理の主張と証明を復習しておくこと. (2時間)
【事後学習】どうして収束部分列が存在するのか, という問いに答えられるよう熟考すること. 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). (3時間)
【授業形態】対面授業
6 平均値定理, 中間値定理とそれらの証明
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
【事前学習】上限の考え方とこれらを応用した大学受験問題を探して解いておくこと (2時間)
【事後学習】これらの証明方法を深く理解すること . 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). ゼミメンバー内で第1回から第6回までの内容を議論する (A-6, A-7 リーダーシップ). (5時間)
【授業形態】対面授業
7 スキルアップ学習(1): 関数列の収束性概念の演習を通じて,関数解析的手法を理解する(A-4 問題解決力).
【事前学習】数列の収束性を復習し, ノートにまとめること (2時間)
【事後学習】数列の収束性と関数列の収束性の扱いの相違点をまとめておくこと. 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). (3時間)
【授業形態】対面授業
8 スキルアップ学習(2): 各点収束と一様収束のに関する演習を通じて関数解析的手法を理解する(A-4 問題解決力). グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7).
【事前学習】関数列の収束性としてどういう種類があったかを復習し, ノートにまとめること (2時間)
【事後学習】各点収束性と一様収束性の関係を理解すること. 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). (3時間)
【授業形態】対面授業
9 スキルアップ学習(3): 一様収束に伴う連続性, 微分可能性の保存に関する演習を通じて
関数解析的手法を理解する(A-4 問題解決力).熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
【事前学習】一様収束性の定義を復習し, ノートにまとめること (2時間)
【事後学習】一様収束性が仮定された場合の連続, 微分可能性に関する扱いを復習すること. 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). (3時間)
【授業形態】対面授業
10 スキルアップ学習(4): 一様収束に伴う積分の保存の証明を学び,
関数解析的手法を理解する(A-4 問題解決力)。
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2)
【事前学習】一様収束すればどうして連続性や微分可能性が保存されるのか復習し, ノートにまとめること (2時間)
【事後学習】積分が保存される理由を復習すること. 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). ゼミメンバー内で第6回から第10回までの内容を議論する (A-6, A-7 リーダーシップ). (5時間)
【授業形態】対面授業
11 陰関数定理とその応用 2 --- 陰関数の微分可能性
についての模擬授業を行い (A-5, A-6),
グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7).
【事前学習】2変数関数の偏微分可能性を復習し, ノートにまとめること (2時間)
【事後学習】陰関数とはなにかを復習すること. 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). (3時間)
【授業形態】対面授業
12 陰関数定理とその応用 2 --- 陰関数の微分可能性
過去の卒業論文を読んで参考にすること(A-1)
発表や演習問題を解く能力を高める(A-3, A-4)
【事前学習】陰関数とは何かをもう一度復習し, ノートにまとめること (2時間)
【事後学習】何故微分可能性が遺伝するのかを理解すること. 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). (3時間)
【授業形態】対面授業
13 陰関数定理とその応用 3 --- Lagrange 未定乗数法
についての模擬授業を行い (A-5, A-6).
グループ学修によるコミュニケーション能力向上と協調性の習得する(A-6, A-7).
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
過去の卒業論文を読んで参考にすること(A-1)
【事前学習】2変数関数の極値問題を復習し, ノートにまとめること (2時間)
【事後学習】条件付き極値問題の意味を復習すること. 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). (3時間)
【授業形態】対面授業
14 Gauss-Green の定理の主張と応用 1 ---- 重積分を計算する
についての模擬授業を行い (A-5, A-6),
聴衆側は発表内容を聴き, 良い点・悪い点を積極的にコメントする (A-6, A-7).
熟考を伴うふりかえりとノートテイクを実行すること(A-8)
過去の卒業論文を読んで参考にすること(A-1)
【事前学習】重積分の累次積分による計算方法を復習し, ノートにまとめること (2時間)
【事後学習】Gauss-Green の公式を使った重積分の計算方法を復習すること. 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). (3時間)
【授業形態】対面授業
15 Gauss-Green の定理の主張と応用 2 --- 簡単な場合の証明
についての模擬授業を行い (A-5, A-6),
社会での論理的思考の有意義な活用を目指す(A-2).
過去の卒業論文を読んで参考にすること(A-1)
【事前学習】1変数微分積分学の基本定理を復習し, ノートにまとめること (2時間)
【事後学習】Gauss-Green の公式が1変数微分積分学基本定理の拡張であることを理解すること. 発表者は聴衆や教員の意見に基づき, 発表内容を見直す (A-8). ゼミメンバー内で第11回から第15回までの内容を議論する (A-6, A-7 リーダーシップ). (5時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 山浦義彦 『ゼミテキスト「微分積分学」』 簡易製本
自作テキスト(微分積分から解析の初歩まで)を中心にゼミを進めます.
参考書 杉浦光夫 『解析入門 (基礎数学2)』 東京大学出版会 1979年 第2版
長岡亮介 『数学の二つの心』 日本評論社
長岡亮介 『関数とは何か』 近代科学社
成績評価の方法及び基準 授業参画度(100%)
・ゼミ内での発表(主として模擬授業)を「準備状況,分かりやすさ,内容の正確さ」の視点から評価する。
・ゼミ内での質問を「頻度,的確さ, 模擬授業への参加度」の視点から評価する。
・発表のためのプリント作成能力, および, 板書記述能力を評価する。
・数学的な原理の説明をわかりやすく他人に伝える能力を評価する。
・発表内容に対する具体的な発問能力及びそれに対する他者との問答, および解答を与える能力を評価する。
・事後学習(TeX による講義ノート, プリント作成)の進捗状況を評価する。
以上を授業参画度として評価する。遠隔参加でも対面参加と同様に評価する。
能力(A-1)から(A-8)の習熟度については、別途配布のチェック項目により評価する。
オフィスアワー 木曜日3限
また, メールや Canvas LMS を用いて質疑応答を行います.
備考 「事前学習・事後学習」に関する学習時間は目安です.

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