授業テーマ
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明治期の立身出世主義と文学
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授業のねらい・到達目標
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我々はなぜ〈学ぶ〉のであろうか? 本講義では、明治期の立身出世主義という思想について考える。これは、〈教育〉を介して上昇しようとする考えとひとまず言い換え可能であり、また明治5年の「学制」公布以降、変奏されながら現代社会にも継受されているといえるだろう。思想的基盤となった当時の二大ベストセラーである『西国立志編』『学問のすゝめ』などを概観した後、いわゆる〈立志小説〉〈上京小説〉などと呼ばれるテクストを読解しながら、立身出世主義に関する言説編成を見ていきたい。
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授業の方法
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講義形式で行う。適宜資料を配布するが、基本的にパワーポイントを使用し、進めていく。
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事前学習・授業計画コメント
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授業計画に示した書物を読んでおき、大まかにでも内容を把握しておくことが望ましい。
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授業計画
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1
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ガイダンス
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2
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『西国立志編』『学問のすゝめ』―政治の世界への誘い
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3
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「学制」公布に見る政府の文教政策(「学問ハ身ヲ立ル」)
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4
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雑誌『穎才新誌』における読者投稿
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5
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自由民権運動の高まりと政府の文教政策の転換
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6
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菊亭香水『惨風悲雨 世路日記』
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7
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坪内逍遥『一読三歎 当世書生気質』
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8
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二葉亭四迷『浮雲』
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9
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徳富蘇峰『将来之日本』『新日本之青年』―立身出世主義の転回①
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10
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徳富蘇峰『将来之日本』『新日本之青年』―立身出世主義の転回②
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11
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北村透谷―アンビションとその挫折
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12
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森鷗外『舞姫』
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13
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宮崎湖処子『帰省』
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14
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夏目漱石『こゝろ』
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15
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まとめ
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その他
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参考書
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授業中、適宜紹介する。
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成績評価の方法 及び基準
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試験(50%)
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授業参画度(50%)
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